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私の住む町Travel案内  パルマ Parma
15 Dicembre 2012

■私の住む町番外編(5)
すみれの香りのDuchessa(女公)に会いに

グラウコ・ロンバルディ博物館
―マリア・ルイージャとナポレオンの秘蔵品―

Museo Glauco Lombardi - Maria Luigia e Napoleone - 

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案内人 聴涛洋子



わざわざ小さなパルマに足を運んでみたならば是非少しでも知って欲しい人物がいる。今もこの町に面影を残し、大きな文化的貢献をしてくれたマリア・ルイージャだ。

オーストリアのハプスブルグ家の若きマリア・ルイージャがナポレオンの後妻としてフランスに嫁ぎ女帝となったのは1810年、彼女が僅か19歳の時だった。歳の離れたナポレオンとの間に「ローマの王」を授け、ヨーロッパの劇的な時代の主人公になる彼女だが、帝国崩壊後のウイーン会議により、ナポレオン後継者である自分の息子とは引き離され、北イタリアのパルマ公国領土を与えられる。

こうしてマリア・ルイージャが遠い地パルマの女公になるのが25歳の時。

女公=La Duchessa (ドゥケッサ)の名前はパルマのあちこちで目につく。ワインのラベルやお土産品の名前やレストランなどにも。今でも彼女が親しまれている理由はいくつかあるが、一つに彼女の恋愛歴が今の我々に「親近感」をもたらすからかもしれない。ナポレオンがまだ正式に夫であるうちに、ナイペルグ将軍との間に子供を授かる。これは当時としては大スキャンダルだったけれど、まだ幼さが残る年頃から政治的義務を果たしてきた彼女には初めての大恋愛だったのだろう。ナポレオンの死後周囲の騒ぎを押してナイペルグ将軍とは正式に結婚している。

また、パルマが誇るテアトロ・レージョ(オペラ座)を造らせたのも彼女。自身が大の音楽好きで、ピアノ、ハープ、ギターまでも演奏することができたそうだ。現在の博物館の裏にある建物には当時コンサートホールだった大きな部屋が残っており、今は郵便局になっているのでチラリとのぞいてみると面白い。他にも彼女の時代に小さなパルマの町中には数多くのテアトロがあったそうで、パルマが音楽の町として有名になったのも彼女のおかげと言って過言ではない。

さらに、パルマの象徴花であるヴィオレッタ(小さいすみれ)。ボナパルト家の象徴であったすみれを彼女がフランスからパルマに持って来て定着させた。今で言うガーデニングも好きだったようで、公宮を飾るヴィオレッタの株の注文書が多く残っているそうだ。パルマで後に発達したすみれの香水(その名もヴィオレッタ)も彼女がもたらした花が発端で、今もそれにちなんだお土産が多い(ヴィオレッタ柄の小物、香水、飴など、博物館のブックショップにも並んでいる)。

そして、この博物館のいいところは、ナポレオン時代の豪華な展示品(特に婚姻の祝いにナポレオンが彼女に贈った金の置物や女帝時代のドレスなど)もさることながら、彼女の人柄を思わせる日常の身の回り品の展示にある。一人の女性としての優しさと柔らかさが伝わって来るような、どこか家庭的な雰囲気のする内容だ。親友や娘達に宛てた直筆の手紙、自分や娘達の髪の毛を編んで作られたブレスレット、熱心な趣味であった刺繍の数々。小さくてまとまりがよく品のある博物館を一回りした後は、まさにヴィオレッタの花のような一人の女性マリア・ルイージャの姿が頭に残るだろう。

尚、この博物館は、予約制で英語またはフランス語のガイド付きで見学することもできる。パルマでは小中学生を対象にした勉強会や、マリア・ルイージャが好きだった音楽にちなんで館内での演奏会などのイベントも催している。

*マリア・ルイージャは一般的にはフランス語のマリー・ルイーズとして知られている。

写真:同博物館提供


私の住む町番外編・データ


Museo Glauco Lombardi
グラウコ・ロンバルディ博物館

住所: Strada Garibaldi 15, Parma
TEL:+39-0521-233727
場所: オペラ座(テアトロ・レージョ)を背に斜め前左手にある古い建物。ガリバルディ通りに面してピロッタ広場の正面。
HP:http://www.museolombardi.it
Eメール:glaucolombardi@libero.it
サービス:博物館
営業時間:火-土 9:30-15:30、日曜祭日は9:00-18:30 (ただし7月8月は9:00-13:30まで) 月曜休館
入館料: 大人5ユーロ、割引3ユーロ、14歳以下は無料
カード: 小さなブックショップがあるがカードは不可

※パルマへのアクセスなど一般情報は、おすすめ一日観光コース(1)のデータ部分をご参照ください。


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