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イタリア世界遺産の旅
15 dicembre 2009
パドヴァの植物園
Padova, l'Orto botanico


ヴェネト州 Veneto
パドヴァ県Padova
登録年 1997年
登録基準 文化遺産(U)(V)




文・写真 牧野宣彦

ヴェネツィアから西42キロの地点にあるパドヴァは、大学などがある文化都市でその中の植物園(Orto Botanico)が1997年登録基準(U)(V)で世界文化遺産に登録された。

写真トップ:パドヴァの植物園の珍しい植物
下左:パドヴァのサンタントニオ大聖堂、右:プラトー・デッラ・ヴァッレ

●ジョット、ダンテ、ガリレオゆかりの文化学術都市
ブレンタ川によりアドリア海と結ばれているパドヴァは、紀元前一世紀には、河川貿易と農産物、馬などの売買によってヴェネト州有数の町となり繁栄していた。7世紀にはロンバルト人が侵入し、町は破壊されたが、11世紀から13世紀にかけて"自由都市Wとなり、領主であったカッラーラ家の開放的な統治により経済、文化が絶頂期を迎えた。ボローニャ大学の分校として1222年に創立されたパドヴァ大学は医学、数学、物理などの研究に優れ、地動説を唱えたコペルニクスが学び、ガリレオが教壇に立った。13,14世紀頃イタリア最大の詩人ダンテや画家ジョットなどが招請され、ジョットは、スクロヴェー二礼拝堂に傑作聖母マリアとキリストの生涯を描いた。 

写真左:スクロヴェー二礼拝堂、右:ジョットの青といわれる鮮やかなジョットの絵画

その他パドヴァ出身のルネッサンス期の大画家マンテーニャの作品を所蔵するエレミター二教会、サンタントニオ聖堂などの壮大な建物がこの時代に建設された。内部はティッツィアーノなどヴェネツィア派の偉大な画家たちによって装飾され、初期ルネッサンス期の大彫刻家ドナテッロ作のブロンズ像などもある。またモーツァルトがオルガンを弾いたサンタ・ジュスティーナ聖堂にはヴェロネーゼの描いた祭壇画がある。ゲーテが叙述しているパドヴァにゆかりの偉人たちの像が立ち並ぶプラトー・デッラ・ヴァッレという大きな広場やラジオーネと呼ばれる15世紀の巨大な建造物などパドヴァには沢山の文化遺産があるがこれらの歴史的建造物は不思議な事に世界遺産になっていない。しかし、パドヴァには唯一世界遺産になっているものがあり、それが植物園 (Orto Botanico)である。

写真左右:植物園内

●ヨーロッパ最古の植物園
それではどうしてこの植物園が世界遺産に登録される程貴重かというと、この植物園は1545年にヴェネツィア共和国議会によって設立が許可され、植物学者のフェデリコ・ボナフェーデの構想によりベルガモの建築家アンドレア・モローニが設計、この植物園は同年7月に開園し、ヨーロッパ最古の植物園になった。その後当時の配置を守りつつ、入り口や欄干などの装飾が加えられた。敷地面積は2.19ha。庭園は円形を基調とし、主に4つに区分けされている。この植物園には6000種類の植物が植えられ、その中で一番古い植物は1585年に植えられた椰子の木だという。

写真左:植物園入り口、中:美しい花、右:椰子の木

●ゲーテに大きな刺激を与えた「未知の草木」
この植物について、1786年9月27日パドヴァを訪れたゲーテは、この植物園を見て「それだけに植物園の方は一段と綺麗で生き生きしている。・・・・中略 ・・・・ 未知の草木の間を歩き回るのは嬉しい事だし、有益でもある。見慣れた植物のもとでは、他のとっくに見知っている事物と同様、結局ぼくらは何一つ考える事をしない。思考を伴わぬ観照などは何の意味があろうか?ここでこうして新たな多様な植物に接してみると、あらゆる植物形態は恐らく一つの形態から発展するものであろうという例の思想がいよいよ有力になってくる。」とその印象を述べている。そして彼は1790年に「植物変体論」という本を書くがそれはここの椰子の木を見たからだといわれている。

●ヨーロッパ最初のひまわり開花に成功
この植物園はヨーロッパ最初のひまわりの花の開花に成功、ジャガイモの栽培を初めて行ったなどの偉業がある。現在もパドヴァ大学の学術研究機関として、植物、医学、薬学の研究所として存在価値がある。
私は、何回か夏にここを訪れた事がある。ゲーテが見たといわれる椰子の木も立派な木に成長してみずみずしい緑の葉をつけていた。よく見ると何の変哲もない植物だが、ゲーテがこの椰子の木を見て後彼が書く本の啓示を受けたと思うと私にはひときわ感慨深かった。2007年夏トリエステからボローニャに帰る途中、灼熱の太陽が照りつけるような日だったが、この植物園は、涼しい風が吹き、広場の喧騒から離れて、命が救われる様な気分になった。


データ
Dati

Padova ■交通アクセス
<列車で>
パドヴァへはミラノ−ヴェネツィア間の列車でパドヴァ駅下車。
ミラノから特急で2時間15分程度、急行で約3時間 ヴェネツィアから約30分。

■インファーメーション
パドヴァの植物園
Orto Botanico
via Orto Botanico, 15 -35123 Padova
Tel: 049 8272119 Fax: 049 8272120
e-mail ortobotanico@unipd.it
開園時間
4月―10月  9.00-13.00  15.00-19.00 (毎日)
11月―3月  9.00-13.00  (祝祭日閉園)
入園料  4ユーロ
http://www.ortobotanico.unipd.it/
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