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イタリア世界遺産の旅
15 Settembre 2017
16-17世紀ヴェネツィア共和国建造の軍事防御設備
Opere di difesa veneziane tra il XVI ed XVII secolo


登録年 2017年
登録基準 文化遺産(B)(iv)  




牧野宣彦

2017年7月ポーランドの古都クラクフで開催された41回目の世界遺産の会議で、「16-17世紀ヴェネツィア共和国建造の内陸支配地西側と海沿岸支配地にある軍事防御軍事防御設備」が、以下に示すようなカテゴリのB,Cに該当するとしてイタリア52番目の世界遺産に登録された。                                              

写真トップ:パルマノーヴァの防御要塞
登録基準の(B)(iv)とは
(B) 現存しているものやまたは消滅した文化的伝統、文明に関して少なくとも特別な証拠を持っている独特なもの。(ポンペイの遺跡など)
(C) 人類の歴史上重要な時代を例証する、ある様式の建造物、建築物群、技術の集積、または景観などの顕著な例である。 (シチリア西部のヴァル・ディ・ノートや他の町に見られるバロック様式の建築など)

この遺産は、ロンバルディア州のベルガモ(Bergamo)からヴェネト州のペスキエーラ・デル・ガルダ(Peschiera del Gurda), フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア特別自治州のウディーネ県にあるパルマノーヴァ(Palmanova)の3ケ所とクロアチア、モンテネグロにある防御要塞の3ケ所、合計6ケ所であるあ。本稿ではイタリアの3ケ所に絞って紹介する。

写真上左:ベルガモの防御城塞        写真上右:ペスキエーラ・デル・ガルダの防御要塞

1.ベルガモ Bergamo
ベルガモは、現在ロンバルディア州のベルガモ県の県都で人口約12万人の街だが、文化の高い街として知られる。現在町は、「チッタアルタ citta alta (山の手)」と「チッタバッサcitta bassa (下町)」とに分けられている。「チッタアルタ」は、旧市街になっていて、ドゥオーモやサンタ・マリア・マッジョーレ教会などの美しい建物がある。

ベルガモは、1428年にはヴェネツィアの支配下に入り、1796年までその支配は続いた。ベルガモの領主だったバン二・ディ・ボエミアは、旧市街の東側に防御要塞を築いた。ヴェネツィアの支配の第一の特徴が山の手周辺にある城塞の建造(1560-1623)で、これにより「チッタアルタ」と「チッタバッサ」を共に敵から守るものであった。旧市街の外れには、かなり広範囲に渡ってヴェネツィア時代の城塞の跡があり、またサンタゴスティーノ門などのヴェネツィア防御要塞時代の建造物が見られる。

2.ペスキエーラ・デル・ガルダ Peschiera del Gurda
ペスキエーラ・デル・ガルダは、イタリア北部ヴェネト州ヴェローナ県にある、人口約9300人の基礎自治体(コムーネ)。ガルダ湖南端に位置し、ミンチョ川が流れ出す地点にある。ヴェネト州最西端のコムーネであり、ロンバルディア州と境を接している。ミンチョ川の中の島には、オーストリア帝国がロンバルド=ヴェネトを統治していた時代に修築された要塞がある。

市名の由来は、古代ローマの「アリリカ・ピスキリアエ Arilica Pischiriae)と、ローマ時代の大博物学者プリニウスが記している。これは鰻を意味し、街の紋章も鰻を図案化したものになっている。
この町は、1440年フランチェスコ・スフォルツァ(Francesco Sforza)によってヴェネツィア共和国の支配下に入った。1597年グイドバルド・デッラ・ロヴェーレ、ウルビーノ公によって防御壁の建設が始まった。そして16世紀には沢山の軍事的な防御の建設がなされた。ヴェネツィア支配の16世紀に建設されたものは、「ラ・フォルテッツアLa Fortezza」、「外部城塞Fortificazioni esterne」 、「ポルタ・ブレーシャPorta Brescia」 、「ポルタ・ヴェローナPorta Verona」などがある。

3.パルマノーヴァ Palmanova 
イタリア北部フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州は、スロベニア、オーストリアと国境を接する州で、パルマノーヴァは、州内のほぼ中央の平原に位置する。この町は、オーストリア、そして特にトルコの侵入からヴェネツィアを防御する目的で、1593年ヴェネツィアの元老院が町の建設を議決したしたものである。

印象的なのは、まずその街の形で16-17世紀に建築された城壁は、ヴェネツィア式防御要塞の傑作である。城壁の形は正確な9角形の星型。その中央には6角形のグランデ広場が配置され、広場に向かって通りが伸びる様子は空から見るとその形がはっきり見える。今回登録された6カ所の世界遺産の中でヴェネツィアの防御要塞の典型的な形をしているので、最も重要なルネッサンス文化の影響を受けた街といえる。

町の中心にあるグランデ広場の中央にドゥオーモがあり、また街への入り口の門は、アクレイア門、ウディーネ門、チヴィダーレ門の3つがあり、旧市街と接続している。これらは1605年に建築家のスカモッツィが設計した。

街の名前のパルマノーヴァは、ここを要塞化したナポレオンが名付けた。それ以前この町はPalmadaと呼ばれていた。
  


著者プロフィール

牧野宣彦(まきの のぶひこ)

早大卒。1974年旅行会社にて日本初のニューイヤー・スカラ座オペラツァーを企画。その後コンピュータ会社を経て、1998年によりイタリア、ボローニャ在住。フリーのトラベルライターとして、旅行、音楽、グルメ関係の執筆、写真撮影をする。 2003年オーストリアのエリザベート皇妃、2004年ゲーテのイタリア紀行、2005年モーツァルトのイタリア旅行とオーストリア、2006年はイタリアの世界遺産など毎年テーマを決めて写真撮影を行っている。著書「イタリアの歴史的ホテル・レストラン・カフェ」(三修社)、「イタリアオペラツァー」(あんず堂)「イタリアのベストレストラン」(透土社)「音楽と美術の旅、イタリア」(共著、音楽之友社)などがある。
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