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ローマとその周辺の庭園めぐり
15 Maggio 2018

第12回 
ランドリアーナ庭園      

「五感で楽しめる美しい庭」

  
文・写真/阿部美寿穂 

ローマでも花々が咲き乱れる素晴らしい季節となりました。この時期は地面に少しでも空いたスペースがあると、タンポポ、デージー、ポピーなどがびっしりと生い茂り、空き地をさながら花畑のような景観に変えています。特に遺跡をバックに咲く花達はまるで絵葉書のような美しさで、思わず足を止めて見入ることも屡々です。

●春から秋にかけて限定公開
今回は、ローマの郊外にあるランドリアーナ庭園をご紹介したいと思います。この庭園は、春から秋にかけての限られた日のみ公開されている私邸のお庭ですが、多種の植物がオリジナリティー溢れる方法でコレクションされた非常に美しい庭園です。それでは筆者が最もおすすめする庭園の見どころを一つずつお届けしましょう!

トップ写真:@「ミズイモの湖」。遠くから見ると、水面に浮かぶ葉の様子がまるでモネの絵画を思わせた。   
写真下左:A園内のバーベキューレストランでは、ブルスケッタ、野菜のグリル焼き、ステーキ類などの簡単なお食事も楽しめる。 写真下右:B園内で咲いていた美しいバラ。 

●海の近くの小さな庭園
ランドリアーナ庭園は、ローマから海沿いに南下したアルデア市(ローマ県)に位置する、東京ドーム2個分程の面積の小さな庭園です。

お庭の歴史は、侯爵夫人のラヴィーニア・タヴェルナが、50年代の終わりに購入したこの土地に自身で集めた植物を少しずつ植えて行ったことから始まります。第二次世界大戦の爆撃による傷跡が残る裸の土地に建てた家屋を海からの強い風から守る為に、まずはマツやユーカリの木を植栽しました。ある日、彼女は友人から植物の種の入った一つの袋をプレゼントされます。ほとんど軽い思い付きで辺りに撒いてみたところ、植物は芽を吹き、ぐんぐんと生長を遂げ、草原のようになりました。これ以降、彼女の園芸への情熱が大きく開花して行くこととなります。

写真下左:C「オリーブの木の庭」と呼ばれるゾーンでは、アリウムなどの球根類やバラ、ハーブ類が多く植栽される。落ち着いた色を好むラヴィーニアの希望通りに、この区画では、花の色はライラック色か黄色で統一されておりとてもお洒落な雰囲気。写真下右:D色が七変化するライラック色のバラ。

この庭園は現在も私有地となっていますが、庭園ガイド付きでの見学が可能です。一般公開日以外には、毎年春と秋の2回、園内でイベントが開催されます。イタリア全国から集まる園芸店が軒を連ねる園芸市には多くの人が訪れ、一番の目玉となっています。

写真下左:E「オレンジの庭」には、柑橘類とカエデの足元にケープ・ミルトルを刈り込んで作った丸いトピアリーが植栽され歩くのも楽しい。 写真下右:F被子植物がびっしり!どこもかしこも緑色のカーペット。

●テーマごとに多数のブロックに分かれるお庭
ラヴィーニアの植物のコレクションはますます勢いを増して行きましたが、集められ、植栽された植物は統一感のないもので、「庭園」という名で呼ぶにはほど遠いものでした。そこで1967年、イギリス人の環境デザイナー、ラッセル・ペイジに本格的な庭園のデザインを依頼します。

写真下左:Gスペイン風の水槽がある小さな庭の周囲にはクスノキが植栽されている。美しい睡蓮  写真下右:H睡蓮のアッ

ランドリアーナ庭園の最大の特徴は、大きな庭園の中で小さな庭園がそれぞれのテーマごとに幾つものブロックに分けられていることです。例えば、「バラの谷」、「オレンジの庭」、「白の大通り」などがあり、一つ一つが全く違う雰囲気、趣向を持ったゾーンとなっています。それぞれの庭園はとても良く手入れをされており、茂みの中の小道を歩けば何種類もの小鳥の囀りが、池の近くではカエルの鳴き声を耳にしました。森の中にいるような自然を感じさせながらも、手の入ったお庭が宝石のように散らばる魅力のある庭園です。

写真下左:I水辺に咲くアイリス類。   写真下右:Jどこもかしこも花々が咲き乱れている園内          

●抜群のフォトチャンスが沢山
この庭園はどこを切り取っても絵になるような、抜群のフォトチャンスを作り出してくれますが、今の時期訪れるなら、満開となっているバラの撮影がおすすめです。「バラの谷」は歩くだけでバラの香りを感じることが出来ました。

写真下左:Kチャイナ・ローズが一面に何百株と植栽されている谷。花の色が美しく変遷して行く。 写真下右L上記のお花のアップ   

続いてイタリアといえば、幾何学模様が特徴的なイタリア式庭園です。ツゲなどを丁寧に刈り込んで生垣を作った庭園は、緑一色で花は見られません。シンプルさが日本庭園と通じているかのようにも思えます。

写真下左:M美しいタイサンボクが植栽されるイタリア式庭園は、ランドリアーナ庭園で最も知られた庭   写真下右:Nクレマチス

ランドリアーナ庭園は、多くの珍しい植物をコレクションする手入れの行き届いた美しい庭園です。春の一日は五感で楽しめる心地良い庭園をお楽しみ下さい。

写真下左:O庭園ツアーの参加者の皆さん。子供達は園内に出没する小さなカエルに大喜び。園芸マニアの参加者は熱心にガイドさんの説明に耳を傾けていた。



著者紹介
阿部美寿穂(あべみずほ)

ローマ県公認観光通訳。ローマ大学卒。地球の歩き方ローマ特派員、公益財団法人日伊協会コラムニスト、たびねすイタリアガイド。植物の専門知識を活かしてイタリアの庭園等も専門的に案内しています。グリーンアドバイザー。

ランドリアーナ庭園 Giardini della Landriana関連データ

Dati
■住所
Via Campo di Carne, 51 Tor San Lorenzo, Ardea (RM)

■オープン期間と時間
毎日。7時から日没まで。

一般公開日は毎年変わる為、公式サイトでの確認を。2018年の公開は3月31日〜11月1日まで。下記の見学時間に切符売り場前に集合し、庭園ガイドと共に出発。所要時間1時間。事前予約の必要はなし。

2018年の開園日
3月31日(土)−10時30分、12時、15時、16時30分
4月2日(月)、8日(日)、15日(日)、25日(祝)、29日(日)−10時30分、12時、15時、16時30分
4月20〜22日(金・土・日) 「ランドリアーナ庭園の春祭り」−10〜19時
5月1日(祝)、5日(土)、6日(日)、12日(土)、13日(日)、19日(土)、20日(日)、26日(土)、27日(日)−10時30分、12時、15時、16時30分
6月2日(土)、3日(日)、10日(日)−10時30分、12時
7月7日(土)−19時
7月8日(日)−10時30分、12時
9月9日(日)、16日(日)、30日(日)−10時30分、12時
10月12〜14日(金・土・日) 「ランドリアーナ庭園の秋祭り」−10〜18時
11月1日(木)−10時30分、12時                                                                    

             ■入園料
8ユーロ (庭園ガイド料込み)

■ランドリアーナ庭園 ホームページ
http://www.aldobrandini.it/sito/giardi/galleria.php (イタリア語)
■行き方
ローマからは、ローマ中央駅・テルミニ駅からイタリア鉄道トレニタリアのレジョナーレRegionaleのネットゥーノ駅(Nettuno)行きに乗り、カンポ・ディ・カルネ駅(Campo di Carne)で下車。所要時間約40分。2018年現在、駅前から庭園行きのシャトルバスが出ている。(日曜・祝日を除く) トル・サン・ロレンツォ(Tor San Lorenzo)行きのシャトルバスに乗り、運転手さんにランドリアーナ庭園前で下車する旨を伝えよう。

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