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イタリア主要都市 観光・情報ガイド
私の住む町Travel案内  マテーラ Matera
15 aprile 2008

■おすすめ一日観光コース






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案内人 白旗寛子



マテーラは人口5万7千、南イタリアのバジリカータ州マテーラ県の県庁所在地である。その町の最東端にサッシと呼ばれる歴史地区が広がる。
のんびりとした旧市街地を行くと、唐突に、イタリアのどんな町とも違う「ひとつの都市」が姿を現す。それがマテーラのサッシSassi di Materaだ。中東のアラブ諸国を彷彿とさせる白亜の町並みは、押しも押されもせぬ世界遺産である。
私の住む町案内は、町の中心広場からスタート。ここからサッシの見所へと向かおう。

ヴィットリオ・ヴェネト広場Piazza Vittorio Venetoは、サッシが果て、市街地が始まる名実ともにマテーラの中心。この下には、実は蟻の巣のような洞窟群が眠っている。その一角が、広場中央にぽっかり口を開けている、10世紀のS.スピリト岩窟教会跡だ。
その真上の三連アーチをくぐると、1270年完成の大聖堂が鎮座している姿が真正面に見える。足下にはサッシ(バリサーノBarisano地区)のパノラマが広がる。
さて、「洞窟住居群」と訳されることが多いサッシ。その謎解きに、まずは大聖堂へ向けて散策を始めよう。

広場から続くベッケリエ通りVia delle Beccherieは、途中ドゥオーモ通りVia Duomoと名を変え、大聖堂に続く。
ベッケリエ通りと、サッシに下りていく石段のトレ・コローネ通りVia Tre Coroneの右角に、バリサーノの洞窟の家Casa grotta del Barisanoがある。'60年代までの農民の暮らしぶりを偲ばせる、見学可能な家のひとつだ。注目すべきは、旧市街の通り沿いのごく普通の建物が、中に入れば洞窟がある意外性。ここでいう洞窟とは、人が目的を持って掘った空間のこと。外から見えても見えなくても、「岩の中に掘られた空間」、それがサッシなのだ。

さて、大聖堂のある高台は、四千年も前に最初の集落ができたマテーラ発祥の地。後には定石どおり城壁で守られるが、ドゥオーモ通りに入ると右手に、中世の方形の塔がその名残を留めている。

大聖堂 Duomoの外観は、プーリア風ロマネスクの象徴、大きなバラ窓が目を引くが、度量衡がおおらかな時代の建築ゆえ、よく見ると、左右がきれいに対象ではないのも愛嬌がある。
足下にはサッシ(バリサーノ地区)、右手はるかプーリアとの州境の田園までも一望する。左手には、小高い丘の緑に混じって、トラモンターノ城のどっしりした円塔が見える。


写真トップ:サン・ピエトロ・カヴェオーソ広場周辺
下左:マドンナ・デッリドリス岩窟教会、中:同教会への石段の道、右:サッシならではの独特な風景


大聖堂向かって右、広場右奥に見えるアーチをくぐって、いよいよサッシの心臓部へ。瀟洒な家が並ぶ道を、"MUSMA"の標識を追って直進、水飲み場のあるY字路を右折。アーチを抜けると、突然左に視界が開け、眼下にはサッシ(カヴェオーソCaveoso地区)とグラビーナ渓谷の息を呑むようなパノラマが現れる。
ここにあるMUSMAマテーラ現代彫刻美術館は、カラブリア州までも及んだという大土地所有者、ポマーリチ家の邸宅を改修したもの。延べ1500平米、サッシの中では一、二を争う屋敷は、百室の館としても知られる。

館内には近現代彫刻も置かれているが、ここはサッシ。見所はやはり5つの巨大な洞窟だ。
"洞窟1"の右奥の床下、ライトアップされた地下空間は、貴重な生活用水であった雨水の貯水槽。サッシの家の多くが大なり小なり備えていたものだ。
"洞窟2"では、彫像の子どもが愛らしく腰かけている四角い凸物に近寄って欲しい。若い娘さんの足で圧搾された葡萄の原液は、その凸物=注ぎ口を通ってワイン樽の中へ入る仕組みになっていたことがわかる。この注ぎ口、そこここで目にするが、"洞窟4"には、周りに細工を施した珍しい例も。樽はその後、温度・湿度が最も安定した下位の洞窟に整然と並べて保存された。

使用人の空間を後に、外階段を上って"主の住まい"(16世紀)へ。「百室」と称されたのは、各室が回遊式に続いているため、あたかも部屋が尽きることがないようだったからとか。一番大きな"宴の間"からの眺望はなんともファンタスティック。尚、2008年現在、洞窟6〜8を順次改修中、公開が楽しみだ。

MUSMA前からは、「建築された教会」と「岩窟教会」のコントラストが楽しい。すなわち、谷底のサン・ピエトロ・カヴェオーソ教会San Pietro Caveoso(14世紀)と、その右上、十字架を頂いた岩山。この岩山こそカヴェオーソ地区のシンボル、マドンナ・デッリドリス岩窟教会Madonna dell'Idrisだ。

さてここからは、行きたい方に迷い込んでみるのもまた一興。谷底のサン・ピエトロ・カヴェオーソ教会までおおよその見当をつけたら、くねくねと続く石段の道を降りて行こう。ただし、サッシでは道を道と、広場を広場と思うべからず。今来た道をひょいと見あげると、下にある家の屋根だったりする。

サッシ、上から見るか下から見るか。サン・ピエトロ・カヴェオーソ教会前の広場から見上げて、作家カルロ・レヴィはこう著した。「町は本当に絵画のように美しく、鮮烈だった。」
足下の渓谷を覗くのもお忘れなく。百をゆうに越える岩窟教会と、稀少な動・植物相が残る対岸の州立ムルジャ公園もまるごと世界遺産だ。

広場からブオッツィ通りVia B.Buozziを直進。通りの中ほど右手、三角柱の形をした手狭なお土産屋の手前の石段を上ると、雨水集積システムLa Raccolta delle Acqueがある。19世紀前半、司教の願いで、サッシに待望の公共貯水槽が建造される。カヴェオーソ地区の住民を支えた巨大な貯水槽は一見の価値あり。のんびりとした小広場からは想像できない、最大級の洞窟が隠されている。

ブオッツィ通りを上り、突き当たりを右折、次のU字カーブは折り返さず、右前方の階段を上れば、旧市街のリドラ通りVia Ridola.。リドラ通り→コルソ通りVia del Corsoと直進すれば、スタート地点のヴィットリオ・ヴェネト広場だ。

案内人プロフィール
白旗寛子(しらはた ひろこ)

フランスで知り合ったパートナーがマテーラ出身だった・・・というわけで記念すべき初めての訪伊先がマテーラ。2003年よりマテーラ在住。翻訳・観光通訳・仲介業をなりわいとするも、まだまだ日本人はものめずらしそうに見られるマテーラで、舞い込む仕事は、日本語講師から新聞連載、着物輸入、最近は某ソファーメーカーの販促資料に載る日本人(笑)など、珍奇な身の上を大いに楽しませてもらっている。ブログhttp://yroco.cocolog-nifty.com/blog/


マテーラ・データ
 

■アクセス
<鉄道>
ミラノ、ボローニャ、リミニ、アンコーナ方面から、あるいはローマ、ナポリ方面から、いずれの場合もイタリア鉄道バーリBari駅で下車。その後、平日はローカル鉄道FAL線に乗り継ぎ。日・祝はバス乗り継ぎ。

FAL線
バーリ駅を出て、FAL線駅舎バーリ中央駅Bari Centrale乗車、マテーラ中央駅Matera Centrale下車。直通の場合、所要時間およそ1時間10分〜1時間25分。4ユーロ。
※日・祝はすべて運休
FAL線時刻表 http://www.fal-srl.it/quadriorari2003/treni.htm

FALバス
バーリ駅裏口カプルッツィ通Viale Capruzzi乗車、マテーラ・マッテオッティ広場P. Matteotti下車。所要時間1時間半。4ユーロ
※カプルッツィ通り発着は日・祝のみ。一日6便。
FALバス時刻表 http://www.fal-srl.it/quadriorari2003/bari.htm

※チケットは、FAL線列車・バスとも各FAL線駅舎内にて購入(日・祝休)
※日・祝のFALバスの利用の際は、チケットは前日までに購入のこと

※FALマテーラ中央駅、マッテオッティ広場から町の中心ヴィットリオ・ヴェネト広場へは、ローマ通りVia Roma直進(徒歩5分)。
インフォメーションAPTは途中、デ・ヴィーティ・デ・マルコ通りVia De Viti De Marco左折、突き当たり。

<高速バス>
ローマからマロッツィ社のバスが出ている。
ローマ・ティブルティーナ駅高速バス発着場Autostazione Tiburtinaから、マテーラのマッテオッティ広場まで。所要時間約6時間半(片道32.50ユーロ、往復58ユーロ)
ローマ発 07:30* 15:30 23:59。 マテーラ発 07:45 16:00* 23:59
(*は土曜運休。下記HPより希望日の運行状況確認のこと。)
チケットは、同発着場チケット売り場にて。
マロッツィ社 Marozzi http://www.marozzivt.it

ナポリからマリーノ社のバスが出ている。
ナポリ駅前ガリバルディ広場Piazza Garibaldiから、マテーラのマッテオッティ広場まで。所要時間4時間〜4時間40分(片道19ユーロ、往復35ユーロ)
ナポリ発 06:20* 13:30** 14:30*** 17:00 19:00
マテーラ発 06:20 08:00** 11:30 17:15**
(*月のみ運行 **日曜日のみの運行 ***日曜運休。下記HPより希望日の運行状況確認のこと。)
マテーラ行きチケットは、乗り場最寄りの旅行代理店(VIAGGI ITAPOL. ガリバルディ広場のBar Messico内にある)ほかにて。
マテーラから各都市行きの高速バスのチケットは、乗り場最寄りの旅行代理店(K RONOS Viaggi & Turismo Sas)ほかにて。
マリーノ社 Marino http://www.marinobus.it

<自動車>
・高速自動車道A14(ボローニャ〜バーリ)
バーリ北Bari Nord出口→国道SS96(アルタムーラAltamura方向)→国道SS99(マテーラ北Matera Nord)
・高速自動車道A1(フィレンツェ〜ローマ)
カセルタCaserta出口→高速A30(カセルタ〜サレルノ/サレルノSalerno方向)
→高速A3(サレルノ〜レッジョ・カラーブリア/ポテンツァ方向)シチニャーノSicignano出口(ポテンツァ県)
→国道SS407(フェッランディーナFerrandina方向)→アッピア街道SS7(マテーラ南Matera Sud)
※サッシ内に普通乗用車の乗り入れ可能(ただし、頻繁に規則が変わるので注意。)

<空港>
最寄りの空港は、バーリ・パレーセ空港 Bari Palese。空港からバーリ駅までのバスが出ている。(バーリ駅→マテーラは、<鉄道>の項参考。)
パレーセ空港発バーリ駅行きバス
AMTAB 16番
所要時間35〜40分。0.80ユーロ(車内販売1.5ユーロ)
AMTABバス時刻表
http://www.amtabservizio.it/index.php?option=com_content&task=view&id=40&Itemid=67
TEMPESTA
所要時間30分。4.15ユーロ
TEMPESTAバス時刻表 http://www.autoservizitempesta.it/orari_eng.php

バーリ・パレーセ空港−マテーラ間 無料バス運行 
バーリ空港発着の航空券または予約券を携行している方に限り、期間限定で空港−マテーラ間の無料バスをご利用いただけます。
期間: 2008年6月16日〜9月13日(日曜運休)
所要時間: 1時間15分
バーリ・パレーセ空港→マテーラ: 10:00発、13:15発、17:00発
マテーラ→バーリ・パレーセ空港: 05:00発、11:30発、15:00発
http://pugliairbus.aeroportidipuglia.it/#english
オンラインからの予約が必要(上記サイトにて)。予約なしでも、空きがあれば利用可能。


<タクシー>
バーリ駅、あるいはバーリ・パレーセ空港からタクシー利用も可。バーリ駅からマテーラまでは60km、バーリ・パレーセ空港からは64km。

■インフォメーション
バジリカータ州立観光促進オフィスAPT
Via Spine Bianche 22
Tel: 0835-331817(英語可) E-mail: matera@aptbasilicata.it
月〜土 08:30〜13:00/16:00〜19:30
日・祝 08:30〜13:00
宿泊、レストラン情報などバジリカータ州のあらゆる観光情報、マテーラ市の地図などを無料提供
URL: http://www.aptbasilicata.it

■その他
バリサーノの洞窟の家 Casa grotta del Barisano
Via Tre Corone 42 - Sasso Barisano
Tel: 0835-335010 /Cell: 329-9511755
開: 9:00-20:00(通年)
料金: 1ユーロ(日本語オーディオガイド有)
http://www.casagrottadelbarisano.it

MUSMA マテーラ現代彫刻美術館 (旧ポマーリチ邸 Palazzo Pomarici)
Via San Giacomo - Sasso Caveoso
Cell: 320-5350910
E-mail: musma@zetema.org(英語可)
夏季(4月1日〜10月31日)10:00〜14:00/16:00〜20:00
冬季(11月1日〜3月31日)10:00〜14:00
*月曜休館
料金: 5ユーロ
ガイド付き館内ツアー+20Euro(英語は予約することをおすすめ、最大30人まで)
http://www.zetema.org

雨水集積システム(旧プルガトーリオ・ヴェッキオ教会) La raccolta delle acque
Via Purgatorio Vecchio 12 - Sasso Caveoso
Tel: 0835-312744 / cell: 340-6659107
E-mail: info@laraccoltadelleacquematera.it
夏季(3月15日〜10月15日)10:00〜13:30/15:00〜19:30
冬季(10月16日〜3月14日)10:00〜13:30
料金: 2.5ユーロ(日本語説明書有)
※冬季午後は予約の上、見学可
http://www.laraccoltadelleacquematera.it

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