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イタリアへの留学、そして就職 ― 私の場合
 

15 settembre 2005

第8回:イタリアで働き続けている理由

くす ゆみこ







前回は、私が実際にイタリアで仕事を見つけ、そして就労用滞在許可証を手に入れるまでの長い長い道のりをお話した。今回はこんな思いをしてまで、そしてこちら(イタリア)で働きながらの生活は決して楽なものではないにも関わらず、私が今でもイタリアで働き続けている理由、イタリア人のお仕事事情についてお話したい。

さて、まずは就職先を見つけ、その後無事になんとか就労用滞在許可証も手にし、やっと正式に雇用先での仕事を始めることが出来た私。仕事を始めたといっても、最初の3ヶ月間は試用期間、研修生としての仕事だ。日本でも多くの企業で所謂この『試用期間』というものが存在するが、実際にはあってないようなもの。よっぽど なにか問題を起こさない限りはそのまま正社員として雇用されることが殆どだ。一方イタリアでは、この試用期間中にある程度の実力を発揮出来ない者は、その後正式な採用に至らない。ということで気を引き締めて研修生としての日々が始まった。

出勤時間は朝の9時から夕方の18時まで。朝9時からの出勤ということは、遅くとも9時10分ほど前くらいには会社に出社しなければならない。のはずが・・・初日から私は早めに出勤したにも関わらず、始業時間の9時になって会社に出勤していたのは同僚の半分にも満たなかった。『どうして??皆、何をやってるのかしら??』と思う私に同僚の一人が一言。『あなたとっても早い出勤ね!こんなに早く来なくたって良いのよ。あなたと同じ方向からやってくる社員は、みな一本遅い電車に乗ってきているのよ。あなたもそれに乗ればいいのよ!あなたが一番遠いところから来るんだから、それくらい大丈夫。私がタイムカードは押しておいてあげるから!』と。その後、9時半過ぎに堂々と出勤する同僚たち(勿論、彼女たちの出勤時間も9時から)。

イタリア人って分からない・・・と思いつつも、そんなことならと早速翌日から私も電車を一本遅らせて堂々の重役出勤だ。すると確かに同じ列車内には、私と同じ方角から出勤する同僚が多数乗車していた。そして最寄り駅に列車が到着したのが既に始業時間を過ぎた9時少し過ぎ。にも関わらずなんと彼らたちは『じゃぁ出社前にコーヒー一杯飲みに行こうよ。一緒にどう??』なんて涼しい顔。とっくに勤務時間が開始しているにも関わらず急ぐでもなくバールでお茶をして、それからゆっくりとご出勤だ。既に出勤していた同僚たちも慣れた風景なのか、特別に何かを言うわけでもない。

イタリアって素晴らしい!勿論全てのイタリア企業で同じようにとはいかないだろうけれど、私がイタリアで働き始めて一番最初のサプライズだった。

次回もまた、私のイタリアでの会社員生活の中で、実際に経験したいかにもイタリア的なエピソードについてお話したいと思う。

トップ写真:陽気な同僚とのお食事会


プロフィール

くす ゆみこ
2000年より、トスカーナ州アレッツオに在住。語学留学を経て、2002年、現地イタリア企業に就職。現在は、会社員として働くかたわら、イタリア留学、就職希望者向けに自身の体験談他を語る、「イタリア留学・就職・生活応援サイト Abbicci」を運営している。 

 



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