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編集後記
2018年7月15日
JITRA編集室 大島悦子

●今、ミラノで「運河都市」復活計画が進行中です。
ミラノの「運河」というと、ポルタ・ティチネーゼ近くの「ナヴィーリオNaviglio」地域を連想される方が多いかと思います。実際、この地域には二つの運河があります。一つは運河沿いに沢山のレストランやカフェや個性的なショップなどの立ち並ぶ「ナヴィーリオ・グランデNaviglio Grande」でミラノの人気スポットです。もう一つは「ナヴィーリオ・パヴェーゼNaviglio Pavese」。静かなたたずまいがなかなか魅力的な運河です。

写真下左:@「ナヴィーリオ・グランデ」    写真下左:A「ナヴィーリオ・パヴェーゼ」  
写真上:BC「ダルセナ」

ナヴィーリオそばの「ダルセナ(船溜り)」も、数十年にわたって「ごみ溜め」のような状態が続いていましたが、2015年ミラノ万博を契機に整備され、上記二つの運河とつながり、この水辺エリアは、市民の憩いの場所と大変身しました。

ミラノの運河の歴史をたどると、水路の誕生は古くローマ時代に遡りますが、農業用水や水力の確保、船の運搬等を目的とし1200年代から1500年代に運河として本格的な整備がみられ、その後、1750年から1800年代にもさらなる発展を記録しました。そして中心地域を巡る「チェルキアCerchia」と呼ばれる「環状の運河」と、ミラノを起点に近隣都市とを結ぶ3系統の運河とが結びつき、「運河都市」といえる姿を示していました。その後、近代化の流れの中で、中心地の「運河」は1929年以降順次埋められ自動車道路となり、1970年代末には完全に「フタ」がされました。   

写真下:DEかってミラノ中心地域を巡っていた「環状の運河」 の一部 
(写真: progettonavigli.comune.milano.it )

現在は、上記したミラノ市南側の「ナヴィーリオ・グランデ」と「ナヴィーリオ・パヴェーゼ」、ミラノ北側の「ナヴィーリオ・マルテサーナNaviglio Martesana」のミラノを起点とする3系統の運河が残されています。

写真下:FGミラノ北側を流れる「ナヴィーリオ・マルテサーナ」出発地点   

かっての「運河都市ミラノ」を復活させるための研究活動が進み、ここにきて、ミラノ市でも、市長による強力なリーダ―シップの下、本格的な「ミラノ運河再開プロジェクト」が企画推進されています。

当プロジェクトでは、市内の「環状の運河」を再開させ、現存する3系統の運河と結ぶことで、ミラノの北から中心部を巡り、南へとつながる運河システムを復活させようとするもので、部分的に段階を追っての実現を目指しています。

写真下:HI復活プロジェクトの予想画  (画像: progettonavigli.comune.milano.it ) 

ミラノ市では、このプロジェクト実施の意義や課題について、市民の声をきく公聴会を市内各地域で実施しています。この6月末、私も「ナヴィーリオ・マルテサーナ」地域の公聴会をのぞいてみました。

会場となった地元の教会会議室には400-500人位の市民が参加していました。市側の基本的説明のあと、10数人の小グループにわかれて話し合いが行われましたが、賛成派、反対派と熱い議論が交わされました。反対派の主な理由は、主要自動車道路を「運河」に戻すことで、周辺の交通渋滞がさらに悪化するという危惧、夏場の蚊の発生や運河の衛生状況に対する心配などでした。そもそも、かって運河を埋めた理由は、自動車道路拡大の必要性、そして運河汚染であったことを考えると、反対派の根拠も説得力がありそうです。       

写真下:JK「ナヴィーリオ・マルテサーナ」地域の公聴会 

ミラノ市では、各地の公聴会の意見を収斂させ、具体的な実施プロジェクトへ詰めていく意向のようです。運河復活を通して、新しい水辺の再生による街づくり・活性化をねらうミラノ市の大構想、市民の合意が得られるか、どんな方向に向うか、注視していきたいと思います。

●ミラノ・トリエンナーレ内のカフェでほっと一息してみませんか?
「ミラノ・トリエンナーレLa Triennale di Milano」 といえば、いわずとしれた「デザインの殿堂」。常設「デザインミュージアム」に加え、意欲的なデザインやアートの展覧会も多数開催されています。  

写真下左:Lミラノ・トリエンナーレ   写真下右Mミラノ・トリエンナーレ、エントランス

デザイン好きの方にはお馴染みの場所かと思いますが、それほどのデザインファンでない方も、ミラノ散策の合間に、都心の緑のオアシスとして、ちょっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。トリエンナーレの常設展や展覧会の入場は有料ですが、館内には無料で自由に入館できます。センスのいいミュージアムショップでお土産を選ぶこともできます。1階フロアー奥にある光の一杯に注ぎ込む白を基調としたカフェテラスは、ランチにもアペリティブにも気軽に利用できるスペースです。

写真下左:Nトリエンナーレ内のショップ   写真下右O広々とした白いカフェテリア

そしてお天気のいい日、オススメは、トリエンナーレの広々とした庭園にあるカフェ「Caffe in Giardino(ガーデンカフェ)」です。木造の東屋風のカフェで、のんびりお茶や軽食を楽しむことができます。日焼けを求めるミラネーゼは、庭園に置かれた石のソファで、日光浴に余念がありません。予算のある方は、館内にある本格派レストラン「Terrazza Triennale」を試してみるのも一案でしょう。

写真下:PQトリエンナーレの庭園にある東屋風カフェ「Caffe in Giardino(ガーデンカフェ)」   
 
 写真上H庭園で日光浴をするミラネーゼ  

スフォルツエスコ城後ろに広がるセンピオーネ公園内の緑溢れる場所に位置するトリエンナーレ。マルペンサ・エクスプレス発着で知られるメトロ・カドルナ駅から徒歩で5分程度。ミラノ滞在中、知っておくと、ほっと一息したいときに、便利に使える場所ではないでしょうか。

La Triennale di Milano ミラノ・トリエンナーレ

住所: Palazzo della Triennale、 Viale Alemagna,6 - 20121 Milano
http://www.triennale.org/
注:トリエンナーレ内のレストランやカフェの開館時間は季節・時期により変わります。事前にサイトで確認されることをおすすめします。

                          

JITRA 編集長
大島悦子 Etsuko Oshima


 

編集後記
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