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私のローマとっておき散歩道
 
15 febbraio 2005


第3回 ナヴォーナ広場地区
〜 ジュリア通りからバンキヴェッキ通りへ〜


写真・文:平松 玲




旧市街や私の住むトラステヴェレ地区の歩道を覆う石畳。これらの石畳は、サンピエトリーノと呼ばれ、未だに一つ一つが手作業で埋められている。石畳の小道が町並みを通る景色は、風情があっていいものだが、うっかりヒールの高い靴で歩こうものなら、隙間に足を取られて歩きにくいことこの上ない。先日も、友人のマリアが被害にあい、腕を折ってギブスをはめるに至った。毎年、何人もの被害者が出て、市を相手取って訴訟を起こすが、決着がつくのは、10年以上も先になるらしく、途中であきらめざるを得ないという。見た目の美しさの陰に潜む、石畳地区に住む人の意外な苦労を知った。そんなことがあっても、さすがと言うか、美意識の高いローマ市民は、石畳を廃止することなど考えもしない。私もご多分に漏れずで、散歩をする時は、つい石畳の通りへ足を向けている。

写真トップと下:ジュリア通り

そうして、石畳の王道と言えば、なんといっても ジュリア通りVia Giulia。シスト橋の袂から、オーロ広場まで気持ち良く一直線に伸びており、道幅もローマで一番広い。ファルネーゼ宮殿から通りを跨ぐ回廊が繋がっており、その足下はアーチ形にジュリア通りを飾っているが、回廊を覆うツタが実に見事だ。春は、爽やかなグリーンに、秋は、微かに色をつけ、季節の移り変わりを教えている。左右に並ぶパラッツォ(建物)も、立派なものが多い。パラッツオ・ファルコニエリ、1646年建設。パラッツオォ・バルドゥカ、16世紀建設などと黄色い立て札が立てられており、建設当時の所有者、貴族家の名称が示されている。教会の数が多いのにも驚かされる。現在は、門を閉ざしているところもあるが、数えてみると11か所もあった。
この通りを歩く楽しみの一つは、高価な骨董品や絵画を置くギャラリーを眺めること。日曜日の朝早く、通りを歩く人もまばらな時間に、ガラス越しにじっくりと芸術品を鑑賞しつつ、当時の暮らしに夢をはせるのは、なんとも楽しいものだ。ジュリア通りの芸術品は、手が届かないものばかりだが、ちょっとしたお祝いをプレゼントしたい時には、一本道を隔てたバンキベッキ通りVia di Banchi Vecchiへ足を伸ばす。

左下:ペッレグリーノ通り
右下:バンキヴェッキ通りから。左がペッレグリーノ、右がモンセッラート


テヴェレ川のすぐ横、ジュリア通りから一本奥へ平行して並ぶ、バンキベッキ通りは、途中でモンセッラート通りVia Monserratoとペッレグリーノ通りVia del Pellegrinoの2本に分かれ、ファルネーゼ広場とカンポ・デイ・フィオーリ広場へ繋がるが、現代アートのギャラリーや、アンティークショップ、デザイナーズの小さな洋服屋さんもあり、手頃な商品を並べている。ジュリア通りの貴族家に出入りする職人達がこの通りに工房を作ったのが始まりだと聞くが、当時の様子は、今も変わらぬ建物の構えや石畳の道幅からも伺える。ジュリア通りの半分ほどの小道に間口の狭いショップが軒を並べているからだ。5世紀を越えても変わらぬ町の構造。まさに、石の文化の素晴らしさを垣間見る思いである。

 

■ジュリア通りまでのアクセス

カンポ・デイ・フィオーリ広場Piazza Campo dei Fioriの市場を眺めた後、広場から繋がるジュッボナリ通りVia del Giubbonariへ出てアルコ・デル・モンテ通りVia Arco del Monteを右折し、トリニタ・デイ・ペッレグリーノ広場Piazza Trinita dei Pellegrinoを通り越してペッティナリ通りVia di Pettinariをテベレ川まで出るとジュリア通りの入り口に出ます。シスト橋Ponte Sistoがあるので、橋を目指せば間違える事はないでしょう。
カンポ・デイ・フィオーリ広場からこの行程を辿ってジュリア通りに出るまでは、ゆっくり歩いて約5分。他の道より人通りも多いので、安心して歩けます。


著者プロフィール  

平松 玲
1958年生まれ
27才の時、写真家のアシスタントに。料理写真家、小川勝彦氏に師事。その後、スタジオ テラを経て1991年に独立。1995年に渡伊。フィレンツェ、シチリア島に住み、食や島民の生活を撮り続ける。現在は、ローマ在住。数多くの雑誌でイタリア取材、撮影に携わる。
1999年 写真展シチリアの光 開催(スタジオ赤坂回廊記念)
主な書籍:
「ワイン上手で行こう」(写真担当、主婦と生活社)
「スローフード宣言」イタリア取材(写真担当、木楽舎)
「ローマでお昼ごはん」(写真と文、阪急コミュニケーションズ)

HPアドレスは、www.reihiramatsu.com
メールアドレスは、info@reihiramatsu.com


『ローマでお昼ごはん』              
阪急コミュニケーションズ発行
定価:1890円(税込)、ページ数:192ページ
発行日:2004年4月27日
ローマの郷土料理といえば、トリッパ(仔牛の胃袋)やアバッキオ(仔羊肉)、ユダヤ料理が発祥のカルチョーフォ・フリットにアマトリチャーナ。
ローマ料理に飽きたら、イタリア各地方の名物料理を出すトラットリアへ。
食べたいものを食べたいだけ。無理せず、おいしく、をモットーに。
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