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大理石の里カッラーラに生きる  
15 Luglio 2018

第2回
大理石産地 



 
大木和子 



●アプアナ山脈にあるカッラーラの大理石採石場
イタリアの北西部の海沿いの街、トスカーナ州とリグーリア州の境のトスカーナ側にカッラーラは位置します。海から東へ10kmのぼっていくと、アプアナ山脈(大理石山脈)のカッラーラの大理石の採石場に到達します。

アプアナ山脈はリグーリア州ラスペッツィアの一部からトスカーナ州のルッカの一部まで、55km連なっています。いち早く採石場としてカッラーラの石山を切り始めたのは、山から海まで10kmと、海と山が近かったという事が理由でした。

トップ写真:@カッラーラの大理石採石場のパノラマ    写真下:AB現在のカッラーラ大理石採石場の現場

●ローマ時代から建材や墓石として使用
それはローマ時代から始まったのです。その時はまだカッラーラという町は出来ていなくて、リグーリア州のLUNI(ルーニ)という町から、石切り場に通っていました。

ローマ時代から現在までの間、カッラーラで採れた石は、大部分が床に使われたり、柱に使われたりと建築材料として使われる事が多く、その次が、ヨーロッパの墓石として使われてきました。

●ミケランジェロも自ら石切り場に通う
そして、石の彫刻の材料としても使われています。ルネッサンス期の偉大な芸術家・ミケランジェロは、自ら、石を選びにカッラーラの石切り場まで、足繁く通ったそうです。

写真下:Cカッラーラの大理石で作られたミケランジェロのダビデ像 

●カッラーラの大理石は大きく5種類
カッラーラの大理石といっても、鮪や豚が部位によって違うように、山の位置に酔って種類が違うのです。カッラーラの大理石といっても、鮪や豚が部位によって違うように、山の位置に酔って種類が違うのです。

彫刻家達が好んで使いたがる、最高級の純粋な真っ白な石、「スタトゥアリオ」。この「スタトゥアリオ」は非常に貴重で全体の5%しか採掘されていませんが、ミケランジェロもカノーバもこの「スタトゥアリオ」を好みました。

写真下:Dカッラーラの大理石の石見本 

そして「スタトゥアリオ」に比べると明度は低くなるのですが、一般的な白大理石、「ビアンコカッラーラ」。(この「ビアンコカッラーラ」が日本に沢山輸入されて様々な場所で使われています。)後、アイボリーかかった白大理石に金色のマーブル模様がある、「カラカッタ」。白大理石に装飾的なマーブル模様がある「アラベスク」。ブルーグレー色の「バルディリ」。

もっと細かく分けられますが、大きくわけても以上、5つの種類に分かれます。

●高級食材「ラルドディコロンナータ」も大理石容器で熟成
大部分が「ビアンコカッラーラ」と呼ばれる種類の石ですが、この「ビアンコカッラーラ」で、大理石の容器を作り、そこに豚の背脂と、ハーブと岩塩と一緒に重しをつけて半年以上、熟成させる事で、豚の背脂の脂質分が、化学変化し、動物性から植物性に変わってしまうという奇跡が起こるのです。

写真下左:E岩塩とハーブと豚の背脂を熟成させる大理石の容器  
 写真下右:F半年以上熟成させて、出来上がったラルド 

その逸材は「ラルドディコロンナータ」という名前で、日本でもイタリア料理を研究している人は知らない人はいないと思うくらい、有名ですが、それはカッラーラのコロンナータ村が原産地なのです。昔は貧しい大理石採石職人の栄養源だったこのラルドは、今ではイタリア料理の高級食材として、世界中で見受けられます。

写真下:G「ラルドディコロンナータ」  

●山から大理石を切りだすのは大変な重労働
大理石の使い方は、いろいろありますが、山から大理石を切り出す作業というのは、非常に大変な仕事で、危険でもあります。現在ではショペルカーなど、文明の利器の発展で古代の手作業のときに比べたら、仕事も楽になってきましたが、まだまだ、肉体的に重労働で危険な仕事です。

写真下:HI石切り場で使われている巨大ショペルカーとチェーンソー

石はブロックで切っていきます。大きなチェーンソーで下の部分を切り、ダイアモンドカットのワイアーで、側面を切っていきます。巨大なブロックを切り出す時は、今でもダイナマイトを使います。

●大昔は牛や馬で大理石を運ぶ
大昔は切り出した石のブロックを牛や馬に運ばせていました。

写真下左:J大理石のブロックを牛や馬に運ばせていた大昔の採石職人     
写真下右:K大理石のブロックを牛が運搬
写真上左:L人力で大理石のブロックを運ぶ     
写真上右:M巨大ブロックを壊れない様に木箱に入れて手作業で運搬

その後、大理石の採石現場から海までの線路を作りトロッコ滑車で石切り場からマリーナディカッラーラまで運びました。

写真下:Nトロッコ滑車で大理石を運ぶ    

そして、今はトラックが切り出した石のブロックを積み港や高速道路で、イタリア国内、ヨーロッパ中に運んでいます。2012年には、「大理石道路 Strada del Marmo」といって、石切り場の麓から、カッラーラの高速道路の入口近くまでの大理石を運搬する専用の道が出来ました。

●石切り場を案内するツアーも
石切り場はカッラーラで約150カ所あり、上から切っていく地上の石切り場と、入り口を作り外側はそのままで、内側を掘って切り出していく石切り場の2つのタイプの石切り場があります。

写真下:OP上から切っていく地上の石切り場 

写真上:QR外側はそのままで、内側を掘って切り出していく石切り場 

カッラーラの採石場のど真ん中に位置する、Fantiscritti(ファンティスクリッティ)という場所では両方の石切り場をジープなどの専用車で連れて行ってくれて、石の切り方などを説明してくれるツアーもあります。大昔から変わっていない、大理石の山を通るトンネルを通る時は今でもタイムスリップした気分になります。



案内人プロフィール
大木和子(Oki Kazuko)

1998年 彫刻家大木達美と結婚。3年の結婚生活で夫が他界。その後、亡き夫が彫刻家として活躍していた大理石の産地、イタリア・カッラーラに渡り、7000坪の土地付きの廃墟を購入・4年かけて家を建設し、「B&B、Galleria Ars Apua」を経営し、7年かけて葡萄畑を完成させる。 2011年カッラーラ市より「Premio Eccelente」(市長賞)を受賞。2014年AIS認定ソムリエ資格取得。「B&Bアルスアプア」経営。葡萄の栽培、ワインの醸造家。
http://cantinaoki.com  
http://www.g-arsapua.com/ 



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