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美味しい街「パルマ」だより
15 Maggio 2019

第18回
パルマ伝統料理の「地域性」        
 

西村明美 

パルマのレストランに行くと、必ずメニューにあるのは、「トルテッリ」と「アノリーニ」。パルマの伝統料理、パルマ人の大好物で、毎日食べても飽きないというメニューです。 

トップ写真@カペッレッティ(アノリーニ)

1.「アノリーニ」 (カペッレッティ)
●寒い冬にぴったり

アノリーニはカペッレッティとも呼ばれ、(一般的にはレストランメニューにはアノリーニとありますが、パルマ人はカペッレッティと呼んでいます。)クリスマスには欠かせない料理です。暖かいスープに入れていただくので、寒い冬に体を温めるメニューにはぴったりです。小さな丸いパスタの中に煮込んだ肉や、肉のスープ、たっぷりのパルミジャーノ・レッジャーノチーズが入っています。

●地域や各家庭で異なる「リピエノ」
中に入っているものを「リピエノ」と呼ぶのですが、同じパルマの中でも、街の中心を通っているパルマ川を境に、リピエノが変わります。下町では馬やロバの肉を煮込んだものとパルミジャーノ・レッジャーノ、卵、パン粉が使われ、山の手では牛肉、仔牛肉、豚肉を煮込んだものとパルミジャーノ・レッジャーノ、卵、パン粉を入れたものを、そして街を離れた郊外では、パルミジャーノ・レッジャーノと卵、パン粉だけを入れます。


写真下左Aリピエノを詰めた作りたてのカペッレッティ   写真下右B鍋に一杯のカペッレッティ

それぞれの家庭でレシピが違い、「マンマ」の作ったカペッレッティ(アノリーニ)が一番美味しい!となるわけです。子供の時、運動会で友人の家のお弁当のおにぎりを食べると、「何か我が家のものと違う」という感覚がありましたが、そんな感じです。  

2.「トルテッリ」
●6月23日には屋外で食べるお祭りも

夏になると、トルテッリを頂く回数が増えます。6月23日のサン・ジョバンニの日には「トルテッリを食べて夜露を浴びると幸せが来る」という言い伝えがあり、パルマ周辺の町では屋外でトルテッリを食べるお祭りがあります。

写真下C「トルテッリ・ディ・エルベッタ」 

パルマの90%以上の人がトルテッリを食べる日です。6月23日は、パルミジャーノ・レッジャーノの工房ではパルミジャーノ・レッジャーノチーズを作った後に残った乳清でリコッタチーズを作ります。リコッタとはイタリア語で「2回火を入れた」という意味で、チーズを作って出た乳清にさらに火にかけて作られます。この日は大量のリコッタチーズが必要となるのです。

写真下Dリピエノを詰めた生のトルテッリ

●パルマのトルテッリには3種類
パルマのトルテッリは
1)四角いパスタの中に、エルベッタ(ブタン草)、リコッタチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノのリピエノが入っているもの。 「トルテッリ・ディ・エルベッタ」といいます。
2)かぼちゃとパルミジャーノ・レッジャーノが入っているもの。
3)ジャガイモとパルミジャーノ・レッジャーノが入っているものの3種類があります。 レストランではBIS(ビス)2種類入ったものや、(TRIS)トリス3種類入ったものを選ぶことのできるところもあります。

かぼちゃのトルテッリは、パルマと県境のマントバでよく食べられるものです。マントバは、かぼちゃ、メロンが美味しいので知られています。マントバのお料理はパルマにも大きな影響を及ぼしていて、「スブリゾローナ」というアーモンドの入ったお菓子は、パルマのレストランでも定番のものですが、元々はマントバのお菓子です。

ジャガイモのトルテッリはパルマの山間部で美味しいポテトが採れますので、元々は山間部でよく食べられていたもののようです。

どのお料理もパルミジャーノ・レッジャーノチーズがリピエノにもたっぷり使われ、さらに上からもこれでもか!(笑)というほどかけていただきます。

3.「トルテッリ・ディ・エルベッタ」のレシピ
パルマ定番のトルテッリ・ディ・エルベッタのレシピを付録します。 たっぷりのパルミジャーノ・レッジャーノをかけてお召し上がりください。

●トルテッリ・ディ・エルベッタ (1人10個として4人分)のレシピ
<材料>
・パスタ用
小麦粉OO  300g
卵 3個
・リピエノ用
エルベッテ(ブタンソウ、もしくはほうれん草)400g茹でてみじん切りにしておく。
リコッタチーズ  400g
削ったパルミジャーノ・レッジャーノ  200g
卵  1個
ナツメグ、塩少々
・ソース
バター、パルミジャーノ・レッジャーノ適量(お好きなだけたっぷり)

<作り方>
パスタを練ります。小麦粉を台に置き、真ん中に穴を開けて、卵4個を割り入れ、フォークで卵を壊しながら、脇から小麦粉を加えて、一つにまとめ、よく練る。
パスタを丸くまとめて、冷蔵庫で30分ほど休ませる。

写真下E小麦粉の真ん中に卵を割り入れる

リピエノのリコッタチーズに茹でてみじん切りにしたエルベッテを加え、卵、パルミジャーノ・レッジャーノの順に加え、ナツメグ、塩少々で味をみる。

パスタを伸ばし、リピエノを乗せ、閉じて四角く切る。

大鍋にお湯を沸かし、塩を加える。
沸騰したら、トルテッリを入れ、約10分間茹でる。

お皿に溶かしバターを入れ、水をよく切ったトルテッリを乗せ、さらに溶かしバターと削ったパルミジャーノ・レッジャーノをかけて召し上がれ。



西村明美(Nishimura Akemi) 
1996年よりパルマ在住。パルマという土地柄、食に関わる通訳の仕事が多く、ワイン好きが嵩じて、2003年イタリアソムリエ協会AISの資格を取得。2007年にパルマ人と結婚し、ますますパルマの伝統食品への興味が深くなり、パルマ伝統食品アドバイザーコース終了。2013年にパルミジャーノ・レッジャーノ協会のテイスターコース、パルミジャーノ・レッジャーノ紹介者養成コースを終了。
現在、パルミジャーノ・レッジャーノやプロシュット・ディ・パルマ、クラテッロなどの工場見学、研修や、アルマインターナショナルでソムリエコースを教えるペッシーナ先生のワイン講座、お料理教室をオーガナイズするかたわら、更に専門的にパルマの食品について勉強中。
ブログ  http://marchesell.exblog.jp/

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