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イタリア世界遺産の旅
15 gennaio 2010
ヴェローナ市
Citta' di Verona

ヴェネト州 Veneto
ヴェローナ県Verona
登録年 2000年
登録基準 文化遺産(U)(W)




文・写真 牧野宣彦

シェクスピアの名作「ロミオとジュリエット」の舞台となったヴェローナ、イタリア最大の夏の音楽祭が開催され賑わうヴェローナは、イタリアでも最も魅力ある街の一つだが、登録基準(U)(W)などで、2000年世界文化遺産に登録された。

写真トップ:ン・ピエトロ城から見たヴェローナ
下左:ヴェローナ市内を流れるアディジェ川、右:ヴェローナのジュスティジャルディーノ

●ヴェローナの歴史
ローマ時代からミラノ、ヴェネツィア間の幹線道路の要衝として栄えたヴェローナは、紀元前1世紀中ごろにはローマ帝国の中に組み込まれ、発展し、その後ロンバルト族、フランク族などに一時支配された。中世の時代476年にオドアケルの後を支配した東ゴート族の王テオドリックは、ヴェローナを愛し、自らもこの町に滞在して、ゲルマン人によって破壊された城壁を修復した。その後ヴェローナは1136年コムーネ(自治都市)になり発展した。13世紀以降皇帝とローマ教皇との争いでは、ヴェローナは、皇帝派(ギベリン)として、行動していた。

この時代ヴェローナでは、スカリジェリ家、ヴィスコンティ家、パドヴァのカッラーラ家などの支配層が激しく対立し、シェクスピアの「ロミオとジュリエット」もこの時代の家と家との対立を描いたものであり、フィレンツェを追放されたダンテもヴェローナに一時逗留していた。その後ヴェローナは1405年にヴェネツィアの支配下に入り、商業、文化都市として発展した。ヴェローナの市内にはヴェローナがヴェネツィア共和国の一員だった事を示すヴェネツィアの共和国の象徴であるライオンの像が至る所に見られる。
1797年ナポレオン・ボナパルトがヴェネツィア共和国を制圧したが、ヴェローナは一時フランス軍の支配下に入り、その後オーストリア領になり、1866年にイタリア王国に編入された。

写真左:円形闘技場(アレーナ)、右:ヴェローナ中心部にあるエルベ広場

●ヴェローナの見所
ヴェローナは見所が多いが私の一番好きな場所は、サン・ピエトロ城、ここのテラスから蛇行するアディジェ川の両岸に展開する中世の街ヴェローナの全貌が見える。赤いレンガのローマ時代に造られたピエトロ橋、サンタナスタシア教会の高い鐘楼など何度見てみてもその美しさに飽きる事はない程壮大な景観だ。

街で最大の記念物はローマ時代に建設された円形闘技場アレーナArena、これは、ローマのコロッセオ、カプアの円形闘技場に次いで、イタリアでは3番目の規模を誇り、1913年からここで、6月中旬から8月末まで野外オペラが上演される。1786年9月ヴェローナを訪れたゲーテは円形闘技場について次のように書いている。「円形劇場は、古代の重要記念物のうち、僕の見る最初のものであり、それは実によく保存されている。」ゲーテが見た円形劇場は、人がいない閑散としたものだったが、ゲーテは、円形劇場は「それは空っぽの所を見るべきものでない。」と述べている。現在夏に行われているオペラ上演では22000人収容の劇場がいっぱいになる。ゲーテがこれを見たらどんな感想を述べたであろうか? 興味はつきない。

写真左:サンタスシア教会の高い鐘楼、中:ジュリエッタ像、右:サン・ゼノ・マッジョーレ教会

その他ロミオとジュリエットの家Casa di Giulietta、墓、マンテーニャの描いた三幅対祭壇画「聖母と諸聖人」のあるロマネスク様式のサン・ゼノ・マッジョーレ聖堂Chiesa San Zeno Maggiore、ティントレットやヴェロネーゼの絵画があるサン・ジョルジョ・イン・ブライダ教会、11,12世紀頃に建設され、カロートの祭壇画などがあるサン・フェルモ・マッジョーレ教会、中世に建設されたカステル・ヴェッキオCastelvecchio、モーツァルトが1770年1月に弾いたオルガンのあるサン・トンマーソ教会、14世紀から18世紀のヴェネト派、ヴェローナ派の絵画を展示する市立美術館など見所は多い。

●素晴らしい夏の音楽祭
私にとってヴェローナはやはり夏の音楽祭の行われる場所である。1978年に最初にヴェローナを訪れた時見たオペラが「メフィトーフェレ」で、それ以来通算30本は見ているだろう。ヴェローナといえばアイーダ、このエジプトのスエズ運河開通記念のために作曲されたヴェルディのオペラは、ヴェローナにおいて上演が完成されたといっても過言ではない。壮大な古代ローマの円形劇場の舞台を使って繰り広げられるエジプトの物語は豪華絢爛なスペクタクルで、ヴェローナにおいて完璧な舞台を作り出した。2010年上演が予定されている演出は、フランコ・ゼッフィレッリの演出で、その第2幕凱旋の場の華やかなバレエ、豪華な舞台は素晴らしいもので、グランドオペラの醍醐味を存分に味わえる。
写真左:ゼッフィレッリ演出のオペラ「アイーダ」、右:ヴェローナの美しい夜景

ヴェローナの音楽祭が始まったのは、1913年、ヴェローナ出身の名テノールジョヴァン二・ザナテッロと興行師オットー・ロヴァートらが参画し、20世紀の名指揮者トゥリオ・セラフィンによって始まった。この時イタリアを代表する音楽家プッチーニ、ザンドーナイ、マスカー二などが参列し上演されたのが「アイーダ」だった。それ以来「アイーダ」はヴェローナの最大の呼び物になっている。私はヴェローナで恐らく「アイーダ」だけでも10回以上は見ていると思う。

しかし私がヴェローナで一番印象に残っている公演は1995年に見た「ナブッコ」だった。この日主役のナブッコを歌ったのが、現在最も活躍しているバリトン歌手レオ・ヌッチ、勿論オペラの上演そのものも素晴らしかったが、この日はレオ・ヌッチがナブッコを生涯に歌った50回目の記念の日だった。オペラ終了後ピアノがステージに運び込まれレオ・ヌッチが観客に感謝の挨拶をし、彼がナポリ民謡の「夜の声」や「帰れソレント」などの曲を歌ってくれた。私の人生においてオペラ終了後この様な形でカンツォーネが歌われたのは、初めてだった。私はレオ・ヌッチの優しい人柄がにじみ出ているような歌声に聞きいりながら円形劇場全体に声が静かに響いているのを見て、自分が生涯忘れられない瞬間にいる幸福を感じた。

●中世の趣のある美しい景観
ヴェローナは、町自体が中世の趣のある美しい景観、また多くの人が訪れるので、設備の整ったホテルが多い。またソアーヴェやアマローネなどのワインの産地にも近く、それらを飲ませる素晴らしいカンティナ、また多くの観光客の胃袋を満足させる美味しい料理が味わえるレストランも多い。

シェクスピアはヴェローナについてロミオに言わせている。追放されたロミオは、ジュリエットへの思いとヴェローナを「ヴェローナの城壁の外に世界は存在せず」と語っている。ヴェローナは旅行者にとっても完璧な完成された世界だと思うので、私にはロミオの言葉がよく理解できる。


データ
Dati

Verona ■交通アクセス
<列車で>
ヴェローナへはミラノ−ヴェネツィア間の列車でヴェローナ駅下車。
ミラノから、ヴェネツィアから特急で1時間半程度。

■インフォメーション
観光情報案内所 Uffici Informazioni e Accoglienza (IAT)
Piazza Bra'(ブラ広場):
Tel: 045.8068680 Fax :045.8003638
国鉄駅内(P.zza XXV Aprile)
Email :iatverona@provincia.vr.it

■ヴェローナ県観光公式サイト
http://www.tourism.verona.it
http://www.japanitalytravel.com
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