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イタリア世界遺産の旅
15 luglio 2010
ティボリのハドリアヌス別荘
(ヴィッラ・アドリアーナ)

Villa Adriana (Tivoli)

ラツィオ州 Lazio
ローマ県 Roma
登録年 1999
登録基準 文化遺産(T)(U)(V)




文・写真 牧野宣彦

ローマの東30kの所にあるティボリは、人口約5200人、ティブルティーニ山地の斜面に位置している。この町にある古代ローマ時代の遺構ヴィラ・アドリアーナは、1999年(T)(U)(V)などの基準で世界文化遺産に登録された。
写真トップ:ハドリアヌス別荘の「海上劇場」

●古代ローマのハドリアヌス皇帝
この古代ローマの邸宅は、消滅した文化的伝統の典型的な証拠だと思われる。
ティボリはアニエーネ川が滝になってローマ平野に落ちる高台にあり、古代ローマ時代から美しい自然と快適な気候が知られていた。その為古代ローマ時代に夏のローマの猛暑を避けてサルティウス、カトゥルス、ホラティウスなどの人物が夏をここで過ごした。

この別荘を建設したローマ帝国の第14代皇帝ハドリアヌスについて少し触れよう。プブリウス・アエリウス・ハドリアヌスは、西暦76年1月24日古代でヒスパ二アと呼ばれていたイベリア半島の南部のイタリカに生まれた。第13代皇帝トラヤヌスより23歳年下でトラヤヌスの従兄弟の子供である。若い時から軍団の司令官として頭角をあらわし、前帝トラヤヌスが117年に死去した後、皇帝になり、在位は21年で5賢帝の3番目の皇帝で、ギリシャの文化や詩などにも造詣が深かったといわれる。
写真左:ハドリアヌス帝、右:ハドリアヌス帝が愛したアンティノー

若い時からギリシャ文化全般に深い関心を持っていたハドリアヌスは、皇帝になってからギリシャやローマ帝国全土を視察している。彼の治世は21年だったが、そのうちで彼が本国イタリアにいたのは、トータルで7年位であり、45歳から58歳までの13年間殆どを属州視察の旅をしていた。彼の最大の功績は、メソポタミアからブリタニアにまで至る広大なローマの領土の防衛の整備、官僚制度の確立による統治、ローマ法大全の完成などが上げられるが、現存する古代ローマの唯一の建造物パンテオンの再建がある。パンテオンは、もともとは紀元前1世紀の末にアグリッパが建てた神殿であった。アグリッパの建てた建造物は、木材がかなり使われ、火災などで損傷を受けていたが、それをハドリアヌスが土台から造りなおし、現在見られるドーム型の円屋根を備えた建物にした。
写真左:「カノーポス」、右:ティボリの町 遠景

●ハドリアヌス別荘の歴史
西暦118年旅で惹かれた風景を再現した別荘をティボリに建設した。(しかし着工は西暦123年という説もある。)大体完成したのは134年と言われる。ハドリアヌスがエジプト視察をしていた時、ナイル河を航行中お気に入りのギリシャの美少年アンティノーが、河に落ちて溺死した。その正確な死因は自殺なのか事故なのか謎だが、彼の死を嘆き、女のように女々しく泣いて取り乱して手の施し様がなかったといわれている。彼はアンティノーの死を痛く悲しみ、また病気にも犯され138年に死んだ。アンティノーが死んでから、ハドリアヌスはヴィラ・アドリアーナで彼を回想していたのであろうか?またハドリアヌス以後の皇帝もティボリに赴いたが、別荘はやがて忘れられ、廃墟になった。15世紀から19世紀にかけて探索され内部にあった芸術作品は持ち去られ、個人や公共の所有となった。1870年以降イタリア政府は発掘を行いその全容が明らかになった。
写真左:「玄関の間」、右:大浴場

●古代地中海文化の理想を表現
2006年3月私は初めてこの遺跡を訪れた。ローマのテルミニ駅から汽車でB線に乗り、ポルタ・マモロPorta Mammoroで下り、ティボリ行きの青いバスに乗り、ヴィラ・アドリアーナという駅で下車、そこから約30分歩くとようやく着いた。馬鹿な私は最近まで、皇帝アドリアーノと皇帝ハドリアヌスが同一人物である事がわからなかった。イタリア語の資料を読むとハドリアヌスという文字は出てこないので、府に落ちなかったが、百科辞典で調べようやくわかった。松の林に囲まれた坂道を15分も歩くと、ペチレPecileという高さ9m、長さ90mの石壁が横に広がっていて、そこが遺跡の入り口になっていた。
写真左:「池のある回廊」、右:カノーポスの像

壁をくぐるとそこには美しい池があった。池の畔にある糸杉が水面に影を落としとても涼しげで、白鳥がのんびり泳いでいた。ピアッツァ・ドーロ(黄金広場)は、ハドリアヌスの耽美的気まぐれと言われ、2重の柱廊に囲まれドーリス風の柱が数本立ちとても美しい。海上劇場(テアトロマリティッモ)は、運河によって隔てられた柱廊と中央の建物からなる円形の建造物で、愛する少年の死によって人間嫌いになったハドリアヌスが、一人にきりになるのを好んだ場所だった。

私がこの遺跡で一番素晴らしいと思ったのはカノーポスCanopoで、神殿と庭園に縁取られた運河になっていて、エジプトのカノーポスの風景が復元されているといわれる。水辺にあるCanopo con Cariatidiは、ギリシャの女身像で6体あり、これらもとても素晴らしい彫刻だった。ヴィラ・アドリアーナの面積は300ヘクタールもあり、これは古代地中海の文化の理想を表現した場所と言われ,ルネッサンスの時代には、「古代再発見」に重要な役割を果たし、それ以降の建築家や芸術家に多大な影響を与えた。                                              


データ
Dati

Aquileia ■ティボリへ交通アクセス
地下鉄B線の終点一つ前のポンテ・マンモーロPonte Mammolo駅下車。この駅のバスターミナルからプルマン(中・長距離バス)COTRALでティボリ行きにのり、所要約1時間程度。20分間隔で運行。Villa Adriana下車。

■インフォメーション
ハドリアヌス別荘(ヴィッラ・アドリアーナ)Villa Adriana
Via di Villa Adriana 204, 00019 Tivoli
Tel: 0774 382733

開館時間
開場 閉場
1月 9.00-15.30 17.00
2月 9.00-16.30 18.00
3月 8.30-17.00 17.,30
4月 9.00-17.30 19.00
5月-8月 9.00-16.00 19.30
9月 9.00-17.30 19.00
10月 9.00-17.00 18.30
11月-12月  9.00-15.30 17.00

休園日: 毎週月曜。1月1日、5月1日、12月25日。
入場料: 6.5ユーロ 
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