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イタリアへの留学、そして就職 ― 私の場合
 

15 maggio 2005

第7回:就労用滞在許可証取得までの長い道のり

くす ゆみこ







前回までに、私が紆余曲折しながら、イタリアで初の仕事を手に入れるまでをお話したと思う。今回は、実際に仕事を手にしてから、就労用滞在許可証を取得するまでについてお話したい。

さて、では仕事さえ手に入れたならば、すぐに就労用滞在許可証が手に入るのか?そのように考えていらっしゃる方も多いかもしれないが、実際にはそうではない。それどころか仕事を手に入れることそれ自体より、その後、就労用滞在許可証を手に入れることの方が、更に数段難しいとすら言えるかもしれない。

現在、多くの移民・難民に苦しむイタリア。そのイタリアで、新たに就労用滞在許可証を取得するのは非常に難しい。

実際にどのような手順をたどるかというと、まずは仕事を見つけること、それ自体は大前提。その後、所謂移民法の「Flussi Decreto」と呼ばれる法案が解禁される日を待つことになる。しかしこの「Flussi Decreto」という法案が非常に曲者で、解禁日を待つとはいっても、いつ次回の「Flussi Decreto」が解禁になるのかは、それを解禁する権限を持つ首相のみが知る限りである。大体最近の例からすれば一年に一度くらいはそれが解禁になるのであるが、解禁になったとはいっても、更にその数は定員制なのである。基本的には先着順で、更にここはイタリア、当然「コネ」のあるなしなども就労用滞在許可証の取得に影響すると言われている。

そのようなわけで毎年「Flussi Decreto」が解禁になると、定員を大きく上回る、多数の応募が殺到する。その中で実際に就労用滞在許可証を取得するに至るのは、ほんの少しの希望者だけであるといえる。私の場合も大体、上のような手順をたどり、幸運にも2002年の夏には就労用滞在許可証を取得し、現在に至る。

また就労用滞在許可証を取得する為にもう一つ、密かに知られている「裏技」も存在する。それは「Sanatoria」と言い、その言葉どおり、既にイタリアで不法就労に就く移民・難民を「救済」する措置である。
しかしこの「Sanatoria」、移民・難民の救済といってもいかがなものだ。というのもこの「Sanatoria」は、もっと単刀直入に言うと、既にイタリアで不法就労に就く移民・難民に、高い税金を支払わせてお金で就労用滞在許可証を販売するということなのだ。
「Sanatoria」は、「Flussi Decreto」以上にその解禁が不定期的で、今までの例からすると約5年から約10年おきに解禁になっている。またその解禁になる時期というのが、広く知られた噂によると、政府の財政状況が悪化したときだというのである。実際この「Sanatoria」が解禁されると、既にイタリアで不法就労している移民・難民は「高い税金」を政府に支払って、就労用滞在許可証を手にするのである。「税金」を支払うべきであるのは、本来なら不法に移民・難民を雇用している雇用主であるのだか、実際には就労者である移民・難民の多くがそれを肩代わりしているとも言われている。
2002年に「Sanatoria」が解禁になったときも、わらをも掴む気持ちでたくさんの移民・難民が「Sanatoria」に申請し、私の記憶によると、少なくとも一人当たり300から800ユーロ以上の「税金」を納めたはずだ。この「Sanatoria」で、イタリア政府も随分と潤ったという話は、以前に新聞でも読んで記憶に残っている。

このように今日、イタリアで仕事を見つけること、ましてや就労用の滞在許可証を取得することは至難の業である。またそれを実現したとしても、イタリアの給与水準は日本のそれと比べても数分の一というのが現状で、実際の生活は非常に厳しい。それにも関わらず現在もイタリアで働き続けている自分がここにおり、また今でも多くの学生さん・社会人の方から、「イタリアで働きたい」と相談を受けることもある。それにつけ、これほどまでに私たちをイタリアに惹きつけるものはなんなのであろうか?と考えずにはおられない。

次回は、この私が今でもイタリアで働き続けているその理由(イタリアに惹きつけられているその理由の一つ)、イタリア人のお仕事事情についてお話したい。


プロフィール

くす ゆみこ
2000年より、トスカーナ州アレッツオに在住。語学留学を経て、2002年、現地イタリア企業に就職。現在は、会社員として働くかたわら、イタリア留学、就職希望者向けに自身の体験談他を語る、「イタリア留学・就職・生活応援サイト Abbicci」を運営している。 

 



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