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イタリア世界遺産の旅
15 Dicembre 2011
アルプス一帯の先史時代の杭上住居
Siti palafitticoli preistorici dell'arco alpino


登録年 2011年
登録基準 文化遺産(iii) (V)


文・写真 牧野宣彦

2011年パリで開催されたUNESCOの世界遺産の登録を決める第35回会議において、アルプス一帯の先史時代の杭上住居が (B)現存しているものやまたは消滅した文化的伝統、文明に関して少なくとも特別な証拠を持っている独特なもの。
(v)特に、回復困難な変化の影響下で、損傷されやすい状況下にある場合における、ある文化、または複数の文化を代表する伝統的集落、または土地利用の顕著なもの。
などの条件で世界遺産に登録されました。                                               

写真トップ モリーナ・ディ・レドロにある再現された「杭上住居」
1.イタリアには19ケ所の遺跡が存在
この中にはアルプス周辺の国オーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、スロヴェニア、スイスなど6カ国の111箇所の場所があり、そのうちイタリアには、19カ所存在している。杭上住居が建設されたのは紀元前5000年から紀元前50年位の間で石器時代から青銅器時代といわれ、これらの場所で発掘された食器や道具、装飾品などが展示されている博物館や、発掘場所などが世界遺産に登録され、現実には杭上住宅そのものをイタリアで見る事は難しい。

私は、最初先史時代の杭上住宅が現存していると思い、イタリアのこれらの19カ所遺跡が点在しているピエモンテ州、ロンバルディア州、ヴェネツィア・ジュリア州、トレンティーノ州、ヴェネト州の考古学の専門家に問い合わせたが、杭上住居の撮影は難しいといわれた。しかし色々調べているうちにイタリアの中ではガルダ湖周辺にこれらの遺跡が一番多く点在しているという事がわかり、ガルダ湖畔の最北の街リヴァ・デル・ガルダRiva del Garda郊外7キロメートルのトレント県モリーナ・ディ・レドロMolina di Ledroという場所に杭上住居博物館Museo delle Palafitte di Ledroなるものが存在するという事がわかった。 ガルダ湖周辺には、他にディセンツァーノ周辺のラヴァニョーネLavagnone, ルコーネLucone, シルミオーネSirmione, ペスケリアPescheriaなどにも遺跡や博物館など存在し、これらも世界遺産に登録された。ペスケリアにある遺跡などは湖底にあるので、現場を撮影するのは難しい。

2.ガルダ湖北端に残る杭上住居の杭
私はモリーナ・ディ・レドロにある杭上住居博物館を撮影の為に8月3日朝5時過ぎにボローニャの家を出た。ボローニャ発6時10分発のヴェローナ行の汽車に乗る為だった。汽車は予定通り出発し、7時50分頃ヴェローナに着いた。すぐにチケット売り場でリヴァ・デル・ガルダ行のバス券を購入し、8時10分発のバスに乗った。この日は太陽が顔を出し、ガルダ湖の美しい景観を見ながらバスは予定時間より30分遅れて11時頃リヴァ・デル・ガルダに着いた。滞在したグランドホテル・リバティに荷物を置き、すぐに昼食後タクシー乗り場に行った。私は印刷した小さな水たまりに沢山の杭が水の上に出ている写真を運転手に見せ、ここに行きたいと言ったら、運よく運転手は写真の場所を知っていた。

写真左 フィアヴェの町周辺の光景   写真右 美しい湖、テンノ湖

最初タクシーはフィアヴェFiave’に向かった。町を走りじぐざくの坂道を北に、10分も走ると右下に美しい絵に描いたような湖が見えた。名前を聞いてみるとテンノ湖Lago di Tennoだという。それから約20分、15キロ位走っただろうか、緑の豊かなよく手入れされた公園の様な場所に着いた。

写真を見せてこの場所はどこかと芝刈りをしていた人に聞くと10分も歩くと橋があり、行きどまりになっていた。そこから少し遠方に大きな池の様なもの柵で囲われていた。それが目指す世界遺産の杭上住居の跡で、杭が残っている貴重な場所だった。その橋の右の小道を下がり、10分も歩くと木の道があり、それを歩いて行くと、杭上住居の跡があった。

写真上:先史時代の杭上住居の沢山の杭が水面から突き出している光景

沢山の杭が水面から突き出ていた。私は求めていた恋人に巡りあったように嬉しくなり、何枚もの写真撮影をした。そこには木の碑もあり、杭上住居について説明が書かれていた。

●杭上住居を再現した「杭上住居博物館」
タクシーの運転手は道をよく知っている人で、車を降りた場所よりだいぶ近い場所に来てくれた。次に私たちはすぐ杭上住居博物館のあるモリーナ・ディ・レドロに向かった。来た道を戻り、リヴァ・デル・ガルダ市に入る前に進路を右に取り少し走ると長いトンネルが2つあり、さらに少し行くと湖が見えてきた。その畔に横に長い杭上住居博物館があった。チケット代1人4Euroを支払い中に入ると博物館の中には、先史時代の人たちの使用した青銅の食器、装飾品、農具、貨幣の様なものなどが展示されていた。外は公園の様になっていて、湖の畔に藁の屋根のある杭上住居が見えた。

写真上 左・右 「杭上住居博物館」 内にある再現された杭上住居  


この博物館は1960年代に構想が持ち上がり、1968年に建設が始まり、現在のような杭上住宅が再現されたのは、2008年だった。杭上住宅の外には、先史時代の人たちが使用した黒くて細長い木の船などもあった。住宅の中は先史時代の人の使ったと思われる道具などが展示されていた。私は、再現とはいえ湖の畔に建つ古代人の住居を撮影できたのでとても満足した気分になった。

イタリアには、Isolino Virginia, イタリアで唯一の杭上住居があるといわれるCadreezzate、ルネッサンス期の詩人ペトラルカの住んでいた家のあるArqua Petrarcaなど魅力のある杭上住居の遺跡のある場所が多い。今回は時間がなく訪れる事が出来なかったが、いつかこれらの場所を訪れてみたい。   



データ
Dati

レドロ杭上住居博物館
Museo delle Palafitte di Ledro
所在地:Via Lungolago, 1 - 38060 Molina di Ledro (TN)
tel +39.0464.508182  fax +39.0464.509382
receptionmtsn@mtsn.tn.it   museo.ledro@mtsn.tn.it  
http://www.palafitteledro.it

開館時間
3月1日-6月30日  9:00-17:00
7月1日-8月31日  10:00-18:00
9月1日-11月30日  9:00-17:00 
月曜休館   12月、1月、2月は休館   

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