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16 giugno 2008

■おすすめ一日観光コース(2)


アート三昧コース
〜ヴァティカンからアラ・パチスへ〜




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案内人 田島麻美



テーマを決めてめぐる『ローマ一日観光』の第二回目は、さまざまな時代の美術品を訪ねる「アート三昧コース」をご紹介しよう。

まずはローマの博物館の最大の目玉であるヴァティカン博物館Musei Vaticaniからスタート。入場には長蛇の列ができるので、オープンの1時間〜30分前から並ぶ覚悟で出かけて欲しい。特に入場無料となる毎月最終日曜日は大混雑するので、ゆったり観たい人はこの日を避けた方がいい。

博物館内部は、ラファエロやダ・ヴィンチの作品がある絵画館、古代エジプト博物館、エトルリア博物館、古代ローマの彫刻が集うピオ・クレメンテ博物館など、さまざまな時代・テーマごとの博物館に分かれている。建物自体も必見の豪華さなので、展示室内の随所に施された装飾や天井のフレスコ画なども見逃さずに。
ギリシャ彫刻『ラオコーン』や『アテネの学堂』があるラファエロの間、ミケランジェロの傑作『最後の審判』で知られるシスティーナ礼拝堂などなど、世界有数のコレクションが集うこの博物館をじっくり観て回るには、少なくとも3時間は必要になる。時間にゆとりを持ってたっぷり堪能していただきたい。

見学後、ランチのスポットとしておすすめなのがヴァティカン博物館内部にある「カフェテリア」だ。低価格のセルフサービスで、好きな皿を好きなだけ取って食べられる。時間が惜しい一日は、遠くのレストランまで足を伸ばす必要もなく、便利に使えるスポットだ。

博物館を出たら、ヴァティカン市国をぐるりと取り囲む壁沿いに歩いて、サン・ピエトロ大聖堂Basilica di San Pietroへ。カトリックの総本山であるサン・ピエトロ大聖堂は、キリストの弟子聖ペテロの墓の上に4世紀に創建された教会。現在の建物は1626年に再建されたもので、ルネッサンス、バロック時代を代表する第一級の芸術家達がその建設に携わった。
世界最大級の規模を誇る聖堂内には、ミケランジェロのピエタやバロックの巨匠ベルニーニのブロンズ像など、当時の栄華を誇る美術品の数々が集っている。ちなみに聖堂内の中央右手にある聖ピエトロのブロンズ像は、その右足に触りながら願掛けをすると願いがかなうといわれており、彫像前にはいつも行列ができている。
また、ヴァティカンのお土産として喜ばれているのがここでしか買えないヴァティカン市国発行の美しい切手。訪問の記念に自分宛にカードを投函するのもいい。黄色いポストが目印のヴァティカン郵便局は博物館内とサン・ピエトロ広場にある。


写真トップ:ミケランジェロやベルニーニの作品が残るサン・ピエトロ大聖堂
下左:ヴァティカン博物館入口、中:サンタンジェロ城、右:橋を飾る天使像


サン・ピエトロ大聖堂を出たら、広場を背にして大通りをまっすぐ進もう。正面にそびえる巨大な円形の城が次なる目的地サンタンジェロ城Castel S.Angeloだ。もともとはローマ皇帝アドリアーノの霊廟であった遺跡に、590年大天使ミカエルが降り立ち、当時大流行していたペストの終決を告げたことから、この土地はカトリックの聖地としてヴァティカン市国の一部になった。城の頂上にそびえるブロンズ像はこの大天使ミカエルの像で、城の名前「聖天使=サンタ・アンジェロ」もこの伝説に由来する。
現在は国立博物館になっており、ヴァティカンの城塞であった当時の様子が見られる武器博物館や、贅を尽くした装飾画に彩られた歴代法王の私室などが公開されている。必見はパオリーナの間、アレッサドロ6世の階段など。
さらに特筆すべきは、このサンタンジェロ城のテラスからの眺望。テヴェレ川の流れにふちどられたローマ市内およびヴァティカン市国の素晴らしいパノラマが堪能できる。
歩き疲れたら、このサンタンジェロ城のバールで一息つこう。城壁のアーチごしにまるで一枚の絵のように見えるサン・ピエトロ大聖堂の勇姿を眺めながら飲むカフェの味はまた格別である。

ベルニーニとその工房の弟子達が心血を注いで完成させた天使像を仰ぎ見つつ、サンタンジェロ橋を渡りきると、テヴェレ川に沿った遊歩道に出る。並木道が続くこの川沿いの通りを北へ向かって歩こう。川向こうに重厚な最高裁判所の建物が見えてきたら、そこからさらに5分ほど行くと道路を挟んで右手前方に、ローマ最新の博物館アラ・パチスMuseo dell'Ara Pacisのガラス張りの建物が見えてくる。

アラ・パチスは紀元前9年、初代ローマ皇帝アウグストゥスによって建てられた「平和の祭壇」である。古代ローマ遺跡の中でも最も重要なモニュメントの一つであるこの遺跡は老朽化が進んでいたため、ローマ市が莫大な経費と10年の歳月をかけて修復。2006年4月に現代建築と癒合させたユニークな博物館として生まれ変わった。
乳白色の大理石の祭壇を中央に据えたガラス張りの空間は、室内にいることを感じさせない開放感に満ちている。モダン空間と共存する古代遺跡を眺めていると、時の流れが止まったように感じることだろう。

さて、ここまでのコースをじっくり観て回ると、恐らくアラ・パチスで時間切れになるだろう。アラ・パチスを背にまっすぐ直進すると1〜2分でコルソ通りにぶつかるので、このまま博物館めぐりを終了してショッピングに切り替えてもいい。
一方、まだ時間に余裕があり、もっと美術品を見たいという方には、ヴェネツィア広場近くにあるパンフィリ美術館Galleria Doria-Pamphiljを覗いてみて欲しい。大貴族パンフィリ家の末裔が今も住んでいる館の一部に、ティツィアーノ、カラヴァッジョをはじめ同家が代々維持してきた素晴らしい絵画のコレクションが展示されている。

案内人プロフィール
田島麻美(たじま あさみ)

千葉県出身。フリーライター&エッセイスト。2000年のジュビレオを記念して(?)渡伊。以来ローマに住みつき、イタリア各地の暮らし、食、旅、歴史、カルチャーをテーマに執筆活動を続ける。主な著書:『南イタリアに行こう』、『ミラノから行く北イタリアの街』、『ローマから行くトスカーナと周辺の街』(いずれも双葉社刊)。2008年5月、初のエッセイ『イタリア中毒』(ユビキタスタジオ発行、KTC中央出版発売)を上梓。

『イタリア中毒』
発行: ユビキタ・スタジオ、発売: KTC中央出版
発行日: 2008年5月、定価: 1470円
気軽な旅行者から踏み込んで暮らしはじめたローマの街で、言葉や文化、価値観の相違を体当たりで乗り越えた毎日。イタリアという、人生をハッピーにする「毒」が身体の中に浸透するまでの、さまざまな出来事を綴る。


ローマ・データ
 

■インフォメーション
(各博物館の情報は予告なく変更されることがあります)

ヴァティカン博物館 Musei Vaticani
Viale Vaticano 100
開 (3月〜10月)月〜金 10:00-16:45、土 10:00-14:45、(11月〜2月)月〜土 10:00-13:45、毎月最終日曜 9:00-13:45
休館: 日曜(最終週を除く)、1/1、6、2/11、3/19、復活祭、5/1、17、6/7、29、8/15、16、11/1、12/8、25、26
料金: 14ユーロ
URL: http://mv.vaticano.va

サン・ピエトロ大聖堂 Basilica di San Pietro
Piazza San Pietro
入場無料

サンタンジェロ城 Castel S.Angelo
Lungotevere Castello 50
開: 9:00-19:30(チケットは閉館1時間前に販売終了)
休館: 月曜、12/25、1/1
料金: 5ユーロ
URL: http://www.benicultura.it/luoghi

アラ・パチス Museo dell'Ara Pacis
Lungotevere in Augusta
開: 火〜日 9:00-19:00、12月24日と31日 9:00-14:00
休館: 月曜、12/25、1/1、5/1
料金: 6.50ユーロ
URL: http://www.arapacis.it

パンフィリ美術館 Galleria Doria-Pamphilj
Via del Corso 305
開: 10:00-17:00
休館: 1/1、復活祭、5/1、8/15、12/25
料金: 9ユーロ
URL: http://www.doriapamphilj.it/home.asp

※ローマへのアクセスなど一般情報は、おすすめ一日観光コース(1)のデータ部分をご参照ください。
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