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ウンブリアの風 〜12ヶ月の歳時記〜
15 maggio 2010

第7回 スペッロ
昔ながらの生活が息づく古都 花とピントリッキオを愛する旅人へ


粉川 妙

スペッロの旧市街に一歩踏み込むと、まるで中世に迷い込んだような錯覚に陥ります。風雪に耐えたレンガ色の街並み、広場のベンチでおしゃべりしながらレースを編む婦人、昼下がりカード遊びに興じる老人たち。歩いて回っても半日もかからない旧市街には、建築物だけでなく人々の生活さえもスローで、イタリアの良き生活がそのまま保存されています。

写真トップ@: 6月に開催される「インフィオラータ(花びらで作る絨毯)」の祭り
写真左A: コンソラーレ門、右B: ピントウリッコのフレスコ画や古いマジョリカ陶器の床のあるバニョーニ礼拝堂

スペッロの街へは、ペルージャやアッシジから電車で30分以内で到着するアクセスのよさがうれしいところ。駅から旧市街まで1km弱の道のりなので徒歩で行けます。
ローマ時代の遺跡の残るケネディ広場のコンソラーレ門をくぐると、メインストリートのコンソラーレ通りVia Consolare(その先はカブール通りVia Cavour、ガリバルディ通りVia Garibaldiと名前が変わる)があります。そこをすぐ左折し(via del tempio di Diana)50mほど道なりに進むと、簡易の観光案内所があるので、そこで街の地図を手に入れましょう。

再びメインストリートへ。道の両端には、オリーブオイル屋やデルータ焼きの陶器屋、オリーブの木を加工した台所用品を売る店など、この土地ならではの特色のあるお店が並びます。道端でアッシジ編みをするおばあちゃんもいて、それらを見ながら歩くのは楽しいものです。目抜き通りから何本も張り巡らされた路地を気ままに入ると、昼食の支度をする匂いや草木に水をやる住人の姿をつぶさに見ることができます。

写真左C: 民家の軒先にあふれる花、右D: 目抜き通りから入った路地から眺めるパノラマ

スペッロの街を美しく華やかに盛り立てているのが、民家の軒先にあふれる「花たち」でしょう。季節の花がそれは色とりどりに街を飾ります。細い路地や袋小路の角にも飾られていて、あまりの美しさに「なぜこれほどに花を飾るのか」とある婦人に質問してみると、「古くからスペッロ人は花を愛していて飾る習慣があったのよ。6年前から毎年、『街路の花コンテスト』を開催するようになって一層過熱したかしらね」と話してくれました。スペッロをイタリア国内で有名にしている「インフィオラータ」(花びらで作る絨毯)も関係するかもしれませんね。聖霊降臨日(復活祭の50日後の日曜、今年のフェスタは6月5日と6日)には、町中の石畳に花びらで作られた巨大な絵や花カーペットが作られ、街中が色とりどりの花と甘い香りに包まれます。

さて、ウンブリア美術が堪能できるスポットを紹介しましょう。メインストリート沿いにあるサンタ・マリア大聖堂Chiesa di Santa Maria Maggiore(13世紀-17世紀)の側廊にあるバニョーニ礼拝堂Capella Baglioniにはピントゥリッキオのフレスコ画やデルータで作られた古いマジョリカ陶器の床が見ものです。聖堂正面の脇にあるペルジーノのフレスコ画もお見逃しなく。
またサンタンドレア教会Chiesa di Sant'Andreaのピントリッキオのフレスコ画や市立絵画館Pinacoteca Civicaも要チェックですよ。この近くに大きい観光案内所もあるので、ここでレストランや町情報を収集することをオススメします。

通りをさらに進み、急な坂道を登っていくと、聖セヴェリーノ(San Severino)教会前の見晴らし台があります。15km先のアッシジの優美な街並みやそれを囲む雄大なスバッシオ山、ウンブリアの豊かな丘陵が見渡せ、それは素晴らしい眺めです。
温故知新に満ちたスペッロの小旅行。たとえ短い滞在であっても、心に深く鮮やかに刻まれることでしょう。

ウンブリアの風 〜12ヶ月の歳時記〜  著者プロフィール
粉川 妙 (Kokawa Tae)

中部イタリア、ウンブリア州スポレート市在住。ライター。
2005年スローフード協会の料理学校italcookのマスターコースを修了し、その後一年間のステージ(実地研修)を終え、イタリア地方料理を学んだ。地産地消、伝統料理の継承と革新、自給率など、関心テーマ。『ブタについての文化人類学的考察』を学士論文で書いて以来、ブタに関する食や文化をライフワークとする。最近はもっぱらAISのソムリエ資格を取るために奮闘中。
「スローフード」と「ウンブリア 美食の旅」情報満載のサイト 『ウンブリアの食卓から』 http://slowfood1.web.fc2.com/ 主宰。 日々の生活は『butakoの2年間の休暇』http://butako170.exblog.jp をどうぞ。
2008年8月に発売したフォトエッセイ『スロー風土の食卓から』(扶桑社)も、好評発売中。

* 著者からのメッセージ
ウンブリア地方の自由な旅の提案をはじめました。ウンブリアの田舎街の紹介や知られざるご当地グルメ情報、マンマから学ぶ伝統料理教室など掲載しています。詳しくは『ウンブリアの食卓から』http://slowfood1.web.fc2.com/をご覧下さい。


データ
Dati
Gubbio スペッロ Spello

■スペッロへのアクセス
<電車の場合>
ローマから:テロントラTerontla行き、ペルージャPerugia行き
○ ローマ→スペッロ(必要に応じてFoligno、Perugiaで乗り換え) およそ2時間
○ アッシジ→スペッロ 列車でおよそ10分。
フィレンツェから:ペルージャ行きもしくはフォリーニョ行き(Terontlaで乗り換えの場合あり)
○フィレンツェ→スペッロ  Rで2時間
スペッロ駅から中心街までは徒歩で15分くらい 
*スペッロ駅の切符自動販売機が故障している場合は、街のタバッキで購入すること。

■インフォメーション
スペッロ観光案内所
Pro Loco Informazione turistica
住所: Piazza Matteotti 3
電話: 0742-301009
スペッロ市サイト http://www.comune.spello.pg.it/
ウンブリア州サイト http://www.umbria2000.it/
インフィオラータ http://www.infioratespello.it/

■市立絵画館 Pinacoteca Civica
住所: Piazza Matteotti 10
電話:0742-301497 月曜休館
開館時間:
4〜9月 10:30-13:00/15:00-18:30
10〜3月10:30-12:30/15:00-17:00

■スペッロの食事処
○ホテルレストランで大地の恵みを味わう
ラ・バスティリャ La Bastiglia
住所:Via dei Molini 7, Spello(PG)Italy
電話: 0742-651277
定休日 水曜(全日)、木曜日(ランチ)
営業時間:13:00-14:10、20:00-22:00
予算:1人45ユーロ〜(飲み物別)
http://www.labastiglia.com/ristorante-spello.htm
アラカルトでも頼めるほか、デグスタッツィオーネ・コース(45・55・70€)があり、新旧のウンブリア料理が味わえる、ミシュランの星付きレストラン。

○街中のオステリア
オステリア・デ・ダダOsteria de DADA'
住所:Via Cavour 47, Spello (PG)Italy
電話: 0742-301327
定休日:日曜の夕食
営業時間:12:00-15:00、19:00-22:30
予算:1人8ユーロ〜(飲み物別)
ボリューム満点の日替わりセットメニュー15ユーロ(飲み物別)もある。メインストリートに面しており、雰囲気の良い地元の人おすすめのオステリア

写真:@ABC:Comune di Spelloスペッロ市役所提供 
D:筆者(粉川妙)撮影  

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