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シチリアの祭りを訪ねる旅
15 Luglio 2018

第 10 回
チェルダの
「カルチョーフィ(アーティチョーク)」祭り   



  文と写真  桜田香織 


●種類も調理法も豊富な野菜「カルチョーフィ」
日本におけるイタリア料理の人気はすっかりと定着していて、しかもかなり本格的なレストランの数も計り知れず、珍しい食材もどんどん取り入れられています。日本のように「お取り寄せ」などというものが存在しないイタリア、私の住んでいるシチリアでは手に入らない北イタリアの食材が日本には普通に輸入されていたりして驚きます。  

写真トップ@「カルチョーフィ」祭り のメインストリートに並ぶ数々の料理
写真下左A「カルチョーフィ」祭りのポスター   写真下右Bカルチョーフィ

それでも日本でなかなかお目に掛かれないのがアーティチョークだとか。イタリア語では「カルチョーフィ」(複数形)と呼ばれます。私の友人にはアーティチョーク大好き人間が多いのですが、皆「日本では滅多に食べられない」とこぼしています。イタリアでは北から南までごく普通に食卓に上がる野菜、種類も豊富で調理法も様々なので、我が家でもシーズン中は(シチリアでは12月初頭から4月下旬頃まで)週に3回位は食卓に登るほど重宝している食材です。その「カルチョーフィ(アーティチョーク)祭り La Sagra del Carciofo」が毎年4月25日、チェルダ(Cerda)という町で行われます。    

写真下左Cチェルダの町の風景    写真下右D町の中心の広場には巨大なアーティチョークのオブジェがそびえ立つ

●今年37回目のお祭りには一日2万5千人の人が
パレルモから約60Km、人口約5,400人、町自体はとても小さくいわゆる「イタリアの小さな村」という感じですがテリトリーは広く、そのほとんどが農業、厳密にはアーティチョークとカリフラワーの栽培に使われており、パレルモ市内の市場や八百屋で売られている物はほとんどがチェルダ産です。今年37回目となったこのお祭りに足を運びました。  

写真下EF朝9時頃、まだ始まっていないが準備は万端

   
現地に住む友人から「早くこないと車を停める場所もなくなるよ」と言われたので、9時には到着。なんとなくまだ準備中という雰囲気もありましたが、住民のやる気満々の意気込みは伝わってきます。何せ今日1日で約2万5千人もの人が訪れるのだと、本当かしらと思わず疑ってしまいます、だって町の人口の5倍もの数ですから。

  写真下左Gレストランでも既に準備が始まっていた     写真下右Hチケット売り場もまだクローズ

●メインストリートには美味しそうな食べ物屋の売店がズラリ
一本しかないメインストリートにはズラッと売店が並びますが、通常の村祭りと違うのはとにかく食べ物屋が多いことです。普通甘い物、チーズやサラミといった土地の特産物(これはその場で食べるのではなく、お土産用)が並びますがチェルダは違います、それだけではありません。カルチョーフィはもちろんですが、揚げ物、焼き物、とにかくどれもこれも味見してみたくなる美味しそうな物が山ほど。さてどこから攻めましょうか。   

写真下IJメインストリートに並ぶ数々のカルチョーフィ料理

●「カルチョーフィ」どこで食べるか選択肢は3つ
この日カルチョーフィをどこで食べるかというと、選択肢は3つです。
1:メインストリートを歩きながら、気に入った物を買い食いする方法。
2:お役所が管理する「お味見チケット」を購入して、決まった所でお皿を受け取り食べる方法。
3:レストランへ行くという方法。

それぞれにメリット、デメリットがあります。一番安いのはお役所の「お味見チケット」購入(前菜とパスタで3ユーロ、グラスワイン1ユーロ)ですが、とにかくチケットを買うにもお皿を受け取るにも長蛇の列に耐えなくてはいけません。   

写真下左Kお役所が管理するチケットを買うと食べることのできる前菜   写真下右L同じくパスタ、ちょっとアーティチョークが少ない気がする・・・   

買い食いは楽しいけれど立ち食いか道端に座るかの選択で、不便ではあります。レストランはきちんと座って、この日の為に用意された「アーティチョーク尽くし」のメニューを楽しめますが、お祭り気分はあまり味わえない。どこのレストランでも前菜、プリモ、セコンド、ドルチェにワインとお水が付いて30ユーロくらいです。  

  写真下左Mアーティチョークを使ったシチリア風ピッツァ、トマト入りとなしの2種類。厚めの生地で「スフィンチョーネ」と呼ばれるピッツァ    写真下右N衣を付けて揚げた、いわゆる天ぷら風

●私はやっぱり「立ち食い派」
皆さんならどれを選ぶでしょうか?因みに私は「立ち食い派」です。昼近くになるともう人混みが凄くて、歩くのも困難になってきます。  

写真下左Oあちこちでこのように炭火焼している。一回で150個も焼けるとか  チェルダ産のアーティチョークはトゲ付き
写真下右Pあちこちでモクモクと煙が上がる

焼き物も多いのであちこち煙がモクモク、自分も燻されているような気分になってきました。その間を楽団が演奏したり、民族衣装を着た人達が歩いたり、馬車が通ったりと、口一杯に食べ物を頬張りながらも気を抜くことは出来ません。  

写真下左Q煙モクモクの細いメインストリートを馬車が通る    写真下右R楽隊も通る

3日間参加するのは結構ハードでありますが、この時期にシチリア滞在なさる方はほんの一部でもご覧になると楽しいと思います。

長年シチリアに住んでいる私でも「こんな調理方法があったのか!」と思わせる料理があったり、楽しくメインストリートを何往復もしてしまいました。途中で自宅の前でアーティチョークのグリルをしていたシニョーラが「味見しなさい、私のは売っているのよりずっと美味しいから」と、分けてくださったりして、やっぱり道端が一番楽しいかな?

●レストランのメニューもすべて「カルチョーフィ」中心に
一体何千個のアーティチョークが消費されたのでしょうか?イエイエきっと何万個でしょうね。しかも私が参加したのは昼の部、午後しばらく人が少なくなる時間帯がありますが夕方から徐々に夜の部が始まるわけで、更に人が集まって来るのでしょう。  

写真下左Sチケット売り場も料理をゲットするのも長蛇の列    写真下右(21)食べる人達

チェルダはシーズン中、どこのレストランでもメニューが全てアーティチョークを中心に回ります。週末はどこのレストランも満席、近郊の町や(勿論パレルモからも)村からアーティチョークを食べに人が押し寄せるのです。  

写真下(22)食べ方は丸焦げになったアーティチョークの皮を剥きながら、柔らかいところが出てきたら歯でこすりな がら食べていく。 真ん中はホクホクになっている。写真は残骸の皮の部分。

シーズンも終わりに近い4月25日、まだまだ飽きることなくこの野菜を求めるシチリアの人達。それだけこのお祭りには定評があるということなのでしょうね。この日気温はどんどん上昇し、煙もどんどん上昇し、立ち食いを続けた私の幸せ度も上昇を続けて、この町を後にしました。


著者プロフィール
桜田香織(Sakurada Kaori)

東京都出身。日本航空の国際線客室乗務員として勤務していた頃からイタリアに魅せられ、「いつかイタリアへ・・・」と夢見ながらイタリア語を学ぶ。休職して渡伊、フィレンツェに8年住んだ後縁があってシチリア島へ移り、パレルモ在住。通訳、TVコーディネーターをするかたわら趣味の写真にも力を入れ、2013年にはパレルモ市のイベントで写真展を実現。夫と連名で出版した「Settimana Santa in Sicilia-Cerca di Collesano」(シチリアのイースター週間・コッレザーノの聖金曜日)でも写真を手掛ける。シチリアの料理に深い関心を持ち、レシピだけではなくその歴史のリサーチを続けている。2014年度、NHK TVイタリア語テキストに連載を持ち、シチリアの魅力を伝えている。

シチリアの祭りを訪ねる旅 データ
Dati
■チェルダ
(パレルモ県 チェルダ市 Comune di Cerda)

■チェルダのカルチョーフィ祭り
Sagra del Carciofo a Cerda
https://www.siciliainfesta.com/sagre/sagra_del_carciofo_cerda.htm

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