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私の住む町Travel案内  ボローニャ Bologna
15 gennaio 2008

■おすすめ一日観光コース






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案内人 市口桂子



観光都市としては、日本では知名度のあまり高くないボローニャ。でもだからこそ、ゆっくり歩いて回るのに最適だったりする。みどころが集まっている歴史地区の、ほぼすべての道に柱廊があるので、多少の雨や雪が降っても傘が必要ない、というのもありがたい。

ともあれ町の中心、マッジョーレ広場Piazza Maggioreから始めよう。1200年代につくられた広場には、市役所やボローニャのシンボルである海神ネットゥーノの噴水などがたっている。
しかし、なんといっても圧倒的なのは、巨大なサン・ペトローニオ聖堂Basilica di San Petronioだろう。町の守護聖人、聖ペトローニオに捧げられた教会だ。ところが、正面は上半分が未完成。よく見ると、側面や後方の壁も未完成なままだ。
これには諸説あるけれど、一説によると法王のせいだという。この聖堂の建設は1390年に始まったが、計画通りであれば、キリスト教界で一番大きな聖堂になるはずだったらしい。しかし、それでは法王のお膝元、サン・ピエトロ寺院の名がすたる。そこで、 法王が工事中止を要請した、というのだ。この話、真偽のほどは確かではないが、興味深い。

聖堂の中に入ってみよう。多数の小聖堂が両側にずらりと並んでいる。特に有名なのは、左手の入り口から4番目にある、ボロニーニの小聖堂cappella Bologniniだ。そこに描かれた、天国と地獄のフレスコ画に注目してほしい。下半分に描かれた地獄に、ターバンを巻いた男性がいる。イスラム教の開祖マホメットである。実はこのおかげで、かつて聖堂爆破予告騒ぎがあった。結局は偽情報だったのだが、今では聖堂に入る前に荷物チェックをされるようになってしまった。
ボロニーニ小聖堂のわきには、天井の穴から差し込む光を利用した日時計がある。作者は、土星の輪のすき間を見つけた、イタリアの天文学者カッシーニだ。1655年に作られた日時計だが、今でも正確にボローニャの正午と日没時間を示し続けている。

さて、教会を出て右手に向かおう。ずらりと長い柱廊をもった建物が、アルキジンナージオArchiginnasioだ。世界で一番古いといわれるボローニャ大学の旧学舎である。1563年から1803年まで学舎として使われていた。その頃の名残を中庭に見ることができる。壁や天井をうめつくした紋章群だ。その数なんと6000個。すべて、ボローニャ大学の教授と卒業生達の家紋である。
2階には、今も現役の図書館の他に、解剖学劇場teatro anatomicoと呼ばれる解剖室がある。1637年につくられたのだが、わたしたちが現在目にするのは、大戦後に修復されたものである。部屋の中央には、解剖の行われていた白い大理石のテーブルが置かれ、それを囲むように階段状の座席が並ぶ。天井には、星座をモチーフにした木像が飾られている。これは当時、医学と天文学が密接な関係をもっていたことに起因する。

写真トップ:マッジョーレ広場のサン・ペトローニオ聖堂
下左:サンタ・マリア・デッラ・ヴィータ教会、中:アルキジンナージオの柱廊、右:2本の斜塔


さあ、今度は隠れた逸品を見に行こう。アルキジンナージオを出て、柱廊の下をサン・ペトローニオ聖堂の方までもどり、クラヴァトゥーレ通りVia Clavatureを右に曲がる。その道の左手に、サンタ・マリア・デッラ・ヴィータ教会Santuario di Santa Maria della Vitaがひっそりとたっている。
四六時中、誰かが祈りを捧げている聖なる場所なので、内部でのおしゃべりは御法度だ。静かに主祭壇の右手奥を目指そう。そこに、とても印象的な7体のテラコッタの像が並んでいる。1470年の作品で、作者はニコロ・デッラルカNiccolo dell'Arca。キリストの遺体のまわりで嘆く人々を表現している。中でもマグダラのマリアの表情は圧巻だ。悲鳴が聞こえてきそうなほど大きくあけられた口。キリストの墓所に走り込んできた瞬間の風を感じさせるような、後ろに大きくなびいた長衣。私はキリスト教徒ではないが、この作品には心を打たれる。

さて、クラヴァトゥーレ通りを進み、カスティリオーネ通りVia Castiglioneを渡ってさらに行くと、サント・ステファノ通りVia Santo Stefanoに出る。この通りの右手奥に、ボローニャで最も美しい広場、と多くの市民が絶賛する広場がある。サント・ステファノ広場Piazza Santo Stefanoだ。
ここには広場と同名の教会がたっている。"七つの教会Sette Chiese"とも呼ばれるのは、時代の異なる複数の教会が並んでたっているからである。中でも印象的なのは、ボローニャ最古の教会、聖墳墓聖堂Basilica di Sepolcroであろう。もともとここにはエジプトの女神イシスの神殿があった。しかし400年代に、聖ペトローニオがキリスト教の洗礼堂に変えてしまったのだ。石とレンガでできた内部は薄暗く、謎めいた雰囲気だ。中央には、天井まで届かんばかりの巨大な説教台がたっている。
ここが聖墳墓聖堂と呼ばれ始めたのは11世紀、エルサレム巡礼が盛んになった十字軍の時代である。この古い八角形の聖堂をキリストの墓と見たて、聖地エルサレムを再現しようとしたのだそうだ。
教会では今もベネティクト派修道士が生活している。修道院独特の回廊に囲まれた中庭を、白い長衣を来た修道士が通り過ぎて行く様は、タイムスリップしたようで風情がある。

さあ、教会を出て、過去から現在にもどろう。広場の右手の柱廊の下に、アーケードが口をあけている。コルテ・イゾラーニCorte Isolaniという名の、一種の高級商店街だ。もとは1200年代に建てられた貴族の館だったので、商店街というにはかなり語弊があるが。
それをぬけると、マッジョーレ通りStrada Maggioreの柱廊の下にでる。この柱廊はボローニャに残る最古の木像の柱廊なので、上を見上げるのを忘れないように。

ここから左手を眺めよう。2本の塔が見える。これが有名なボローニャの斜塔、アジネッリAsinelliガリゼンダGarisendaだ。
11世紀から13世紀にかけて、ボローニャには100本もの塔があったそうだ。それらは貴族の持ち物で、戦いの時には避難場所となり、平和な時には富の象徴であった。現存するのは20本あまり。観光客が登ることができるのは、97.2メートルのアジネッリの塔だ。エレベーターはない。すりへった階段をのぼる。傾いているので平衡感覚もなくしてしまう。しかし塔の上からは、ボローニャの赤レンガ色の町並みや、町を囲む丘陵地帯までが見渡せるので、一度は登ってみることをお勧めする。
しかし、大学生はのぼらないように。のぼると落第する、というジンクスがあるからだ。注意されたし!

案内人プロフィール
市口桂子(いちぐち けいこ)

大阪外大イタリア語学科卒。ボローニャ在住。学生時代に少女漫画家としてデビュー、卒論のテーマにイタリアンホラー映画を選ぶ、など、奇妙な経歴を持つ。そのかいあってか(?)漫画家、執筆業、翻訳業を兼業して今にいたる。NHKイタリア語会話テキストに、漫画「K-ko in Italia」を連載中。著書に「フィレンツェ・ミステリー・ガイド」「ローマ・ミステリー・ガイド」(共に白水社)、「Perche i giapponesi hanno gli occhi a mandorla」、「Anche i giapponesi, nel loro piccolo, si incazzano」(共にKappa Edizioni)、訳書に「メディチ家の墓をあばく」(Donatella Lippi著 白水社)などがある。個人サイト:http://www.keikosan.com/


ボローニャ・データ
 

■アクセス
<電車>
ミラノより:ユーロスター(ES)で約1時間50分、インターシティ(IC)で約2時間10分。
ヴェネツィアより:インターシティ(IC)で約2時間。
フィレンツェより:ユーロスター(ES)で約1時間、インターシティ(IC)で約1時間20分。
ローマより:ユーロスター(ES)で約2時間40分。
すべてボローニャ駅下車。駅前からマッジョーレ広場までは、バス25番が数も多く便利。バスの切符(1ユーロ)は、駅の切符売り場か、車内でも購入可。
<空港>
イタリア国内便の他、国際線も発着するマルコーニ空港Aeroporto di Marconiは、町の中心地から6キロのところにある。空港とボローニャ駅をつなぐバスが出ており、所要時間は約20分。バスについては、www.atc.bo.itを参照のこと。

<車>
高速道路A14(アンコーナ方面より)
San Lazzaro出口→周回道路(tangenziale)7番出口→centro
高速道路A1(ミラノ方面より)
Borgo Panigale出口→周回道路(tangenziale)7番出口→centro
高速道路A13(ヴェネツィア方面より)
Bologna Arcoveggio出口→周回道路(tangenziale)7番出口→centro
高速道路A1(ローマ、フィレンツェ方面より)
Bologna Casalecchio出口→周回道路(tangenziale)7番出口→centro
*町の歴史中心地区には、許可のない車両は入れない。駅とマッジョーレ広場の間にある、Piazza VIII Agostoの駐車場が便利。

■インフォメーション
Piazza Maggiore 1/e 9:30‐19:30
Piazza Medaglia d'Oro 1(駅前)月〜土 9:00‐19:00、 日祝 9:00‐15:00
Via Triumvirato 84(空港) 8:00‐20:00
*ただし、実質的に稼働しているのはマッジョーレ広場のもののみ。
*ボローニャ市サイト http://urp.comune.bologna.it

■その他
聖ペトローニオ聖堂 Basilica di San Petronio
住所: Piazza Maggiore
見学可能時間: 7:45-12:30/15:00-18:00

アルキジンナージオ Archiginnasio
解剖学劇場 Teatro Anatomico
住所: Piazza Galvani, 2
見学可能時間: 月〜金 9:00-18:45、土曜と夏期 9:00-13:45

サンタ・マリア・デッラ・ヴィータ教会 Santuario di Santa Maria della Vita
住所: Via Clavature 10
見学可能時間:月〜土 7:30-19:00、日 16:30-19:00

サント・ステファノ教会 Chiesa di Santo Stefano
住所: Piazza Santo Stefano
見学可能時間: 9:00-12:00/15:30-18:00

アジネッリの塔 Torre di Asinelli
住所: Piazza di Porta Ravegnana
見学可能時間: 9:00〜17:00
入場料: 3ユーロ

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