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編集後記
2021年07月15日
JITRA編集室 大島悦子

●2021年前期・定期更新号をアップしました。
すっかりご無沙汰していますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
昨年、2020年11月15日号をもってJITRAの定期更新を終了させていただいてから、はや8ケ月がたちました。この間、JITRAへ励ましや暖かいメッセージをお送りくださった読者の皆様どうもありがとうございました。おかげさまで2021年前期・定期更新号をアップすることができました。ご寄稿くださった執筆者の方々へも改めてお礼を申し上げたいと思います。

イタリアでは昨年11月から第二波感染のため「ロックダウン」生活に入りましたが、年が明けようやく第二波が収束する中で、2月には変異種の第三波が到来してしまいました。その後、国をあげてのワクチン接種大作戦の効果もあり、5月以降様々な制限が徐々に解除され、6月28日からは約1年3ケ月に及んだ「屋外でのマスク着用義務」が撤廃され、ほぼ「普通の生活」に戻ることができました。

写真上:@A早朝のセンピオーネ公園で

現在、変異株普及の懸念はあるものの、夏を迎えたイタリアは明るい雰囲気が漂っています。 さらに7月10日(日曜)夜にはロンドンで行われたサッカ―欧州選手権決勝でイタリアはイングランドに勝ち優勝!という快挙をなしとげました。イタリアの欧州選手権での優勝は1968年以来、53年ぶり、2回目となります。同日午後には、これもロンドンのウインブルドン・テニス選手権男子シングルの決勝にイタリア人選手が史上初めて出場しました。惜しくもジョコビッチの優勝に終わりましたが、新星「ベレッティーニ選手」の今後に大きな期待が寄せられています。ということで「Azzurriの大活躍」にイタリア中が湧き、JITRA編集部も沢山の「元気」をもらいました。

●旧ミラノ見本市会場がイタリア最大規模「ワクチンHUBセンター」となりました。
イタリアのワクチン接種は、国、行政、市民が一体となって、順調に進められています。当初80歳以上の方々への接種が最優先となり、その後も年代順にきて、現在は、12歳以上あらゆる年齢の人が接種できる段階に至っています。

写真上左:B「旧ミラノ見本市会場接種センタ−」正面  「City Life」の3つの超高層ビルのうち二つのビルが後ろに 写真上右:C「旧ミラノ見本市会場接種センタ−」「入口A」側

私は、自宅から20分程度のところにある「旧ミラノ見本市会場」で接種を受けました。ここは一日1万人規模の接種が可能なイタリア最大規模のHUBセンターです。

写真上:DE「旧ミラノ見本市会場接種センタ−」に向かう人々 

今回HUBセンターとなった建物「Palazzo delle Scintille」は、なかなか由緒のある建物です。
2005年、ミラノ郊外RHOに「新ミラノ見本市会場」が開設以降、この「旧ミラノ見本市会場」跡地は、大規模な再開発が行われ、2015年のミラノ万博を契機に「CITY LIFE」地域として生まれ変わりました。日本の磯崎新氏や日本の「新国立競技場コンペ」でも話題になったイラク出身の女性建築家ザハ・ハディド氏等による3つの超高層ビル「Tre Torri(「3つの塔」の意味)」を中心軸とし、レストランやショップ街、公園など周辺の整備もほぼ終わり、今では、ミラノ市民の憩いの場ともなっています。

写真上左:F「CITY LIF」の3つの高層ビル、手前は、1927年に制作され、再開発後も全面修復の上、活用されている「四季の噴水」   写真上右:GCITY LIFE」の3つの高層ビル(写真Fとは反対方角から撮影) 手前付近には旧見本市会場時代の建築物の一部が残されている。

ところで、同地域が全面再開発される中で、「旧ミラノ見本市会場」のシンボルとして、いくつかの建造物が保存活用されることが決まりました。たとえば1927年制作の「四季の噴水」は、現在もCITYLIFEの公園の核となっています。同様に複数の記念碑的建物が修復の上、現在もその場に残されています。その代表格が、今回、ワクチン接種HUBセンターとなった「Palazzo delle Scintille」です。1923年にミラノ初の「屋内スポーツ施設」として誕生し当時は「スポーツ館」と呼ばれ、自転車競技や世界ボクシング選手権など実施されました。1935年以降は「ミラノ見本市会場」の『パビリオン3』」として親しまれてきました。

写真上:H同センタ―内で接種を待つ人々、クーポラのような巨大な丸天井が印象的

この建物、実は2019年に大規模な完全修復を終え、多目的ホールとして利用を始めるところでした。それが今回、ロンバルディア州ワクチン接種HUBセンターとして活用されることになったのです。私も接種のため会場に入りましたが、アールヌーヴォー様式の建物の空間の大きさに驚きました。特に、金属とガラスで出来たクーポラのような高さ32メートルの巨大な丸天井が印象的でした。

この会場、驚いたのは、1943年3月の連合軍によるミラノ大爆撃でスカラ座が大きな被害を受けた後、再建中の1946年には、トスカーナ指揮スカラ座公演が、まさにこの建物内に仮設ステージが設けられて行われたことです。

写真上:I「旧ミラノ見本市会場接種センタ?」となった建物、「パビリオン3」と呼ばれていた時代、1950年の写真   画像出典:https://www.lombardiabeniculturali.it

今回も、未曾有のコロナ危機という事態の中、15万平米という大スペースのおかげで、理想的な接種レイアウトも可能となり、ミラネーゼを快適で安心なワクチン接種会場としてむかえてくれました。100年近い歴史を持つこの建物、様々な形でミラノの出来事にかかわり、「緊急時」を支えてくれたことになります。ワクチン接種が縁となって、興味深いミラノの歴史の一面を知ることができました。

時節柄、くれぐれもご自愛ください。                 

JITRA 編集長
大島悦子 Etsuko Oshima


 

編集後記
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