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イタリア世界遺産の旅
15 marzo 2008
ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方の
パッラーディオ様式の邸宅群

Vicenza e le Ville del Palladio nel Veneto

ヴェネト州 Veneto
ヴィチェンツァ県 Vicenza 他5県
登録年 1994年、1996年
登録基準 文化遺産(i)(ii)




文・写真 牧野宣彦

ヴェネト州のパドヴァとヴェローナの中間に位置する人口約11万人のヴィチェンツァ。"パッラーディオの町"と呼ばれるヴィチェンツァの旧市街と、その郊外にあるパッラーディオ様式の23の邸宅は1994年、世界文化遺産に登録された。1996年には、州内の他の5つの県内にある16の建築も追加された。

●ヴィチェンツァの歴史
ヴェネト州内でも古い町だったヴィチェンツァは、古代ヴェネトのエウガネイと呼ばれる人々によって築かれた。名前は村落を意味する「ヴィクスVicus」に由来し、その後「ヴィチェティアVicetia」と呼ばれる。紀元前49年にはパドヴァと共にローマ帝国の都市として認められ、紀元157年頃までローマ人が支配した。
現在のヴィチェンツァが出来たのは、12世紀のことである。しかし、12世紀から14世紀にかけてのヴィチェンツァは、ヴェローナとパドヴァ間の戦乱に巻き込まれ、コムーネの自治は長くは続かなかった。そして、1404年にヴェネツィアの支配下に入る。

15世紀中葉から16世紀後半のルネッサンス時代、ヴィチェンツァでは、公共建築や一般の館の建築革新が起こった。当時の富裕な貴族や文化人に支えられたパドヴァ出身の建築家アンドレア・パッラーディオ(1508〜1580)とその弟子たちによって、ヴィチェンツァの旧市街、郊外、またヴェネト州の他の町に、壮麗な宮殿や邸宅、教会が建てられたのだ。
パッラーディオは、古代ローマ建築に美しさを見いだし、彼独自の古典主義様式を確立したことで知られる。このパッラーディオ様式と呼ばれる建築は、その後、ヨーロッパ諸国や北米の建築に多大な影響を与えた。

ヴィチェンツァは、18世紀後半ナポレオンの侵入を受け、1813年にオーストリアの支配下に入る。そして、1866年にイタリア王国に編入された。現在この町は、イタリア北東部の有力な経済都市として発展している。

写真トップ:パッラーディオの作品のひとつ、ヴィッラ・ヴァルマナーラ
下左:ゲーテも絶賛した"ラ・ロトンダ"、右:テアトロ・オリンピコの舞台

●ゲーテも心酔したパッラーディオ
2002年9月、モンテ・ベッルーナからタクシーでアーゾロへ行く途中、美しい邸宅が見えた。聞いてみるとヴィッラ・バルバロVilla Barbaroと言って、パッラーディオの建築だという。
翌日の午後、さっそくタクシーで行ってみた。広大な庭には黒馬が放牧されていて、たてがみが黄金の夕日に輝いていた。
このヴィラは、1549年から1558年にパッラーディオがアクイレイアの総大司教だったダニエレ・バルバロのために建てたものだ。内部は美しいフレスコ画で飾られている。部屋に入る際、靴の上に大きなスリッパを履いて入った。

ゲーテがパッラーディオの建築の讃美者だった事はよく知られている。彼はパッラーディオについて「彼は、真に内面的に偉大な、そして内部から偉大さを発揮した人間であった。」と述べている。
ゲーテはパッラーディオの建築の中に、詩人としての自分自身の投影を見ていたと言われる程に、パッラーディオに心酔していた。実際、彼は短いイタリア滞在の中で、テアトロ・オリンピコ、ラ・ロトンダ、バジリカなどについて、詳細に記述している。

●素晴らしい建築の数々
2004年夏、ヴェローナの夏の音楽祭に行った時にヴィチェンツァの町を訪れた。インフォメーションでパッラーディオの建築が記されている地図をもらい、すぐラ・ロトンダLa Rotondaに向かった。
1556年に建築が始まったこのヴィッラは、町の中心から少し離れ、周囲の自然が堪能できる美しい場所にある。
入口から庭の彼方に見える建物は、ゲーテが絶賛しているようにとても美しい。内部はルイジ・ドリーニーという画家の描いたフレスコ画で装飾されていた。屋根の下のサロンが円形であるためにラ・ロトンダ(円形)といわれる。

次に、ヴィチェンツァ市内にあるテアトロ・オリンピコTeatro Olimpicoを訪れた。この劇場はパッラーディオ最後の作品だ。実は、彼は劇場を未完成のまま1580年に亡くなったため、息子のシッラが1582年から1583年に完成させた。そして、1585年、ギリシャの古典劇ソフォクレスの「オイディプス王」で開場した。

古代の典型的な劇場の形態をとっており、劇場内に入ると古代ローマの野外劇場にいるような不思議な気分に陥る。古代テーベの7つの通りを描いたといわれる舞台は、遠近法が駆使され、実際よりも奥行きが深く感じられる。
この劇場は、以降、イタリアで建設された劇場の規範になった記念碑的作品だ。舞台には95の彫像が置かれ、天井の下壁に描かれた青い空の絵が美しかった。
写真左:パラッツォ・キエリカーティ、右:ヴェネツィアのサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会

私は、テアトロ・オリンピコの前にあるパラッツォ・キエリカーティPalazzo Chiericatiも素晴らしい建築だと思う。特にファサード、建物の上に並ぶ彫像が最高に美しい。

この日は地図を頼りにヴィチェンツァの町を歩き、町の中心広場にある旧市庁舎のバジリカBasilica、その前に建つロッジア・デル・カピタニアートLoggia del Capitaniato、バルバラン宮殿Palazzo Porto Barbaranといったパッラーディオの建築を見た。いずれも世界遺産に相応しい素晴らしいものだった。

ヴェネツィアにもパッラーディオの建築が残っている。イル・レデントーレ教会Il Redentore、サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会San Giorgio Maggioreなどである。
これらも訪れたが、ヴェネツィアの中でも一際光る建築だった。レデントーレ教会は後ろのドームが印象的だし、サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会は丸いドームと高い塔のバランスがいい。サン・マルコ小広場から海上に浮かぶサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会の美しい姿は、何度見てもカメラを向けたくなるほど素晴らしい。


データ
Dati

Vicenza ■ヴィチェンツァへのアクセス
電車でのアクセスが便利。ヴィチェンツァ駅まではミラノ中央駅からユーロスターで約1時間50分。インターシティーで2時間15分。ヴェネツィア・サンタ・ルチア駅からユーロスターで45分。インターシティーで50分。レジョナーレで約1時間。また、パドヴァやヴェローナからは20分。
駅から町の中心地までは1キロほど離れており、市内バスが多くでている。また、歩くこともできる。

■ツーリストインフォメーション
Informazioni e Accoglienza Turistica
Piazza Matteotti 12 (テアトロ・オリンピコそば)
Tel: 0444-320854
Piazza dei Signori 8 (バジリカのある市の中心広場)
Tel: 0444-544122
サイト http://www.vicenzae.org

■その他
ラ・ロトンダ La Rotonda (Villa Capra Valmarana)
Via della Rotonda 45
Tel: 0444-321793
開: 3月15日〜11月4日の火〜日 10:00-12:00/15:00-18:00 ただし、内部見学は水曜のみ。
(水曜日以外に内部を見学したい場合、電話で事前に問い合わせること。なお、オープンする日は年によって変わり得るので注意。2008年は3月15日から。)
料金: 外観・庭園見学 5ユーロ、内部見学 10ユーロ
ヴィチェンツァ中心地より徒歩で約15分。バス利用の場合はヴィチェンツァ駅から8番、13番で。

テアトロ・オリンピコ Teatro Olimpico
Piazza Matteotti 11
Tel: 0444-222800
開: 火〜日 9:00-17:00、7月と8月は9:00-19:00。月休み
料金: 8ユーロ(テアトロ・オリンピコ、パラッツォ・キエリカーティ内の市立美術館などとの共通券)
http://www.comune.vicenza.it/vicenza/teatroolimpico.php

パラッツォ・キエリカーティ Palazzo Chiericati (館内は市立美術館)
Piazza Matteotti
Tel: 0444-321348, 0444-325071
開: 火〜日 9:00-17:00、7月と8月は9:00-19:00。月休み

また、今年はパッラーディオの生誕500周年にあたり、各種イベントが企画されています。 http://www.palladio2008.infoもご覧ください。
同サイト内に、ユネスコ世界遺産に登録されたパッラーディオ様式の建築物がすべて掲載されています。http://www.palladio2008.info/html/palladio/listaOpere.php?idCat=0
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