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イタリア世界遺産の旅
16 giugno 2008
アルベロベッロのトゥルッリ
Trulli di Alberobello


プーリア州 Puglia
バーリ県 Bari
登録年 1996年
登録基準 文化遺産(iii)(vi)(v)




文・写真 牧野宣彦

トゥルッリという円錐形の屋根を持った不思議な家が立ち並ぶプーリア州のアルベロベッロは、1996年に世界遺産に登録された。

●トゥルッリの起源
アルベロベッロはバーリ市の南東に位置している。アルベロベッロという名前は、おそらくArboris belli(戦争の木)に由来している。かつて町の入り口に大きな樫の木があり、この木の近くで悲劇的な戦闘が行われたと言う。
アルベロベッロについて記述されている最古の記録はノルマン王朝時代。そして、現在見られる円錐形のドームを持つトゥルッリが建設されたのは、15世紀末に遡るといわれる。

言い伝えによると、当時この地方を支配していたナポリ王治下のアックアヴィーバ伯爵の時代、この土地に開墾のために集まってきた農民達が居住地をつくることになった。しかしながら伯爵は、ナポリ王に納入する不動産税を回避する為、王の税徴収人がやって来た時にすぐに解体できるような家を造るように命じたのである。
その建物は、土台も骨組みもなく、積み上げる石もモルタルで固めず、「キアンカレッレ」という平たい石を円錐状に積み上げた屋根を持つ家だった。これがトゥルッリの起源と言われている。

18世紀末、頻繁に家を建てたり解体したりしなければならない事、又伯爵の横暴にも耐えかねた小作人たちは、ターラントまで赴きブルボン王朝フェルディナンド4世に直訴した。王はトゥルッリの点在するこの町を気に入り、直轄領とし、以後この地区ではトゥルッリのみを建てる様に命じたと言われる。
写真トップ:青い空に白い壁が映える、下:トゥルッリが並ぶアルベロベッロの風景

●エキゾティックな世界
アルベロベッロの旧市街は、地元の人たちが普通に生活しているアイア・ピッコラRione Aia Piccola地区と、土産物屋が多く、観光客が絶えないモンティMontei地区とで構成される。この地域だけで1430軒のトゥルッリが集まっており、エキゾティックな世界を造り上げている。

私がアルベロベッロを初めて訪れたのは、1996年、近郊の町マルティナ・フランカの音楽祭で上演されたパッチー二のオペラ「ポンペイ最後の日」を見る為だった。
オペラを見た翌日、この不思議な家が立ち並ぶ町を訪れた。テレビなどで見ていたので知識はあったが、現実に目の前に沢山の白いきのこの様な建物を見た時は、一瞬別世界に入りこんだ様な気がした。バロックの町レッチェのような味わい深い都市とは言いがたいにしても、プーリアの人たちがいまもこの様な建物を残し、現実に利用している事は素晴らしいと思った。

写真左:世界のどこにもない町並み、右:キアンカレッレと呼ばれる屋根

●二度目の訪問での出会い
2007年3月、トゥルッリホテルに滞在しようと、アルベロベッロを再訪した。マテーラから到着したのは丁度お昼前だった。案内されたトゥルッリホテルの外見は、黒い屋根に白い外壁のトゥルッリそのものだったが、内部は普通の一戸建ての家で、キッチン、寝室、中庭、ベッドルームがあり、戸棚には食器など生活必需品が置いてあった。

夕方一人でトゥルッリを散歩した。一軒の土産物屋に行くと、一人の年輩の女性が手招きしていた。写真を一枚撮影したら、「中へ入って」という。話してみると彼女は大の親日家で、過去に日本を何回か訪れた事があり、日本のテレビに5回も出演したという。
店と隣接する家の中を訪問すると、トゥルッリの中はやはり普通の一戸建ての家になっていた。コーヒーをご馳走になりながら、彼女の記事が掲載されている色々な国の雑誌などを見せてもらった。
彼女は、2005年に日本の白河郷とアルベロベッロが共に世界遺産の町として姉妹都市の締結をした時、市長と共に日本を訪問し、大歓迎された経験から、日本贔屓になったと言う。
このアンナ・マリアさんは、刺繍が入った手作りの織物を織っているが、その中にトゥルッリと白川郷の景色をあしらった切り妻の藁葺き屋根の刺繍もあった。
屋上に案内されるとパノラマが見えた。夕日を浴びたアルベロベッロの町は、白い建物がピンクに染まり、美しかった。

ホテルに戻り、部屋に入るととても寒かった。トゥルッリホテルは、とても快適だったが、何かトラブルが起こった時、フロントが離れているため、通報してすぐ問題を解決してくれるというわけにはいかず、多少の不便がある。これもトゥルッリならではのことかもしれない。
翌日は朝早く出発のため朝食を食べられなかったが、朝食もトルゥッリの中にあるバールまで行き、8時に集合し食べるという。私達は、その日アルベロベッロ6時50分のバスでターラントへ向かい、その後バスでサレルノまで行き、ナポリへ向かった。


データ
Dati

■アルベロベッロへのアクセス
バーリBariから私鉄スッド・エスト線Ferrovie del Sud Estの電車が出ている。バーリから直通、またはプティニャーノPutignano乗り換えで、約1時間半。
スッド・エスト線 http://www.fseonline.it/default.aspx

■インフォメーション
Ufficio Informazioni e Accoglienza Turistica (I.A.T.)
Piazza Ferdinando IV
Tel: 080-4325171

アルベロベッロ市サイト  http://www.comune.alberobello.ba.it
アルベロベッロやトゥルッリに関するサイト  http://www.alberobello.net
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