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15 Gennaio 2020
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![]() ●海とカルスト台地の狭間に トリエステの地理を見てみると、眼前にはアドリア海の最奥であるトリエステ湾が広がり、すぐ後ろにはカルスト台地が迫っているのが特徴です。日本では秋吉台が有名なカルスト台地ですが、そもそもの語源はトリエステからスロベニアにかけての石灰質の土地を指していたドイツ語の地政学名「カルスト(Karst)」であり、言うなればカルスト台地の元祖がここトリエステで見られるわけです。カルストはイタリア語では「カルソ(Carso)」となり、トリエステから手軽に行ける自然スポットとして人気を集めています。
写真トップ:@カルスト台地の上からトリエステ市街を臨む
●海を見下ろすカルソの魅力
写真上左:A海岸線「バルコラ」とカルソ。頂上にモンテ・グリーザ教会。左手奥にはミラマーレ城も。 写真上右:Bカルソに行くなら紅葉が特に美しい秋がおススメです。
写真上左:C「ナポレオンの道」の切り立った岩肌 写真上右:Dモダンなモンテ・グリーザ教会
また、トリエステの中心街の港からカルソの方向を見たときに必ず気になる三角形のモダンな建物ですが、実は「モンテ・グリーザMonte Grisa」と呼ばれるカトリック教会なのです。第二次大戦後にユーゴスラビア領になってしまったイストリア半島に残されてしまったイタリア系カトリック信者の心の支えになるように、との意図でこの目立つ場所に建てられたという説がありますが、本当かな?とにかく、この教会からの眺めも見事です。
●巨大鍾乳洞「グロッタ・ジガンテ」
写真上:E写真ではスケールが伝わりませんが、かなり巨大なグロッタ・ジガンテ
●トリエステ人の憩いの海辺「バルコラ」 中心街からミラマーレ城方面へと海岸線を辿ると、国道沿いに「バルコラBrcola」呼ばれる海辺が伸びており、一年を通して老若男女を問わず地元の人の憩いの場となっています。ここに来ると、今度は海の間近からカルソの切り立った崖を見上げることができます。夏場はこの散歩道に直接バスタオルを敷いて日光浴と海水浴を楽しんでしまうのがトリエステスタイル、仕事のお昼休みにひと泳ぎしにくるという人もたくさんいます。
写真上左:Fバルコラからカルソを見上げる 写真上右:G海の水も綺麗
●街を吹き抜ける北風「ボーラ」 冬に北東から吹き付けるこの風は、トリエステといえば「ボーラBora」で有名とまで言われる街の名物です。ギリシャ神話の風の神アイオロスの娘という設定で、トリエステ近郊の洞窟で人間と恋に落ち、父親に恋人を殺されてからもこの地に吹き続けているという伝説があります。激しい時には時速150キロメートルにも達し、街中の道筋に沿って吹き付けるときは風に向かって歩くことも難しくなるほど強烈です。しかしこれこそが風の街トリエステのシンボルであり、トリエステの人々は数日この厄介な北風が吹かないと寂しがるほどなのです。
写真上:H中央広場近くの埠頭のモニュメントに見られるボーラ
●街も郊外も魅力的なトリエステ! さて、今回で僕のトリエステ案内の連載は一区切りとさせて頂くのですが、いかがだったでしょうか。複雑な歴史と独特の観光スポットが組み合わさったトリエステですが、他にはないカフェ文化などまだまだ魅力はたくさんあります。ぜひ一度足をお運び頂き、その際にはコーヒーでもご一緒させていただければと思います。今まで読んで下さって、ありがとうございました!
写真上:Iありがとうございました!
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