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イタリア世界遺産の旅
15 Maggio 2009
カセルタの18世紀の王宮と庭園、ヴァンヴィテッリの水道橋とサン・レウチョ邸群
Caserta, la Reggia, il Parco e San Leucio e i Ponti della Valle


カンパーニア州 Campania
カセルタ県 Caserta
登録年 1997年
登録基準 文化遺産(T)(U)(V)(W)




文・写真 牧野宣彦

人口約7万人、ナポリから31キロ離れた場所に位置するカセルタには、ヴェルサイユ宮殿を模した巨大な王宮があり、その周辺に点在するヴァンヴィテッリの建造物は(T)(U)(V)(W)の基準で、1997年世界文化遺産に登録された。

写真トップ:壮大なカセルタの王宮と庭園

●ナポリ王国の力を示す1200室の壮大な宮殿
ブルボン家のカルロス3世は、1751年頃建築家のヴァンヴィテッリVanvitelliに壮大な規模の宮殿を造るよう依頼した。あのヴェルサイユ宮殿を建てた太陽王ルイ14世曾孫の建設したカゼルタの王宮は(249mx190m) 6階建て、1200室あり、120ヘクタールの庭園を持つ壮大な宮殿になった。ナポリ王国のヨーロッパでの重要性を誇示し、同時に敵に攻撃されにくい場所という事が考慮され誕生した。建築をリードしたのはヴァンヴィテッリだったが、他にマルチェロ・フロントンMarcello Fronton、フランチェスコ・コレッチーニFrancesco Collecini、現場監督としてピエトロ・ベルナスコーニPietro Bernasconiなどが加わった。1773年にヴァヴィテッリは亡くなり、その後あとを継いだ息子のカルロの手で完成した。
写真左:カセルタの王宮 宮殿、写真右:カセルタの王宮 庭園内 ディアナの泉

私は1990年に初めてこの宮殿を訪れて以来3度訪問している。2006年5月に行った時は、団体客などが多かったが、公開されている部屋を見た。黄金をふんだに使った、豪華な装飾の施された間、天井画やフレスコ画の美しい部屋などあったが、時代を反映してかロココ時代の絵を髣髴させる優雅な絵画が多かった。王宮の後ろにある庭園は、広大な敷地で、ルイジ・ヴァンヴィテッリとその息子によって完成された。庭の終点には78mの大きな滝があり、宮殿からそこまで約3kの距離がある。
写真左:カセルタの王宮 庭園内の大滝、写真右:カセルタの王宮内の劇場

庭園は奥に大滝が見える並木道を中心軸として造られ、ヴァヴィテッリは、明らかにフランスのヴェルサイユ宮殿の庭園を模したと言われ、ケレスの泉、ヴィーナスとアドニスの泉、大滝には、ディアナとアクタイオンの美しい彫刻のあるディアナの泉、長さ475mの大養魚場、イルカの滝には29体の彫刻が置かれ、平面にむかって傾斜してゆく長大な透視法的な構造になっている。大滝の右手にはオーストリアのマリア・カロリーナ女王によって造設された英国式庭園もある。この泉を維持するためには膨大な水が必要である。ヴァンヴィテッリは、水を確保するためにカロリーノと呼ばれる水道管をわざわざ近くの山中から引いた。なだらかな坂になっている庭園にはバスや馬車が走っている。暑い夏の日重いカメラバッグを肩にかけて、往復6k歩くとぐったりした。それにしても泉にある彫刻は造形的に美しいものばかりで、それを見ているとしばし、暑さも疲れも忘れた。

写真左:サン・レウチョ邸、右:サン・レウチョ邸の絵画

●サン・レウチョ邸
2006年5月にカセルタを訪れた時、タクシーで、サン・レウチョSan Leucioにも行ってもらった。カセルタの北西3kの高台にあるサン・レウチョは、ブルボン家のフェルディナンド4世が建てた王立の織物工場(現在は学校になっている)で、ここは啓蒙主義に基づいた都市計画Ferdinandopoliの中心地で、(未完成に終わったが)住民の平等主義的特長は、展望台の周辺にある完成した部分に端的に現れているという。

写真左:サン・レウチョ内の大きな織物機、
右:カセルタの王宮・サン・レウチョ邸群を設計したルイジ・ヴァンヴィテッリ肖像画

この建物も、ルイジ・ヴァンヴィテッリの建築したもので、入場料6ヨーロを払うと、一人の若い女性のガイドが来て内部を案内してくれた。大きな織物機が置かれた部屋、又、織物を実際目の前で織って見せてくれた。楕円の大きな浴槽のある部屋、室内には美しいフレスコ画で装飾された部屋などがあり、画家の名前を見るとジュゼッペ・カンマナーロフがいた。彼こそナポリのサン・カルロ劇場の天井画「智慧の女神ミネルヴァに詩人達を紹介する太陽神アポロ」を描いた18世紀から19世紀にかけて活躍した画家だった。内部を見学した後庭園を見た。よく手入れされた庭園は、緑が美しい幾何学模様になっている庭や黄色いレモンがなっている庭園もあった。テラスからは彼方にヴェスヴィオ火山がうっすらと見える素晴らしい景色だった。

写真左:ヴァンヴィテッリの水道橋

●ヴァンヴィテッリの水道橋
その後妻と私は、ヴァンヴィテッリの造った水道橋を見る事にした。私は、王宮の庭園にある泉や滝に沢山の水が何処から運ばれてくるのかと興味を持っていたが、多分王宮の近くに水道橋があるだろうと思っていた。運転手に聞いてみると、それは、カセルタから10k以上離れたマッダローニMaddaloniという人口3万7000人位の小さい町で、べネベントへ行く途中にあるという。又、タクシー代のエクストラチャージがかなりかかるので、愕然としたが、ヴァンヴィテッリの造ったこの橋も世界遺産になっているので行く事にした。

橋の名前はポンテ・デッレ・ヴァッレPonti della Valleで、カセルタからマッダロー二へ行き、そして更に北に4.5k行った所にあった。この橋はカセルタの王宮に水を供給するカロリーノ水道Acquedotto Carolinoの一部として、ルイジ・ヴァンヴィテッリが1753年から1769年にかけて建設した。標高580mのロンガーノ山と標高535mのカルヴィ山とを3段のアーチで結んでいる。下は大きな街道になっていて、沢山の車が高速で走り去っていった。巨大な400mもあるという素晴らしい橋で、その偉大な建築美に声も出なかった。


データ
Dati

■交通アクセス
列車で ナポリ駅から国鉄FSでカセルタ駅まで40分ー45分程度。
バスで ナポリのガリバルディ広場Piazza Garibalidi からカセルタ行きのバスあり。

カセルタの鉄道駅およびバスターミナルから王宮の入口までは徒歩3分程度。

■インフォーメーション
カセルタ王宮と庭園 
Reggia di Caseta e Parco
Tel: 0823-448084 0823-277380
王宮 8:30 - 19:30 (最終入館: 19:00)
公園・庭園 8:30 から日没2時間前まで
休館:毎週火曜
入館料:6ユーロ
http://www.reggiadicaserta.beniculturali.it/
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