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イタリア世界遺産の旅
15 giugno 2009
アマルフィ海岸
Costiera Amalfitana


カンパーニア州 Campania
サレルノ県 Salerno
登録年 1997年
登録基準 文化遺産(U)(W)(V)






文・写真 牧野宣彦

イタリアで一番美しい場所と言われるアマルフィ海岸は、(U)(W)(X)の基準で、世界文化遺産に1997年に登録された。
写真トップ:アマルフィの象徴 ドゥオーモ

ソレントからアマルフィ、サレルノまでの海岸線の道約90kをアマルフィ海岸Costiera Amalfitanaという。ラッタリー山地は所々険しい谷によって断ち切られ、切れ込んだ岩がちの城壁になっている。柑橘類、オリーブ、花が咲き乱れる断崖絶壁の岩山に造られた道からは、紺碧のティレ二ア海が見え、オリーブの木、四季の花が咲き乱れ、ノルマンの遺跡などイタリアで一番美しいと讃えられる景観が堪能できる。じぐざくに入り組んだ断崖に走る国道163号線沿いには、ポジターノ、アマルフィ、ラヴェッロ、アトラーニ、サレルノなどの町が点在している。

●ポジターノ
ポジターノはパエストゥムの住民がサラセン人の破壊を避けて逃れて来た場所と言われ、白亜のモスク風の建物が入り江に向かって建っている。段々のテラス作りになった庭の豊かな緑の木陰、見え隠れしながら海辺に向かって下りて行く景色は息を飲む程美しい。町の起源は、ローマ時代の1世紀頃、解放奴隷ポジディイの所領であった時に遡る。
写真左:ポジターノのドゥオーモ、右:ポジターノ遠景

町の中央に立つマジョルカ焼きのドームを持つマリア・アスンタ教会と周囲の建物の調和が美しい。ピンクの夾竹桃の花や紫のブーゲンビリアが咲き乱れ、魚介のレストラン、カフェ、刺繍の店、土産物屋などが立ち並び賑やかなリゾート地になっている。文化活動にも力を入れ、バレエ、室内楽のコンクールなどが開催される芸術の町でもある。私は、冬と夏2度ポジターノを訪れている。いずれもアマルフィに行く途中短時間立ち寄っただけだったが、夏に行った時は観光客でごった返していた。細い路地や階段などが入りくみとても瀟洒な場所に見えた。

●アマルフィ
アマルフィは眺望のよい場所に位置し、アマルフィ海岸の名の起こりとなった町である。全体がスペイン風の感じのする町で、紺碧の海に相対して、ムリーニ渓谷が海に注ぐ斜面に白い家が段々上に建てられている。イタリア全土でも最も古い海運都市国家であったアマルフィは、840年には市が建設され、9世紀末にはドォージェ(総督)が管理する共和国になり、11世紀には最盛期に達し、アマルフィの繁栄は他の国から来た旅行者が目を見張る程だったという。当時地中海における海運はアマルフィ航海法という海運法典によって規制されていた程であり、新大陸発見の大きな役割を果たした羅針盤もアマルフィで発明され、コンスタンティノーブルには定期船が運航し、海軍工廠ではガレー船が建造され、これが十字軍の輸送に貢献した。しかし商業の発展は長続きせず、またピサ人の略奪,地震、津波などで、昔のアマルフィは海中に沈んだ。
写真左:アマルフィ、右:アマルフィのドゥオーモ中庭

私はこの美しい町にカフェの取材などで何度か訪れている。アマルフィの象徴はなんと言ってもドゥオーモで、左に聳える高い塔、大きな階段の上に東洋風な教会が建っているドゥオーモは絵の様に美しい。9世紀に建造が始まり、10世紀と13世紀に大改造が行われ、その後も改造が続けられた。1206年にコンスタンティノーブルから持ち込まれた使徒聖アンデレの聖遺物を安置している。柱廊の玄関の左側に入り口のあるのが天国の回廊で、アマルフィの最も高貴な人たちの墓所として、司教アウグスタリッチョによって1266年から1288年にかけて建設された。アーチが交差して囲まれた中庭には、多彩な植物が植えられ、異なる時代の石が置かれ、アマルフィの栄枯盛衰などを思いながら休んでいると涼しくてとても清々しい気分になった。

ドゥオーモに向かって、階段の右側にパスティチェリアパンサ・アンドレアがある。店の創業は1830年、内部も明るくクラシックで上品な雰囲気、チョコレート、名物のお菓子スコルツェッテ、スフォリアテッラなども飛び切り美味しいので、一度訪れてみる価値がある。この店にはワーグナー、イプセンなどが来訪した。


写真左:ラヴェッロのチンブローネ荘、右:ラヴェッロのルフォロ荘庭園

●ラヴェッロ
ラヴェッロは、私の好きな場所で、多くの芸術家にインスピレーションを与えた。アマルフィから6kの距離の高台にある小さな町で、ここにルフォロ荘 Villa Rufolo がある。建物は13世紀から14世紀に建てられたといわれ、イスラム教の影響が強く見られる。ここには美しい庭園があり、ワーグナーは、ここで「パルジファルParsifal」の<クリングゾールの魔法の花園>のインスピレーションを得たといわれている。紫のブーゲンヴィリアや色とりどりの花が咲き乱れ、ワグナーテラスと呼ばれるテラスからは、サレルノ湾とオルソ岬の壮大なパノラマが広がる。明るい光に照らされながら見る景色は、イタリア一の景観と言われるほど美しい。

ノルウェーの作曲家グリークの「ペール・ギュント組曲」の数曲もここで着想を得たといわれ、ヴェルディもこの場所を訪問している。夏には仮設の舞台が造られ音楽祭が開催される。又少し奥にチンブローネ荘があり、そのチンブローネ展望台からは、アマルフィ海岸とリコーサ岬、サレルノ湾が一望に見渡せる。

私は何度かラヴェッロを訪れたがその度に景観の美しさに感動を覚える。ルフォロ壮の近くにホテルカルーゾ・べルべデーレという1893年創業のホテルがある。イタリア有数の高級ホテルで、一泊普通に泊まると10万円位するが20世紀最大のテノールといわれたカルーゾーが泊まり、英国の作家グレハム・グリーンはこのホテルで「第3の男」を執筆している。これは私の心から願う夢だが死ぬまでに一度このホテルに泊まり、イタリア最高のパノラマを心行くまで味わってみたい。


データ
Dati

■交通アクセス
アマルフィへ
・ナポリ中央駅からSita社アマルフィ行きバスで約2時間
あるいは
・ナポリ中央駅からサレルノ行き電車(約1時間)。サレルノにてSita社アマルフィ行きバスで約1時間
Sita社サイト:http://www.sitabus.it

ポジターノへ
アマルフィからSita社のバスで約40分
ラヴェッロへ
アマルフィからSita社のバスで約30分

夏季にはナポリ、ソレント、サレルノからアマルフィ、ポジターノ行きの水中翼船やフェリーがある。
METRO' DEL MARE サイト:http://www.metrodelmare.com

■インフォーメーション
ポジターノ観光局 
Azienda Autonoma Soggiorno e Turismo di Positano
Via Saracino, 2 - 84017 Positano (SA)
Tel: +39 089 875 067

アマルフィ観光局
Azienda Autonoma di Soggiorno e Turismo
Via delle Reppubbliche Marinare
Tel: +39 089 871107
http://www.amalfitouristoffice.it

ルフォロ荘 Villa Rufolo
Tel: +39 089 857657
開場時間:9:00 - 20:00(夏季) - 18:00(冬季)
入場料:4ユーロ

チンブローネ荘 Villa Cimbrone
Tel: +39 089 858072
開場時間:9:00 - 20:00(夏季) - 日の入りまで(冬季)
入場料:5ユーロ

Ravello Festival ラヴェッロ・フェスティバル
http://www.ravellofestival.com/
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