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プーリア あの町この村めぐり   
15 Gennaio 2017

第1回  
カステッラネータ
深い崖の上に立つ町



 
文・写真/矢崎裕子 



南イタリア、プーリア州といえば、世界遺産の「とんがり屋根のアルベロベッロ」。州都バーリやバロック都市レッチェを除くと、それ以外の町は日本ではあまり知られていません。しかし、イタリアのかかとに位置するこのプーリア州には、かわいい町、味のある町、特徴のある町が、たくさん存在します。そんな知られざる町にも、興味をもっていただけたらと、プーリア州の様々な町の紹介をしていきます。
トップ写真:@カステッラネータ、崖の上に立つ旧市街 
写真下左:A旧市街の階段路地   写真下右:B地下搾油所跡

まずは、私の住む、ターラント県のカステッラネータCastellaneta。世界遺産の、マテーラ(バシリカータ州)とアルベロベッロのちょうど中間に位置する町です。鉄道ではバーリとターラント間の列車が停まります。

この町に住むことになったのは、プーリア州出身の夫が望んだ転勤のためです。それまで、ミラノで暮らしていたので、プーリアの田舎で暮らしていけるのか不安がありましたが、この町の美しい景色に癒されている毎日です。日本の皆さんにも、ぜひ、訪れてゆったりとした気分を味わっていただけたらと思います。

●石灰岩の地形が浸食し谷となった「グラヴィーナ」
カステッラネータの町は、145メートルもの深さの切り立った崖の上にあります。この崖は、カルスト地形、つまり石灰岩の地形が浸食によって谷となったもので、「グラヴィーナ」と呼ばれています。ターラント県北西部のこの地方には、カステッラネータ以外にも、グラヴィーナのある町がいくつもありますが、町がこれだけ深い切り立った崖にあるのは、ここだけです。

写真下:C石灰岩の地形が浸食し谷となった「グラヴィーナ」 

●先史時代からの長い歴史を刻む
先史時代から、現在の町より少し南のミネルヴァという場所に集落があり、アッピア街道もその近くを通りましたが、紀元411年、西ゴート族のアラリック1世により破壊され、その後、他民族の進攻から守るため、自然の城壁となる崖の上に町を作ったのです。 11世紀の終わりには、司教座がおかれ、現在あるカテドラルは14世紀に建てられたロマネスク様式のものを、18世紀にファサードを含め、大きく、バロック様式に改築したものです。19世紀の中ごろまで城壁に囲まれていた旧市街は、中世の町らしく、細い路地、階段、行き止まりの多い、迷路のようです。

写真下左:D展望台からの眺め  ターラントが見える   写真下右:E展望台からの眺め  隣町モットラ

彫りやすい柔らかい石灰岩の地形のため、グラヴィーナ沿いに洞窟住居跡や、フレスコ画の残る岩窟教会があり、旧市街にも、地下搾油所跡などの、たくさんの地下室が残っています。グラヴィーナを愛するボランティア団体「Amici delle Gravine di Castellaneta」が、ツアーを組んで案内することもあります。 

●見所は「グラヴィーナ」と旧市街
インフォーメーションのある市役所から出発しましょう。町のメインストリート、ローマ通りの真ん中にある市役所。その向かって左横の道をどんどん、どんどん、上がっていくと、長い柵が見えてきて、広い展望台があります。そのすぐ先は、グラヴィーナの谷。そして、そこから見える景色は、右側に、深い崖の上に立つ旧市街。左側、病院のわき、グラヴィーナ沿いに、遊歩道もあり、気軽な自然散策もできます。

写真下左:F旧市街の路地    写真下右:G旧市街の階段路地

旧市街方面に歩いていくと、昔、大きな門があった「ポルタ・グランデ」から旧市街に入ります。車の通れる旧市街のメインストリートのヴィットリオ・エマヌエーレ通りを歩いていくと、左側に、古いものを並べているおじさんの工房があったり、小さな広場の先、右側にはロドルフォ・ヴァレンティーノ博物館(後述)。そして、もう少し行くと、車の通る道は、カテドラル方面に右ですが、そのまままっすぐ行くと、なかなか味わいのある路地もあり、グラヴィーナが見える場所もあります。

写真下左:Hカテドラル   写真下右:Iカテドラルの中 

カテドラルの前は、大きな広場になっていて、荘厳なカテドラルの全体を見ることができます。数年前に修復されて、とてもきれいです。ぜひ、中に入ってみてください。カテドラルの向かって左側には、14世紀の鐘楼があります

カテドラルの向かって右側の路地を行くと、左側に、バロナーレ宮殿、そして、少し行くと、視界が開け、左側に小さな展望台があり、グラヴィーナや、遠く、ターラントの町やイオニア海まで望めます。(写真D、E)  その道を降りてもいいですが、ちょっと戻って、旧市街の迷路に身をまかせ、歩き回るのもいいでしょう。まだまだ、観光地化していない町なので、洗濯物がなびいていたり、夏には、家の前に人がすわっておしゃべりしていたり、普通の生活を目の当たりにすることができます。

●名優ロドルフォ・ヴァレンティーノもここで生まれた
カステッラネータは、イタリア人で初めてハリウッドスターになった、無声映画の俳優ロドルフォ・ヴァレンティーノ(ルドルフ・ヴァレンティノ1895-1926)が生まれた町です。イタリア美男の典型です。旧市街のメインストリートには、彼の博物館があり、ローマ通りの広い歩道には、像があり、その近くには彼の生家もあります。

写真下左:Jロドルフォ・ヴァレンティーノ博物館   写真下右:Kロドルフォ・ヴァレンティーノの像  

●8月には食の祭「サグラ・ダ・ファルネド」
8月の最初の方の日曜日に行われる「サグラ・ダ・ファルネドSagra Da Far’nedd’」(ファルネドとは、ひよこ豆の粉の意味)は、旧市街を一回りしながら、ひよこ豆の粉を使ったフォカッチャや、プーリア名物の料理を食べる食の祭です。各広場で、生演奏や、踊りもあり、祭りの雰囲気を盛り上げます。

写真下:Lサグラにて。「フリセッラ」という固いパンに、トマトとオレガノとオリーブオイルをかけたもの。  



著者プロフィール
矢崎裕子  Yasaki Yuko
プーリア州出身の夫と結婚後、トスカーナ州で5年、ミラノで10年、輸出入関係のOLをした後、夫が希望した転勤により、現在住むプーリア州のカステッラネータに転居。バーリ大学ターラント分校の文化財学科を卒業後、2010年に、自宅でベッドアンドブレックファーストをオープン。プーリア州の魅力を伝えていければと思っています。
B&B レオの家のホームページ:http://casadileocastellan.wixsite.com/casadileo
観光情報のブログ http://ameblo.jp/casadileo/
暮らしのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/minamiitaliakara  


プーリア あの町この村めぐり データ  
 

■カステッラネータ 
 (ターラント県 Comune di Castellaneta)

交通アクセス
<列車> Trenitaliaトレニタリアで、バーリから約1時間、ターラントから約30分。カステッラネータ駅からは、列車の時間に合わせ市内循環バスが出ています。ただし、日曜祭日は、バスはありません。
<バス> SITAバスで、ターラントから40分。本数は少ないですがマテーラから1時間。このバスも、日曜祭日はありません。


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