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15 dicembre 2006

トスカーナの中世の「農園地主の館」を
現代的コンフォートのあるアグリツーリズモに再生






アグリツーリズモ 「ポデーレ・ラ・チェッパ」
Agriturismo Podere la Ceppa

トスカーナのアレッツォからもシエナからも約40キロというベットッレ村にこのほどアグリツーリズモ「ポデーレ・ラ・チェッパ」 がオープンした。オーナーのトニーノ・ペッリッチョッティTonino Pellicciottiさんと奥様の森田則子さんに開設までの経緯や今後の抱負などお話をうかがった。

●この建物の由来は?
ペッリッチョッティ - すべてのイタリア人にとってトスカーナにきて過ごすことそしてトスカーナに田舎家Casolareを所有することは「夢」であるといえましょう。私は1997年、幸運にも恵まれてこの「田舎家」をみつけ所有することとなりました。この建物はもともとは「農園地主の館」(Casa Padronale)で、「ポデーレ・ラ・チェッパPodere la Ceppa」は「ラ・チェッパ農園地主の館」と直訳することもできましょう。この地域に約50ヘクタールの農園を所有していた地主であったようで現在も地名となって残っています。

とはいえ、購入当時は廃屋同然で見る影もない形でした。元の所有者は物置場所として使っていたほどです。イタリアでは古い建物を「再生」するには、新しい建物を建設するのに比べ費用も時間も3倍以上かかるといわれています。私も所有したとはいえ、その後は雑草をとるなど最低限の手入れはしたもののほぼそのままにしていました。実際に修復の仕事をはじめたのは2002年に入ってからで、完成が2006年の6月と3年以上の年月がかかりました。

 

●どのように修復作業を実施されたのですか?
ペッリッチョッティ - 建物の基盤は1300年代のものでレンガは1500年代のものですので、現在ではもう誰も同じものをつくることはできません。ですから、建物の基盤も古いレンガや素材もすべてを解体・清掃・再構成するという作業を実施しました。

この建物はイタリアの文化保護財の対象となっているため、修復にあたってはすべての規制に対応し、昔の建造方式のルールに遵守しました。レストランにアーチ式の天井がありますが、この建築様式はかっては普及していましたが現在では同じものを新しく作れる技術者はいないといわれています。そのため、当時の職人技術をまだ使える職人に参加してもらって再現しました。特にこのレンガは職人と一緒に私自身一つずつ解体し、洗ってきれいにして、乾燥させ、補修し、それから組み立てをしました。細心の注意をしないとレンガが割れてしまいますので、私自身が100%参加してつくりあげたといえます。

屋根の瓦も、屋根も建物の梁もすべて同じです。木材は栗の木やポプラなどですが木材は生きています。これらは汚れを落とすだけでなく砂をまいて処理をして艶をだすように磨きました。一番手のかかるのがこれら準備の段階で、組み立ては準備段階と比べると簡単でした。また特に大変だったのは、すべての素材を再現するための素材の追及で、トスカーナ中を探しました。床もドアや家具も陶器の部分も地域の職人につくってもらいました。

古い建築手法を守ることと同時に地震対策基準も適用しました。一方、内部設備については現在の「宿泊施設」としてマッチするように最新のコンフォートも最大限いれるように配慮しました。特に、暖房は温水が建物全体を巡回する設備とし、水回り施設も最新設備を整備しました。

●日本人の目で驚かれたことは?
森田 - 私は東京という世界屈指の大都会からやってきました。そして、今でも日本に帰る度、いつも新しい商業ビル群やホテル等が建設されているのに驚かされます。そんな所謂使い捨ての文化から、煉瓦一枚一枚、自分の手で再生する手間と労力を厭わない夫に対し最初はその意味すら理解できずにいました。
参画してくれた職人も、アッシジの1997年の大地震のあとサンフランチェスコ教会の修復作業に参画した職人です。私は東京から来た際、「2引く3」は引けないと思っていましたが、彼らはいってみれば「マイナスの仕事」をしています。職人さんたちはいわゆる学歴はありませんが、根っからの職人で古い門柱の寸法どりを紐を一本使うだけでやってのけるのです。私は日本人なので「まあ、いいやと思って許してしまう」ところがあります。ところが夫も職人も親方気質でとことん自分の考えを通す。頭が固くてとことんこだわる。夫がオーナーで注文するが、職人親方も納得しないと動かない。それをみた時にこれは私のかなわない世界だと思いました。私の夫、そして職人たちの中にある古いものへの愛着やこだわりに驚きました。こういう人たちの力でイタリアの田園の風景が変わらないで残っているのだと思いました。

 

●アグリツーリズモについてのお考えは?
ペッリッチョッティ - 私はもともとツーリズモの仕事をしており、以前からアグリツーリズモを手がけたいと思っていました。イタリアでは90年代後半からアグリツーリズモはブームになっていましたが、トスカーナのこのあたりで普及しているアグリには満足しておらず、これとは一味違うものをはじめたいと思いました。特に重視するのがサービスの質です。現在のアグリに欠けているサービスや弱点を研究し、そこを改善したアグリを経営したいと思いました。修復・再生した古い館の中で最新の現代コンファートを提供するサービス。これが私の基本コンセプトです。

森田 - イタリアのアグリツーリズモは農家の余った部屋の間貸しというところから始まっています。隣国ヨーロッパの人の場合は農家のお部屋に泊まらせてもらって一緒に食事をしてという感覚なので、お風呂がシャワーオンリーでも水周りが悪くても問題ないと思います。ただ、アグリツーリズモが世界に広がり、ここ5、6年の間に特に日米で大変なブームになり、受け入れ側でも多くの農家が「アグリツーリズモ」と看板を揚げてくるようになりました。トスカーナというと語弊がありますが、田舎の農家の年配の人達はそこの場所に生まれ育ってあまり外に出たことがないという人が意外に多いのです。海外旅行をしたことがない、高級ホテルに泊まった事もないという人達がただ単に部屋が余っているからという理由でホテル業を始めてしまった。そのため、言葉の問題をはじめ様々な問題が生じ、アグリツーリズモに泊まったもののもうこりごりだという人が多いのも事実です。

●滞在しての楽しみ方は?
森田- 一日中、ここに滞在しても楽しい。まわりを散歩しても気持ちもいい。庭でのんびりしていてもいい。近くの小川のほうにいくと鹿、野兎、コウノトリに会うこともできます。トスカーナの代表的田園風景が楽しめます。
それと重視しているのが食の楽しみです。 当館のレストランでは地元のトスカーナ料理をはじめ、我が家の家庭料理(ローマ)すなわち、夫の母から私が習った手料理をおだしします。おばあちゃんからの伝統の味です。この大地は菜園にとても適していますので庭には菜園もあって、そこでトマト、ズッキーニ、なす、セロリ、ルッコラ、赤ピーマン、サラダ菜など野菜を作っています。草むしりが大変ですがすべて有機ウルトラバイオで毎日そこから採って使っています。オリーブオイルは、エクストラ・バージンの一番良質なものしか使いません。またイタリアを代表するワインの産地でもありますので、うちの豊富なワインセレクションも自慢の一つです。

一週間の滞在となると、いろいろな楽しみ方が可能です。我が家はアグリツーリズムのオーナーとしてだけでなく、33年間ツーリズモの世界でいきていたファミリーとして、旅行のサービスのサポートやオーガナイズもすべてできます。
この地域のメリットは、地理的にトスカーナの中心にあり様々な地域を訪れることができることです。モンタルチーノ地域、モンテプルチャーノ、フィレンツェ、シエナ、アレッツオも距離として30-50キロ程度。なお、最寄のベットッレ村の中心部まで徒歩で5分。そこから各方面行きの路線バスが走っていますので、車がなくても各地を楽しめるのも大きな特色です。車の場合、ベットッレは、ローマ−フィエンツェ、アッシジ、シエナ方面の高速道路の交差点という交通の要所にありますが、静かな昔ながらの田舎村です。近距離のトラシメーノ湖の日の出・日没も非常に美しく感動的です。また、キャンティ地方のドライブやテルメ(温泉)などもお薦めです。

そして夕方には、夕食をゆっくりと楽しみます。この地域はビステッカ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風ビフテキ)で有名なフランキーナ牛肉産地からわずか5キロの距離にあり、おいしいバーベキューも堪能できます。

●今後の目標は?
森田 - 私の望みは、トスカーナに自分の別荘を持っているという感覚で日本の方に来ていただきたいということです。毎年トスカーナで休暇を過ごすという感覚を持って頂くと嬉しいです。畑からのとれたての野菜、産みたての卵、庭の果樹からとれた果物でつくるジャムなどを豊富に用いた豪華なバイキング形式の朝食。一日の散策のあとはゆっくりとジャグジー風呂。そして当アグリツーリズモ自慢の健康に気を配った夕食とおいしいワイン。忙しい毎日から開放されてスローライフを味わっていただきたいです。

私は、イタリア方面を中心とする旅行会社でツアーコンダクターをしていました。趣味の旅行から海外のホテルに泊まる経験が多く、各地のデラックスホテルのサービスやアニメティ、調度品など客として経験してきました。そうした経験をもとに自分なりのサービスを提供したいと思っています。
家庭的雰囲気を大切にしながら、夫と一緒にハイクオリティのサービスをするのが目標です。

プロフィール
トニーノ・ペッリッチョッティ Tonino Pellicciotti
ローマ生まれ。演劇・映画を専攻し、シネマビジネスに従事。映画の世界に未練を残しつつも旅行者向けオリジナルイタリア食材の店をオープンし大成功を収める。現在ヴェローナ・ヴァルディキャーナ(トスカーナ)の二店舗及びローマにスポーツセンター等を経営するなど幅広く事業を展開する実業家。生粋のローマっ子がトスカーナの田舎暮らしに四苦八苦しながらも自己所有の中世の館を自ら設計改築、長年従事した旅行業界での知識を活かすべくアグリツーリズモをオープン。超多忙な生活の中、有機栽培の畑で自ら鍬を握る日々。

森田 則子 Noriko Morita
福岡生まれ。幼少時ロバート・レッドフォードの映画を観て一目ぼれ。同じ言葉を話そうとアメリカ留学。大学では法律を学び、30歳を前に再び渡米。帰国後、東京霞ヶ関の渉外法律事務所に勤務するも身体をこわし、気分転換のため「ほんのちょっと」のつもりでイタリア添乗にでかけたものの何故か結婚。その後主人のビジネスを手伝いつつ二人で中世の館を改造し、ホテルフリークと料理好きを活かしアグリツーリズモを始める事に。大好きな犬二匹(JIMMY & RICOTTA)に囲まれて田舎暮らしを満喫。


データ
Dati
アグリツーリズモ ポデーレ・ラ・チェッパ
Agriturismo Podere la Ceppa

http://www.poderelaceppa.com/index.php?set_lang=JA

Address:153040 BETTOLLE Sinalunga (Siena) Italy  
Tel: +39 0577 624738   Fax: +39 0577 624738
携帯電話: +39 335 6386 580  +39 333 49786(日本語)
E-mail: info@poderelaceppa.it(日本語)
URL: http://www.poderelaceppa.com/index.php?set_lang=JA

場所:フィレンツェーローマを南北に結ぶ高速道路A1号線とシエナ - アッシジを東西に結ぶ準高速道路の交差する交通の要衝にある。フィレンツェから当地近くまで定期路線バスもある。



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