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イタリア世界遺産の旅
15 gennaio 2009
サン・ジミニャーノの歴史的地区
Centro Storico di San Gimignano


トスカーナ州 Toscana
シエナ県 Siena
登録年 1990年
登録基準 文化遺産( i ) (iii) (C)




文・写真 牧野宣彦

トスカーナの塔の町サン・ジミニャーノは、1990年基準(T)(V)(W)で、世界文化遺産に登録された。

●中世の姿を残す塔のある町
現在人口約7000人のサン・ジミニャーノの名前は、398年に亡くなったモデナの司教聖ジミニャーノの名前に由来する。街の発展はフランチェジーナ街道の建設が大きな役割を果たした。13世紀には、この街を通る人たちの為の宿泊所が9つもあったという記録がある。サフランの生産で、商人は潤い、他のイタリア都市やネーデルランドにまでも輸出された。交易で富裕になった人々は競って塔の建設をしたために最盛期には、72本の塔が林立していた。(ただし法律で禁止されていたために街の塔である"ロニョーザの塔Torre della Rognosa"より高い塔はない。 街は1150年にコムーネになり、その後街はペストの流行と内部抗争で衰退し、1353年には、フィレンツェ共和国の支配下に入った。一時はフィレンツェとエナの前線基地となったが、1555年シエナがフィレンツェに降伏し、フランチェジーナ街道も以前程利用されなくなり、街は急速に寂れ、没落した。
写真トップ: サン・ジミニャーノの中心地
写真左:トスカーナの自然の広がるサン・ジミニャーノ、右:塔の立ち並ぶサン・ジミニャーノの町

経済が突如衰退したために、中世の街が無傷で、普遍の姿で残り、現在でも13、14世紀の町並みが見られる。私がこの街を初めて訪れたのは、1990年の12月だった。エンポリまで汽車で行き、その後タクシーでサン・ジミニャーノまで行く事にした。曲がりくねった道の両側には、葡萄畑と農地が点在し、丘陵には枯れ木が見えた。天気がよかったら素晴らしい田園風景が楽しめたのに、その日は冷たい小雨が降っていた。目指すサン・ジミニャーノには、なかなか着かなかった。長旅のせいか少しうとうとした時、運転手がサン・ジミニャーノだと言った。私は慌てて目を開いてみた。すると彼方に小雨にけぶる塔のある町サン・ジミニャーノが、蜃気楼の様に一瞬浮かび上がって見えた。あの時の感動は忘れられない。

●歴史を刻む教会や美術館
その後何度も訪れているが、プラタナスの並木道の間から見えるサン・ジミニャーノが見えるとやはり胸がときめく。この街は7月が最も美しいといわれる。ひまわりが花開く頃で、ひまわり畑の彼方にサン・ジミニャーノが見える時が一番美しいという。周囲の葡萄畑では、ミケランジェロが愛したという白ワイン、ヴェルナッチャ・サン・ジミニャーノの原料となる葡萄が栽培されている。サン・ジミニャーノはポルタ・サン・ジョヴァンニPorta San Giovanni から入る。するとそこはなだらかな坂になっていて、土産物屋、陶磁器の店、ワイン、サラミなど売る店、カフェなどが軒を並べている。10分も歩くとチィステルナ広場Piazza della Cisternaに出る。私はいつもここに来るとアイスクリーム店ピアッツァで、ヴェルナッチャというシャーベットを食べる。ほのかなすっぱさと甘みのバランス、葡萄のみずみずしい香りがあり、最高のアイスクリームだった。この店にはロシアのノーベル賞作家ソリゼッツィニンやブレア英国元首相も来たという。

写真左:空からみたサン・ジミニャーノの街並み、右:ドゥオーモ内部 写真右:サン・ジミニャーノの町

2006年8月ポポロ館Palazzo del Popoloに行き、美術館を見た。ここには2階にダンテの大広間Sala di Danteがあった。ダンテはフィレンツェの外交官としてサン・ジミニャーノを訪れている。又この美術館では、べノッツォ・ゴッツォリの「聖母子」「諸天使と諸聖人」フィリッポ・リッピの「受胎告知」ピントゥリッキオの「聖母の被昇天と諸聖人」などの素晴らしい作品があった。この部屋の一室から1311年に建設されたトッレ・グロッサTorre Grossa(52m)へ上ることができる。天気も晴れていたので、上がってみた。階段は、木製であまり頑丈そうではなかったが、上まで行くと街全体のパノラマが見えた。街を囲むように緑のトスカーナの台地が囲い、素晴らしい風景だった。
写真左:サン・ジミニャーノのチステルナ広場
右:ゴッツォーリがサン・アゴスティーノ教会に描いた聖アゴスティーノの生涯を描いた連作のひとつ

その後すぐ前にあったコレジアータ教会Collegiataに行った。12世紀のロマネスク様式の建物で、15世紀にジュリアーノ・マイアーノによって増築された教会で、外部は修復中だったが、内部にはべノッツォ・ゴッツォーリの「聖セバスティアンの殉教」、ヤコポ・デッラ・クエルチャの木製彫刻、「受胎告知」、ギルランダイヨのフレスコ画などがあり、豪華そのものだった。チステルナ広場から坂を下りて北の方に歩いてゆくとサンタゴスティーノ教会Chiesa di Sant'Agostinoがある。1260年から1298年にかけて建設されたロマネスク=ゴチックスタイルの教会で、ここにはピエーロ・デル・ポッライオーロの傑作「マリアの戴冠」がある。また聖職者祈祷席の壁面にはべノッツォ・ゴッツォーリの描いた「聖アゴスティーノの生涯」があった。これはゴッツォーリがジュスト・ダンドレアの協力を得て描いた作品で、ゴッツォーリの特徴である彩色法の豊かさ、遠近法の才、そして細部へのこだわりを駆使して描いた傑作だとつくづく思う。身廊左手の壁第3壇にもべノッツォ・ゴッツォーリの大フレスコ画「聖セバスティアヌス」がありこちらも劇的な構図で素晴らしかった。

●観光客の殺到に苦慮
サン・ジミニアーノは、年間400万人位の観光客が訪れている。しかも殆どの人は、この町に宿泊せず、バスや車で来る。町はこれらの観光客が塔に登ったり、美術館に行ったりするので、建物の劣化が大きな問題になっている。この小さな町の税収だけではこれらの記念物の修復費用などは足りない。それで最近では観光客の入場を制限しようという意見なども出ているが、それで観光客が激減すると地場産業に大打撃になる。建物の保存のために観光客の制限をするか、このまま放置するのか、大きな問題になっている。


データ
Dati

siena ■サン・ジミニャーノへのアクセス
フィレンツェからは中央駅そばにあるSITA社の市外バスを利用する。シエナ行きバスにのり ポッジポンシPoggibonsiでサン・ジミニャーノ行きに乗り換えとなる。ポッジポンシまでの所用時間は約1時間30分。ポッジポンシからは20分程度。
SITA社サイト http://www.sitabus.it/wps/portal

サン・ジミニャーノ市の公式サイト
http://www.comune.sangimignano.si.it/
■インフォメーション
サン・ジミニャーノ観光案内所(ドゥオーモ広場内)
Ufficio Informazione
Piazza del Duomo, 1
53037 S. Gimignano (SI)
Tel. 0577 940008 - Fax 0577 940903
E-MAIL: prolocsg@tin.it または info@sangimignano.com
http://www.sangimignano.com/

コッレジャータ Collegiata (大聖堂Duomo)
開館時間
4月―10月 月―金9:30−19:30 土 9:30−17:00 日12:30−17:00
11月―1月中旬・3月 月―土 9:30−17:00 日12:30−17:00

ポポロ館 Palazzo del Popolo (市庁舎 Palazzo Comunale)
Piazza del Duomo
絵画館Pinacoteca と塔Torre Grossa
開館時間
3月―10月 9:30−19:00
11月―2月 10:00-17:00
入館料:5ユーロ

サンタゴスティーノ教会 Chiesa di Sant'Agostino
Piazza Sant'Agostino
開館時間
4月―10月 7:00−12:00 15:00−19:00
11月―3月 7:00-12:00 15:00−18:00
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