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ローマとその周辺の庭園めぐり
15 Settembre 2017

第10回 
「世界で最も美しい庭園」 ニンファの庭園 

  
文・写真/阿部美寿穂 
本日は天然記念物にも指定され(ラツィオ州/2000年)、世界でも最も美しい庭園と言われるニンファの庭園をご紹介します。ニンファの庭園は、消滅してしまった中世の町ニンファの上に、ジェラシオ・カエターニによって1900年代前半に造られた庭で、今日はローマ近郊の町チステルナ・ディ・ラティーナ Cisterna di Latinaにあります。

●自然環境バランス保護のため、年間数日のみ一般公開
この庭園は、自然環境のバランスを崩さない様に、1年の間の数日しか一般公開されていません。(2017年)庭園は人気がある為、世界中から多くの観光客が訪れます。入場指定日のかなり前に予約がいっぱいになる、なかなか入場が困難な庭園ですが、幸運にも筆者の訪問希望日のチケットを購入することが出来ました。それでは素敵な庭園をお届けします!

トップ写真:@世界で最も美しい庭園 「ニンファの庭園」    
写真下左:A水のせせらぎの音が耳に心地良い、美しく静かな庭園。 写真下右:Bイングリッシュガーデンの周辺のラベンダーの小道。

●「世界で最も美しく、ロマンチックな庭園」
2014年に日刊紙ニューヨーク・タイムズにより、「世界で最も美しく、ロマンチックな庭園」と評価されたニンファの庭園は、ローマの南東に位置し、ローマからは列車と、最寄り駅から出ている庭園までのシャトルバス(往復)によりアクセスすることが出来ます。庭園の入場が可能なのは4月から11月の間の限られた日のみですが、もしローマを訪れる機会があれば、こちらのお庭の訪問もおすすめします。

写真下左:C庭園の入場は1時間ごとの定員制(40名程度)になっており、個人ではなく、ニンファの庭園のガイドさんと一緒に廻る。平均して一日に5回程度、入場出来る時間帯が定められているので、予約時にサイトで希望の時間帯を選ぼう。 
写真下右:D生態系を最大限にリスペクトした庭園では、木々には様々な形の鳥の巣箱がかけられている。

庭園は、2016年秋にイタリアのファッションブランドのグッチ(Gucci)によって、「グッチ・ギフト2016」の広告キャンペーンの舞台として撮影に使われたことから更に広く世に知られることとなりました。

●「ニンファ」はローマ時代の泉の妖精、「ナイアディ」から由来
ニンファの庭園の「ニンファ」は、イタリア語では妖精という意味ですが、こちらのニンファもローマ時代に現在の庭園の位置にあった泉の妖精、ナイアディの妖精を祀った神殿から由来しています。東京ドーム二個分程度(8ヘクタール)の大きさのニンファの庭園は、自然の景観美を大切にしたイギリス式庭園で、園内にはニンファ川の他に小川や湧き水から成る小さな池などが多数見られます。

写真下左:写真E:澄んだ川には、”ニンファのマス”と呼ばれるサケ科の魚が住む。川の右に見える大きな葉を持つ植物がオニブキ。   写真F:ニンファでも最も重要な聖堂であった中世のサンタ・マリア・マッジョーレ教会。遺構周辺には、幾つかの大きなスモークツリーが見られることで知られる。

●園内では100種類以上の鳥類が確認
特に、1976年から動物相を保護する目的で、ニンファの庭園周辺がWWFにより整備されました。庭園は、アフリカ諸国からイタリアを抜け、ヨーロッパ諸国へ飛来する鳥達の主要なルートとなっています。ニンファの庭園では、かわいらしいコガモやマガモ、アオサギ、タゲリ、猛禽類を観察することが出来ます。庭園内を歩いていると、姿は見えなくとも、庭園に生い茂る樹木の間からしばしば鳥のさえずりが聞こえて来ます。現在、鳥類は100種類以上が確認されています。

●生態系バランスに最大の注意
ニンファの庭園は一年を通じて入場者数を制限していることからも分かる様に、園内の生態系バランスに最大の注意を払っています。例えば、園内には小鳥の巣箱の他に、テントウムシの巣箱というも のが見られます。(写真G) ここでは、アブラムシなどを食べてくれるテントウムシも大切な自然の一つとなって大事にされています。

写真下左:G中世の廃墟と化した家。右側の壁に取り付けられた小さな四角い木の箱の中に、多くのテントウムシが住んでいる。このテントウムシの家からテントウムシ達は庭園内に飛び立って行く。  写真下右:H「ニンファの庭園」園内

●春にはサクラ、冬にはトロピカルフルーツも
ニンファの庭園には非常に多くの植物相があります。例えば、タイサンボク、カバ、ショウブ、スイカズラ、クレマチス、ツバキ、バラなど多くが見られますが、庭園のガイドさんによると、私達日本人の訪問者に是非とも楽しんでもらいたいものは、花見が楽しめる美しい日本のサクラや、観賞用の日本のリンゴの木、カエデ、モミジ類だそうです。これらは見頃の時期は素晴らしいそうで、庭園の目玉の一つにもなっています。

写真下左:I東洋のタケが植栽されているゾーン。 写真下右:J林の中にひっそりと見えるアジサイも何だか絵になる。

また、ニンファ周辺は冬も気候が温暖であることから、トロピカルフルーツであるアボガド、バナナ、南米原産のオニブキなども大きく育っています。

●イングリッシュガーデンの周辺はハーブが整備
庭園の見学コースの中盤では、典型的なイングリッシュガーデンを楽しむことが出来ます。お花が好きな人にはたまらないポイントです。イングリッシュガーデンの周辺もハーブ(写真B)などで綺麗に整備されていますので、お時間があればお散歩してみて下さい。

写真下:KLイングリッシュガーデン

●静寂の中で五感に訴えかける庭
今回は「世界で最も美しく、ロマンチックな庭園」と呼ばれる、ローマ近郊のニンファの庭園をご紹介しました。様々なお庭を見て来ましたが、ニンファの庭園はとても五感に訴えかけるお庭です。

写真下左:M自然と遺跡が融合した美しいニンファの庭園。お城の遺構の向こう側に見えるのは、オリーブ畑の丘の上に広がるノルマの町。  写真下右:N庭園の各所からは、オリーブ畑の丘や、丘の上にそびえる近隣の小さな町の美しい眺めも楽しめる

植物の良い香り、小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、林の間で頬をなでるそよ風などが、周りを自然に囲まれた静寂の中に佇む庭だからこそより際立ち、感じ取られます。ローマ滞在時には、少しの間を緑のオアシスで過ごしてみませんか?

著者紹介
阿部美寿穂(あべみずほ)

ローマ県公認観光通訳。ローマ大学卒。地球の歩き方ローマ特派員、公益財団法人日伊協会コラムニスト、たびねすイタリアガイド。植物の専門知識を活かしてイタリアの庭園等も専門的に案内しています。グリーンアドバイザー。

ニンファの庭園 Giardino di Ninfa 関連データ
Dati
■住所
Via Provinciale Ninfina, 68 Cisterna di Latina, Italy

■オープン時間
一般公開日は毎年変わる為、公式サイトでの確認を。例年4月-11月頃の数日のみの開園。ホームページから事前予約が必要。

■入園料
12ユーロ。 2017年度

■ニンファの庭園 ホームページ
http://www.fondazionecaetani.org

■行き方
ローマからは、ローマ中央駅・テルミニ駅からイタリア鉄道トレニタリアのレジョナーレRegionaleに乗り、ラティーナ駅(Latina)で下車。所要時間約40分。2017年現在、駅の北側(セルモネータ側)にある広場からニンファの庭園行きのシャトルバスが一日4本出ている。広場までは、線路下の地下道を通りアクセス出来る。シャトルバスはCoop Il Sentieroにより運営。
http://www.sentiero.eu/en/

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