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イタリア世界遺産の旅
15 giugno 2010
ティボリのエステ家別荘
Villa d'Este (Tivoli)

ラツィオ州 Lazio
ローマ県 Roma
登録年 2001
登録基準 文化遺産(T)(U)(V)(W)(Y)




文・写真 牧野宣彦

ローマの郊外東30kにあるティブルティー二の西斜面に位置する風光明媚なティボリでは、16世紀以降この地に貴族の別荘が建てられたがその代表的なものがエステ荘で、登録基準(T)(U)(V)(W)(Y)で世界文化遺産に2001年登録された。                  
写真トップ:エステ荘の「オルガンの噴水」(上)と「ネプチューンの噴水」(下)

●エステ荘の歴史
歴史を紐とくと1550年フランス王フランソワ1世によって、高位の地位につけてもらった枢機卿イッポリート・デステは、その息子アンリ2世の治世になり失脚し、ティボリに隠遁し、ベネディクト会修道院の建物が建っていた場所に別荘を建てることにした。イッポリート・デステは、その建物の建設をナポリの建築家ピルロ・リゴーリオに依頼した。建物は16世紀のローマ派の画家達リヴィオ・アグレスティ、フェデリーコ・ツッカリ、ジェロラモ・ムツィアーノらによってフレスコ画で装飾され、その作風はマニエリズム風の官能的な優雅な空間を造り上げた。広大な庭には,アニエーネ川の水を利用した噴水が500以上もある。かっての修道院の開廊に入り、精巧な装飾が見られる大広間を通って行くと、庭とティボリの眺望が一望に見渡せるテラスに出る。

写真左:「ネプチューンの噴水」から池を眺める、右:ティボリ市パノラマ

ゲーテは1787年6月16日の手記でティボリを訪れた事を書いているので、もちろんこのエステ荘の噴水も見たであろう。しかしイタリア紀行に書かれている噴水はこのエステ荘の噴水ではなく、町の北側に位置するヴィッラ・グレゴリアーナVilla Gregorianaから見えるアニエーネの大瀑布のことである。教皇レオーネ12世、ついで教皇グレゴリオ16世によって再建された広大な庭には、アニエーネ川が流れ、樹木が生い茂り、100mを超える大滝が見られる。

写真左:「百の泉の小道」、中:池、右:「豊穣の女神の噴水」

●広大な庭に500以上の美しい噴水
私が最初にエステ荘を訪れたのは、旅行会社に入り、初めて添乗員をした1974年の8月だった。その時は、30名の学生達と夜のティボリを訪ずれた。テラスのすぐ下に大きな貝の形をした噴水が水しぶきを上げていたが、それがベルニーニのデザインしたビッキエローネの噴水fontana del Bicchieroneだった。左の方角を歩くとローマの噴水、別名ロメッタの噴水fontana di Romettaがある。この噴水はミニチュアの建物で、古代ローマの街を再現している。そこを少し行くと百の泉の小道Viale delle Cento fontaneが見えた。山、3本の川を彫刻で表現し,周囲の緑と調和したとても美しい噴水だった。2段になっている小さい噴水と彫刻が横に広がり、噴水に光があたって浮き上がって見えた水しぶきは素晴らしいもので、闇の中に光る噴水の美しさは格別で昼間にはない味があった。

写真左:「楕円の噴水」、右:「楕円の噴水」を上から眺める

その後2回訪れたが、最初の時の印象が一番強い。百の泉の小道を真っ直ぐ歩いて行くと突き当たりにピルロ・リゴーリオの造った楕円の噴水fontana dell'Ovatoがある。この噴水は、私の一番好きな噴水で別名ティボリの噴水ともいう。この噴水の写真を撮ろうとしたら2人の若いカップルが噴水の前でキスを始めた。こちらがいらいらしながらカメラを向けているのにお構いなしで、少し待っていたが終わりそうもないので、気がひけたが注意してどいてもらった。あまりに美しい噴水だったので他人がいる事など忘れて忘我の境地に入っていたのかもしれない。その隣にある大きい噴水がオルガンの噴水fontana dell'Organoで、1568年に建設に着手、1611年に完成した。壮大なバロック様式の建築で、落下する水はかって完全自動演奏の水力式オルガンの動力になっていて上部の中央の頂上には鷲の彫刻があり、その下には4体の女性の裸体像が並びとても優美だった。前は細長い大きな養魚場になっていて、そして吹き上げる水は勢いがあり、壮大なケルンの大聖堂を思い出した。この庭園はルネッサンス庭園の傑作と言われ、後のヨーロッパの庭園設計に多大な影響を与えただけでなく、後世の芸術家にも創作的なインスピレーションを与えた。

写真:エステ荘の美しい花や木

●リストの晩年の傑作「エステ荘の噴水」
ハンガリーの作曲家フランツ・リストは哀歌「エステ荘の糸杉に寄せて」、「エステ荘の噴水」などの曲を作曲している。1861年リストはワイマールを去り、彼は1847年にキエフで知りあったザイン・ヴィトゲンシュタイン公爵夫人との結婚を望みローマに来た。しかしローマ法王が彼女の離婚を宣告する事を拒絶したために結婚への希望が消え彼は1865年に下級聖品の僧職につく。「エステ荘の噴水」は、1877年に作曲された晩年のリストの有名な作品で、彼の優れた作曲技法と清らかな水の流れる状況が豊かに表現された傑作で、ラヴェルの「水の戯れ」ドビッシーの「映像:第一集「水に映える影」などの印象派の絵画を思わせる音楽に多大な影響を与えたといわわれる。                           


データ
Dati

Aquileia ■ティボリへ交通アクセス
地下鉄B線の終点一つ前のポンテ・マンモーロPonte Mammolo駅下車。この駅のバスターミナルからプルマン(中・長距離バス)COTRALでティボリ行きにのり、所要約1時間程度。20分間隔で運行。デステ荘には、終点一つ手前ラルゴ・ナツオーニ・ウニテLargo Nazioni Unite下車。

■インフォメーション
エステ別荘 Villa D'Este
Piazza Trento 1, 00019 Tivoli
Tel: 0774 332920  Fax: 0774 335850
E-mail: info@villadestetivoli.info
URL: http://www.villadestetivoli.info/

開館時間
開場 閉場
1月 8,30-16,00 17,00
2月 8,30-16,30 17,30
3月 8,30-17,15 18,15
4月 8,30-18,30 19,30
5月-8月 8,30-18,45 19,45
9月 8,30-18,15 19,15
10月 8,30-17,30 18,30
11月-12月  8,30-16,00 17,00

休園日: 毎週月曜。1月1日、5月1日、12月25日。
入場料: 10ユーロ (2010年5月27日ー10月31日)
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