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編集後記
2019年5月15日
JITRA編集室 大島悦子

●ミラノ・トリエンナーレに、「イタリアン・デザイン・ミュージアム」がオープンしました。
この4月8日、ミラノサローネ国際家具見本市開催にあわせて、ミラノのトリエンナーレに「イタリアン・デザイン・ミュージアム Museo del Design Italiano」がオープンしました。トリエンナーレの入口を入ってすぐ右のスペースに、1946年から1981年までのイタリアンデザインを代表する「プロダクト」が200点、時系列的に展示されています。

写真下左:@「イタリアン・デザイン・ミュージアム」入り口   写真下右A「イタリアン・デザイン・ミュージアム」館内風景

ミラノといえばイタリアンデザインのメッカ。これまでも、トリエンナーレでは、その主要作品を紹介する特別展を継続開催してきましたが、今回はじめて、常設展示「デザインミュージアム」開設となったのです。

写真下左:B1960年代作品        写真下右:C1970年代作品  

シンプルで清潔感あふれる空間に、1940年代、1950年代、1960年代、1970年代と、作品が整然と配置されています。懐かしい感じのミシンやオリベッティ計算機などマシン類もあれば、色鮮やかでファンタジーに富む家具、美しいラインの照明器具などが並び、イタリアンデザインの多彩で豊富な世界に触れることができます。

Museo del Design Italiano イタリアン・デザイン・ミュージアム 
会場:Triennale Milano ミラノ・トリエンナーレ
住所:Viale Alemagna 6,   20121  Milano
開館時間 10:30-20:30 月曜休館
入館料:特別展+イタリアン・デザイン・ミュージアム共通券:18ユーロ(65歳以上14ユーロ)
https://www.triennale.org/eventi/museo-del-design-italiano/
注:トリエンナーレ内のカフェ、ガーデン、ブックショップなどの入館は無料

●5月10-12日の3日間、ミラノは「アルピーニ(アルプス山岳兵)」の「大集会」でうまりました。
ミラノで 「第92回全国アルピーニ協会 大集会: La 92a Adunata Nazionale Degli Alpini」が開催されました。「アルピーニ Alpini」すなわち「アルプス山岳兵」のOBが結成する全国組織が「全国アルプス山岳兵協会 Associazione Nazionale Alpini=(以下『ANA』と略」)です。イタリア各地に117支部、会員35万人を持つ大組織で、年1回イタリアのどこかの都市で「大集会」を実施しています。今年は、『ANA』が1919年にミラノで発足して100年ということで、結成100周年をミラノで大々的に祝うことになったのです。

写真下左:D「全国アルプス山岳兵協会」創立100周年記念・大集会ポスター   写真下右E山岳兵のシンボル「黒い羽根」のついた山岳帽

この3日間に、報道によれば、イタリアの北から南から「アルプス山岳OB」とその家族あわせて約50万人がミラノを訪れ、山岳兵のシンボル「黒い羽根」のついた山岳帽をかぶった人たちがミラノ中に溢れました。

ハイライトとなる12日の「大行進」では総勢8万人の山岳兵OBが支部ごとに行進しました。ポルタ・ヴェネツイアからドゥオーモを目指し、その後、お城まで行進して解散というコース。スタートは朝9時、終了解散は19時半という長丁場ながら、沿道にはミラノ市民をはじめ山岳兵家族やファンなどが詰めかけ、拍手で応援するという熱気でした。

写真下左:Fドゥオーモ広場を行進する「山岳兵」   写真下右G行進を終え、お城の近くで随時解散する「山岳兵」

ところで、「アルプス山岳兵」というと牧歌的な響きがありますが、実際は、アルプスや極限状況の自然環境の中で戦う兵隊で、厳しい訓練を受けています。第一次大戦では、当時のオーストリア=ハンガリー帝国との国境をめぐる戦いの中で、厳冬のアルプスで、多大な犠牲者を出しつつも、現在のイタリア国境を勝ち取る上で大きな貢献をしたことで知られています。10数年前までイタリアには徴兵制度がありましたが、現在は職業軍人が担い、紛争地域への平和目的の国際派遣などでも活躍しています。したがって「OB」といっても、青年時代、1-2年程度の兵役の「アルプス山岳兵」経験者が大半です。開催に先立ち、5月3日には、スカラ座で各地の「アルプス山岳兵」男性合唱団のコンサートが開催され、スフォルツエスコ城博物館の展示室では、「アルプス山岳兵」歴史展が始まりました。

写真下左:Hスフォルツエスコ城博物館の展示室の「アルプス山岳兵」歴史展  写真下右:I1920年代のアルプスでの活動や訓練を示す写真

『ANA』の大集会、大行進がミラノで暖かい歓迎の雰囲気の中で行われた背景には理由があるといえましょう。『ANA』は、大地震など非常時に、国の機関「市民保護局Protezione Civile」と連携し、被災者支援の中核ボランタリー組織として第一線で活躍しているためです。各地の『ANA』支部倉庫には、非常時用車両やテントや機器類があり、即時に地元の被災地で救援を行う人材と体制を備えています。

写真下左:J「市民保護局」と『ANA』の連携コーナー   写真下右K緑の木陰で仲間たちと飲食やコーラスを楽しむ「山岳兵」OBたち

本格的厨房施設を備えたキッチン車両もあって、被災者に最初の夜から暖かい食事を提供できるのも、彼らのおかげによるところが大きいようです。このような災害時の「市民保護局」との協力活動を紹介するコーナーもありましたが、山岳兵の経験と技能を地域社会に生かすシステムだと感心しました。

今回、一度見たいと思っていた「山岳兵の大行進」を間近で見て、活動内容も知ることができて、新鮮な感動を覚えました。                 

JITRA 編集長
大島悦子 Etsuko Oshima


 

編集後記
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