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短歌で綴るイタリアの旅 
15 Settembre 2020
Italia, Viaggio scritto in Tanka :Visite delle chiese romanesche di tre regioni

ラッツオ、モリーゼ、アブルッツオ州のロマネスク教会巡り        
第2回  モリーゼからアブルッツオへ           

         

岩間 正子


岩間正子さんの「短歌で綴るイタリアの旅」、今回はラッツオ、モリーゼ、アブルッツオ州のロマネスク教会巡りのお便りが届きました。 2019年10月1日から10月10日までティボリからカッシーノ、ラクイラを経てアルバ・フチェンスを訪れる旅です。

写真トップ:モリーゼ州ペトレッラ・ティフェルニナのマルティーレ教会のタンパンの「ヨナの物語」

<10月3日 モリーゼ゙州サン・ヴィンチェンツオ・アル・ヴォルトウルノ → ロケッタ・アル・ヴォルトルノ → カンポバッソ泊>
1.モリーゼ州   サン・ヴィンチェンツオ・アル・ヴォルトウルノ修道院遺跡

・広大な 修道院の 遺跡保存 ヴォルトウルノ川 近くを流る
・クリプタは サラセン人の 破壊免れ 9世紀頃の フレスコ画遺る
・回廊の いくつかのアーチ 12世紀の 健在今も 美観を保つ
・このアーチ 額縁に見立て 向う側 20世紀の 教会臨む

写真下:ABサン・ヴィンチェンツオ・アル・ヴォルトウルノ修道院遺跡  
写真下左:C同修道院クリブタのフレスコ画   写真下右:Dアーチから20世紀再建の同修道院を臨む

<ロケッタ・アル・ヴォルトゥルノ  サンタ・マリア・デレ・グロッテ教会>
・砂利道を 降るとそこに 聖堂が 鍵番の人 あけてくれたり 
・13世紀 マリアに捧ぐ 小聖堂 十字ヴォールト 美しく納め
・かすれてる それでも遺る フレスコ画 保存に意味を 見出す我ら

写真下左:Eロケッタ・アル・ヴォルトゥルノにあるサンタ・マリア・デレ・グロッテ教会への降り道
写真下右:F同教会の鍵番の方と入口
写真下左:G教会の壁のフレスコ画   写真下右:Hサンタ・マリア・デッレ・グロッテ教会全景

モリーゼ州は1963年にアブルッツオ州から独立したアドリア海に面した小さな州だ。宿泊したカンポバッソという街の名は聞いたがことがあったが訪れた事はなかった。そのカンポバッソから 更に内陸に入り自然公園の中にある修道院遺跡に向かった。

<サン・ヴィンチェンツオ・アル・ヴォルトォルノ修道院遺跡>
「サン・ヴィンチェンツオ・アル・ヴォルトォルノ修道院Abbazia di San Vincenzo al Volturno」は、8世紀、ベネディクト会修道士による創建、9つの教会を持つ大修道院だった。9世紀のサラセン人の襲撃、更に1349年に起きた地震の影響で衰退し、現在は建物の基礎部分のみ覆いをかけられて大切に保存されている。地下のクリプタだけは無事だったそうで、そこの9世紀のフレスコ画は遺っていて見学できた。さらにこの近くに大きな回廊があったらしく、その12世紀のアーチが遺っていた。ごつごつした石造りのなんとも美しい心惹かれる風景だった。 

写真下:I12世紀のアーチ

<ロケッタ・アル・ヴォルトルノ  サンタ・マリア・デッレ・グロッテ教会>
ロケッタ・アル・ヴォルトルノRocchetta a Volturnoにある自然公園の中を案内人の車に先導されて・・・それ程わかりにくい所にあるこの「サンタ・マリア・デッレ・グロッテ教会Santa Maria delle Grotte」へ向かった。バスをおりて歩き出したが、砂利のくだり坂で道とは言えない程人が通らなさそうな道だ。

その先に、この小さい13世紀の教会はあった。巡礼者や羊飼いたちの休憩場所としても使われていたのだと言う。ガラスの床面から覗くと地下には旧教会の基礎部分がみえた。小さい教会の壁には受胎告知を初めたくさんのフレスコ画が描かれていて、かなり剥がれ落ちながらもキリストを伝えている。

<10月4日 カンポバッソ → ペトレッラ・ティフェルニナ → テルモリ → アブルッツオ州 フォッサチェージア → ラクイラ泊>
2.ペトレッラ・ティフェルニナ  サン・ジョルジョ・マルティーレ教会
・人口が 1000人の町 朝市は 人々の為 生活用品
・聖堂の モニュメントが 噴水に 街の宝か ロマネスク教会  

写真下:Jペトレッラ・ティフェルニナのサン・ジョルジョ・マルティーレ教会

・聖堂の タンパンヨナの 物語 作者の想い 自由に表現
・柱頭の 彫刻様々 愉快なり しがみつく男 異形の動物
・しがみつく 男は天国 目指しおり 異形動物 俗界隔て 

写真下左:Kサン・ジョルジョ・マルティーレ教会の怪物の柱頭   写真下右:L天国を目指す人間

<テルモリ  大聖堂>
・フェデリーコ 2世の支配 テルモリの ドーモプーリア ロマネスク様式
・祭壇は この階段の 更に上 神の領域 それほど高く
・聖ティモテ ご遺体安置 されており パウロのあの友 あの手紙の
・後陣の 外は綺麗な ロンバルディア 模様が彫られ 海を背にして

写真下左:Mテルモリの大聖堂正面   写真下右:N同聖堂 御陣を外から

・振り向くと テルモリの海 トラボッコ かつての釣り小屋 遺されており
・要塞が 今も健在 フェデリーコの イタリア軍隊 使用しており
・ランチには 海の前菜 レモン掛け メインは小蛸の 煉獄煮とか

写真下左:Oフェデリーコの要塞   写真下右:P蛸の煉獄煮

<ペトレッラ・ティフェルニナ サン・ジョルジョ・マルティーレ教会>
ペトレッラ・ティフェルニナ Petrella Tifernina の「サン・ジョルジョ・マルティーレ教会Chiesa di San Giorgio Martire」。 18世紀に世の趨勢にならってバロックに変えられたそうだが、20世紀になると本来のロマネスク様式にもどされたというこの教会は後陣外側から丹念に見ていった。正面にでるとタンパンはあの旧約のヨナの物語。(写真トップ)可愛いというか愉快な彫刻が楽しませてくれる。内部の彫刻もとても面白い。なんとか天国を目指そうと言う人間には苦笑い。エピディディウスを初めとする何人かの彫刻家によるものと銘文が遺されていて珍しい。人口1000人程のこの小さな街の宝のような教会だ。

<テルモリ  大聖堂>
バスは北上して アドリア海沿いのテルモリTermoliに向かった。海を背に12世紀創建の大聖堂は建つ。プーリアロマネスク様式なのだと言う。ファサードは、入口を中心に左右に3つずつアーチがあって美しい。ピサのあの美しいアーチや二重窓に似ている。タンパンの彫刻は無くなってしまっている。内部は3廊式、天井は木製、特に祭壇まで10の階段があるのが珍しい。祭壇脇にパウロの手紙の相手である聖テモテSan Timoteoが眠っているとは驚いた。

写真下:Q聖パオロの手紙の相手、聖テモテの墓  

外に出て後陣を眺める。海風が強く、この強い風にさらされながら建っている事になんとなくフェデリーコU世の強さを感じた。海にはトラボッコという漁師小屋が一基遺され、寂しげな風景。はるか先にはフェデリーコ2世の要塞が見え、それは今もイタリア軍につかわれているのだという。海沿いのレストランで「蛸の煉獄煮」と聞いて どんな??と思っていたら小蛸と豆の海鮮味のスープのようだった!

3.アブルッツオ州 フォッサチェージア  サン・ジョヴァンニ・イン・ヴェネレ修道院
・ビーナスの 神殿だった その上に 11世紀 アドリア海背に
・ファサードは 洗者ヨハネや ご訪問 イエスの誕生 くっきり彫られ 

写真下左:Rサン・ジョヴァンニ・イン・ヴェネレ教会入り口の彫刻   写真下右:Sマリアのご訪問の彫刻 

・広々と 3身廊の 聖堂は 木組みの天井 白い石に映え
・後陣の 外も緻密に 彫刻が それぞれ思い 伝えるために
・聖堂を 降るとそこは アドリア海 かすかに見える トラボッコ3基

 写真下左:(21)サン・ジョヴァンニ・イン・ヴェネレ教会全景   写真下右:(22)同教会の組みの天井
写真上:(23)サン・ジョヴァンニ・イン・ヴェネレ教会の後陣 

<フォッサチェージア  サン・ジョヴァンニ・イン・ヴェネレ修道院>
テルモリから更に北上してフォッサチェージアFossacesiaへ。ここはもうアブルッツオ州だ。アドリア海を見下ろす緩やかな丘にある温暖な街、この地にベネディクト会の修道士たちが11世紀、ヴィーナスの神殿があったところに巨大な修道院「サン・ジョヴァンニ・イン・ヴェネレ修道院Abbazia di San Giovanni in Venere」を建てた。教会の正面入り口には彫刻が見事に遺されている。洗礼者ヨハネ誕生の物語。マリアのエリザベッタご訪問。聖書の物語がくっきりとした浮彫でとても楽しい。なによりもここはこの彫刻が宝だ。内部も広く白い柱に木製の天井のコントラストが素晴らしい。

後陣を外から見、さらにそこからちょっと降るとアドリア海を見渡せる、素晴らしい立地だ。人はその知恵で、どこに建てたらよいのかがわかっているのだとつくづく思う。バールでエスプレッソ、友人はこの頃流行りのマロッキーノを頼み、青空と海を背にする聖堂を眺めながら味わった。

写真下左:(24)アドリア海  写真下右:(25)トラボッコ


筆者プロフィール
岩間 正子(いわま まさこ)
鎌倉市在住。1995年の初イタリアから、これまで17回訪問。歴史、芸術、食文化、ユニークな街並み、どれをとっても興味深く訪れたくなる国。イタリア語も独学から始め、熟年クラスを経て、今はまた独学。短歌と言える程のものではなく、全くの自己流説明文。写真と合わせて記録している。
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