前回お話したように、当時は延長できたはずの就学ビザを持ってイタリアへやって来たものの、現地のクエストゥーラの怠慢からそれが行えず、結局一時帰国し、2度目の就学ビザを取り直して再度イタリアへと渡ってきた私。
その後、イタリアでの生活もトータル約6ヶ月を過ぎ、こちらでの生活にもかなり慣れ、イタリア人との会話に全く問題無いほどまで語学力の方もアップすることが出来た。
そんな折、イタリアの移民・難民問題に詳しいイタリア人からたまたま、就学用滞在許可証にてイタリアに滞在中の学生にも、イタリアで就労期間・時間などに限定はあるものの、実はイタリアでの就労行為に就いてもいいとの旨を耳にすることになる(就学用滞在許可証にてのイタリアでの就労行為については、私が運営するサイトに、もう少し詳しく書いております。ご興味持たれた方は、是非ご覧下さい)。
基本的にイタリアには遊学のつもりで渡った私ではあったけれど、折角ここまで来たのならば自分の語学力・実力を試してみたい、という気持ちがあった。それに単なる遊学・留学をしたというよりも、現地で社会人としての経験をつむことが出来れば、将来の日本での就職にも何かプラスになるかもしれないとも感じた。そしてなんといっても、日々不満はあれど、イタリアでの生活が気に入っており、もう少しこちらで生活してみたいという気持ちも強かった。また当時は、イタリアでの就職に関し、勿論容易でないことは想像していたけれど、まさかその後実際に経験するほどに、外国人がイタリアで就職するという現状の厳しさを知らなかったというのが逆に幸いしたというのもあるかもしれない。
そんなこんなで始まった私のイタリアでの就職活動。インターネットなどで色々検索を掛けてみたものの、イタリアでの就職に関する日本語の情報・サイトなどは当時殆ど無かった。そんな中、全くの手探り状態で、まずは履歴書の作成から始めた。
ところで、履歴書の作成法にも、実はかなりお国柄というものがあるようで、イタリア語の履歴書は、日本語のそれとは同じ履歴書でも全く異なる種類のものだ。例えば、これはやはり平均的イタリア人の性格からくるものなのか、履歴書に記載する肩書きなどには、しばしば実際よりも大袈裟に、そして場合によってはウソまで書いてしまうのだ。まぁウソも方便と言ったところだろうか・・・
履歴書が出来れば、次は早速求人探しだ。まずは求人情報誌を手当たり次第に購入し、目を通す。気になるものがあれば、すぐに履歴書をメール、もしくは郵送にて送る。また、人材派遣会社にも登録し、連絡を待つ。良くも悪しくも「コネ」がものを言うイタリアでは、あるのであればコネを利用した方が得だ。というわけで、まずは知り合いのイタリア人に声をかけ、身近なところでどこか仕事を得られそうな場所を探す。
しかしイタリアでの就職活動を始めて3ヶ月、手ごたえのあるものは一つも無かった・・・イタリアでの就職は、勿論容易なことでは無いと想像していたけれど、でも一つくらいは何か・・・という気持ちがあったことも確かで、正直焦りが見え始めたのがこの時期だった。
次回は、私のイタリアでの就職活動第2回として、その後、私がイタリアで仕事を見つけるまでをお話したいと思います。