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新・ヴァイオリンの町クレモナから
15 Settembre 2020

番外編 クレモナあれこれ



  安田恵美子


クレモナの魅力は尽きる事がありません。ここでは、前回までに書ききれなかったクレモナのあれこれについて紹介します。

1.上を向いて歩こうクレモナ!
歴史ある町ならとこでも見られる事ですが、クレモナにも様々な歴史的建築様式の建物が町のあちらこちらに散在しています。ぜひ、上を見上げてお散歩がてら「宝探し」をしてみて下さい。

●リバティー建築様式の建物
19世紀末から20世紀初頭にかけて開花した、花や植物などの有機的モチーフを用いた従来の様式に囚われない自由曲線の組み合わせによる装飾が特徴のアールヌーヴォーから派生した、イタリア独自の様式であるリバティー建築様式。「後編 クレモナ食べ歩きとショッピングの楽しみ」にも登場したメイン・ショッピング・ストリートであるコロソ・カンピ Corso Campi やクレモナ鉄道駅近くには、そんなリバティー建築様式の例を、幾つも見る事が出来ます。石畳につまずかない様に気を付けながら、ゆっくりと上を向いて歩いてみてください。
 

写真トップ@クレモナ近くを流れるポー川に沈む夕日
写真下ABコルソ・カンピやクレモナ駅近く (Via Angelo Peri) にあるリバティー建築様式の建物の数々  
写真下CD目を凝らしてよく見ると、果物や植物、天使をモチーフとした装飾が見られる  


●グロテスク様式とバロック様式
「前編 ヴァイオリンの町クレモナ」で紹介したストラディヴァリの新婚の家のあるコロソ・ガリヴァルディ Corso Garibaldi を駅方向に歩いていきますと、左手に「ライモンディ宮 Palazzo Raimondi」、右手に「スタンガ邸 Palazzo Stanga」が見えてきます。どちらも元貴族のお屋敷で、前者は1496年に建てられたままの白とピンクの大理石で覆われた外観を保っております。現在はパヴィア大学分科音楽学科が入っています。    

写真下EFライモンディ宮:数年前に修復の済んだライモンディ宮の庇のフレスコ画には、典型的なグロテスク様式 (15世紀終わりの空想上の動物をシンメトリックに描いた装飾)を見る事が出来る
写真下左Gスタンガ邸:15世紀にスタンガ侯爵によって建てられたスタンガ邸の玄関周りに施されていた装飾部分のみがフランスに売却され、現在はルーブル美術館にて展示されている。テラスを支える石の渦巻き、竜を司った雨どいにバロック様式的特徴がうかがえる  写真下右Hルーブル美術館のスタンガ邸装飾門の展示。現在はクレモナ市庁舎内で、レプリカを見る事が出来る


●ファシズム建築
町の中心にあるストラディヴァリ広場 Piazza Stradivari はファシズム建築の宝庫です。上を向いたままぐるっと見回して、すぐ傍の中世建築物のクレモナ市庁舎やトラッツォとの対比を楽しんで見てください。    

写真下左I現在は保険会社の入っているファシズム建築の建物。上部には権力を象徴するライオンが鎮座している。  写真下右J色とりどりのシンメトリックなファシズム建築 (左) とレンガだけで作られている中世のトラッツォ(時計塔・中央) とクレモナ市庁舎 (右) との対比が面白い


2.クレモナ銅像巡り
●かわいそうなモンテヴェルディ.....

ストラディヴァリ一家のお墓のあったローマ広場 Piazza Romaで、クレモナ生まれの2人の作曲家の像を見る事が出来ます。ひとつはクレモナ近郊の村で生まれた19世紀の売れっ子オペラ作家アミルカッレ・ポンキエッリ Amilcare Ponchielli (1834‐1886) 像。もうひとつはオペラの創始者クラウディオ・モンテヴェルディClaudio Monteverdi (1567‐1643) 像です。モンテヴェルディの西洋音楽史上に果たした大きな役割を思うと、今ではバレエ曲「時の踊り」のみが有名にすぎないポンキエッリに比べて、あまりにも小さくて可愛そうな像ではないかと私は思ってしまいます。

写真下左Kウィーンのモーツァルト像にも匹敵する堂々としたポンキエッリ像  
写真下右L広場の隅にひっそり置かれているモンテヴェルディ像    


●たくさんあるストラディヴァリ像
ヴァイオリンの町クレモナを代表するアントニオ・ストラディヴァリの像については、ヴァイオリン博物館のあるマルコーニ広場 Piazza Marconiとストラディヴァリ広場、そして前編で紹介したストラディヴァリ「新婚の家」の前で見る事が出来ます。

写真下左Mマルコーニ広場のストラディヴァリ像         写真下右Nストラディヴァリ広場の像はモダン彫刻  
写真上O市民が隣にも座れるストラディヴァリ「新婚の家」前の銅像  


3.クレモナ人憩いの場・ポー川散策
町から南にまっすぐ伸びている、ファシズム時代に整備された大通りヴィアーレ・ポーViale Po を20世紀初頭のお屋敷を眺めながら歩いて行きますと、15分ほどでイタリア最長の川ポー川に出ます。川沿いには芝生の公園、散歩道が整備され、川面に映る日の光や緑を楽しみながらゆっくり散歩をする地元民の姿を見る事も出来ます。その昔、ストラディヴァリやアマティ達も、仕事に疲れると気分転換にポー川を眺めていたかもしれません。ぜひクレモナ人に交じって、川沿いをお散歩してみて下さい。

写真上左Pポー川を臨むテラス   写真上右Qポー川をまたぐ橋を渡った先は、お隣のエミリア・ロマーニャ州。  
写真上左Rポー川近くにある、ファシズム時代の青少年施設がそのまま公園になっているコローニェ・パダーネ Colonie Padane   写真上右Sポー川沿いの芝生の公園  


4.さあ飲もう!クレモナ・アペリティーヴォ
クレモナの町を歩き疲れたら、最近イタリアで流行となっている夕方からのアペリティーヴォはいかがですか?バールごとに工夫を凝らしたおつまみを楽しみながら、地元民と一緒に、白ワインのプロ・セッコや「スプリッツ」 (白ワイン、アペロール、炭酸水等を混ぜたベネトが発祥のイタリアン・カクテル) を堪能してみてください。

写真下左(21)イタリアのカクテル「スプリッツ」   写真下右(22)各バールごとにおつまみが工夫されている  
写真下(23)(24)アペリティーヴォを楽しむ人々  

●アペリティーヴォを楽しめるバール・レストラン
町の中心にあるストラディヴァリ広場やパーチェ広場 Piazza della Pace には、たくさんのバールが開かれ、歴史的建築物を眺めながらアペリティーヴォが楽しめます。ここではその中でも特徴的ないくつかを紹介します。

バール・アイ・ポルティチ Bar ai Portici
Palazzo del Comune 2
tel. (+39) 0372 027925
email: iporticicremona@gmail.com
クレモナ市庁舎一階に開かれている1860年創業のこのバールでは、目の前にそびえる大聖堂やトラッツォを見上げながら、コーヒーやアペリティーヴォが楽しめます。

リストランテ・チェントラーレ Ristorante Centrale
Vicolo Pertusio 4
Tel (+39) 0372 28701
www.ristorantecentralecremona.it
前編でも紹介したこの老舗のレストランでは、夕食前に伝統的なおつまみである肉団子 Polpetteと共に、ワインを楽しむ事が出来ます。

オステリア・チックス Osteria Prosciutteria Ciccus
Via Lombardini 5, Angolo Piazza Stradivari
Tel (+39) 0372 752595
https://ciccus.it
クレモナの他ブレーシャ、ワルシャワにもチェーン店を持つこのオステリアでは、サラミ、ハム等のおつまみと共に、地元ワインやビールを楽しめます。

バール・ル・プティ Bar Le Petit
Via Cadore 17/d
Tel (+39) 392 702 4966
町から少し外れの元城壁沿いにこじんまりと開かれており、いつも若者で賑わっています。


ヴァイオリンの町クレモナから   著者プロフィール
安田恵美子 Yasuda Emiko

住めば住むほど、知れば知るほど、クレモナの魅力に惹かれてしまいます。気がついたら在20年を超えました。現在ヴァイオリン博物館のスタッフの一員として、日本のお客様を中心に来館される方々のお手伝いをさせていただいています。楽しく・わかりやすく、がモットーです。少しでも多くの方にこの町を訪れて、クレモナを大好きになっていただければ、と願っています。




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