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美味しい街「パルマ」だより
15 gennaio 2019

第17回
ランブルスコの今昔        
 

西村明美 

皆様、年末年始をどのようにお過ごしになりましたか? パルマではクリスマスは家族で過ごし「アノリーニ(カペッレッティとも呼ばれます)」というパスタ、そして大晦日は友人たちと年明けを祝います。そして元旦には、コテキーノとレンティッケ(レンズ豆)をいただきます。


トップ写真@「フォイエータ」でいただくランブルスコ 
写真下左A「アノリーニ」  写真下右Bアノリーニの詰め物の肉の煮詰めは皿で蓋をし、ランブルスコを注いで煮込みます

●軽い発泡性の赤ワイン、ランブルスコ
食事と共に必ず合わせるのが、ランブルスコ。パルマ便りでも何度かご紹介していますが、軽い発泡性の赤ワインです。パルマ、レッジョエミリア、モデナで生産されているワインです。
日本でも比較的お手頃な値段で出ているのではないでしょうか?

ランブルスコはアメリカで人気になり、「アウトクラーベ」という圧力調整タンクで大量に生産され、安価で質より量というイメージが作られました。ここ15年位で、若い生産者が、昔に戻って「アンチェストラーレ法」と呼ばれる瓶内発酵で、生産量の少ない良質のランブルスコを造るようになりました。                                                  

●「フォイエータ」でいただくランブルスコ
そんな流れから、一時は無くなってしまっていたパルマの習慣、「FOIETA フォイエータ」でいただくランブルスコが街でも時々見られるようになりました。

「フォイエータ」とは、パルマ弁で白い磁器のお茶碗です。パルマとピアチェンツァの一部のみで使われているようです。パルマとピアチェンツァは、1545年から1859年まで、パルマ・ピアチェンツァ公国として一つの公国でその時期の名残のようです。

その当時ワイングラスでワインを飲むのは、大変贅沢なことでした。家では磁器でできたお茶碗で飲んでいました。「OSTERIE オステリエ)は造っているワインを、目方売りしている場所でした。そこで自宅から持ってきたお茶碗でワインを飲んでおしゃべりするのが人々の習慣でした。のちにオーナーの奥さんがシンプルな食事を作って食べさせるようになり、そこからオステリアが食堂という形になりました。

小さな村では自分のフォイエータをオステリアに置いておき、そのフォイエータは絶対に洗われることがなかったと言います。酒飲みはフォイエータがどんどんワイン色濃くなり、それを見て大酒飲みとわかるとされていたのだそうです。  

●毎年9月には「ランブルスコフェスティバル」
現在でもパルマの家庭では毎日の食事に欠かせないランブルスコですが、毎年9月にパルマのトリーレという街で「ランブルスコフェスティバル」があります。

写真下左C宮殿の中にあるアルマ・インターナショナルスクール  写真下右D「ランブルスコフェスティバル」テイスティング会場

そこで、その年出品された良質のランブルスコが表彰されます。審査員はパルマの郊外コロルノにある「アルマ・インターナショナルスクール」お料理学校でワイン部門教諭のペッシーナ先生を中心にした、パルマ、レッジョエミリア、モデナのエノテカオーナー、ソムリエを中心としたグループです。私もグループに入っているので審査させていただきました。

写真下左E審査員  写真下右Fテイスティングシート

100社近いランブルスコをブラインドテイスティングで2日に分けてテイスティングしました。以下が今年の受賞ワインです。

1、Nitidezza del varietale 明確なランブルスコ種の特徴が出ているワイン
POGGIO MURAZZO2017
2、Espressione del territory  地域性がよく出ているワイン
CAVALIERA2015
3、Sensazione di naturalita’ 自然な感じのするワイン
PODERE CERVAROLA2016
4、Migliore bevilbilita’  飲みやすさ
PODERE FRANCESCO2017
5、Packaging efficacye ed originale 効果的なラベルとオリジナル性
VITIVINICOLA FSNGAREGGI 2017
6、Resistenza all’ossidazione 酸化に耐えうるワイン
CANTINA PUIANELLO2015

以上6つの特徴のあり良質なワインが選ばれました。今年はモデナのワインが圧倒的に多く賞をとりましたが、2017年は、パルマ、レッジョエミリアの一部は春先に異常な寒波がありワイン生産にはかなり難しい年でした。それが今年の受賞ワインに関係しているようです。

写真下G7ブラインドテイスティングしたボトル

「ランブルスコって1年で飲みきってしまうワインじゃないの?」という一般の考えを一掃するテイスティングでした。特に瓶内発酵されたランブルスコは熟成されて変わって行きます。まだまだ良くなって行く伸び代の広いワインだと思います。2018年のランブルスコはどうなるでしょうか。今から楽しみです。 



西村明美(Nishimura Akemi) 
1996年よりパルマ在住。パルマという土地柄、食に関わる通訳の仕事が多く、ワイン好きが嵩じて、2003年イタリアソムリエ協会AISの資格を取得。2007年にパルマ人と結婚し、ますますパルマの伝統食品への興味が深くなり、パルマ伝統食品アドバイザーコース終了。2013年にパルミジャーノ・レッジャーノ協会のテイスターコース、パルミジャーノ・レッジャーノ紹介者養成コースを終了。
現在、パルミジャーノ・レッジャーノやプロシュット・ディ・パルマ、クラテッロなどの工場見学、研修や、アルマインターナショナルでソムリエコースを教えるペッシーナ先生のワイン講座、お料理教室をオーガナイズするかたわら、更に専門的にパルマの食品について勉強中。
ブログ  http://marchesell.exblog.jp/

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