JAPANITALY Travel On-line

 
イタリア旅行情報サイトJAPAN-ITALY Travel On-line
ウンブリアの風 〜12ヶ月の歳時記〜
15 febbraio 2010

第4回 トーディ
現代社会の理想郷? 中世と自然が美しく調和する丘陵都市


粉川 妙

自然に抱かれた中世都市、静か、安全、人が穏やか…トーディを形容する言葉は枚挙に暇がありません。10年以上前に、ケンタッキー大学の研究チームが行った、21世紀に向けて「環境の整った街」の調査で、ウンブリアの小都市トーディが世界一になりました。中世の町並みが保存された街は、車の通行も制限されているためか、日中でもとても静か。いびつに続く小道をさまよえば、突然、目の前にロマネスク彫刻の門柱が現れたり、視界が開けて遠くの丘が見渡せたり、と街中にサプライズが仕掛けられています。
写真トップ@: ドゥオーモの巨大フレスコ画
下左A: トーディの中心にある「ポポロ広場」、右B: 趣きのあるトーディ市内

トーディの街の散策は、半日もあれば可能でしょう。街は古い城壁に囲まれ、10基の門が点在します。まず中心部、ポポロ広場を目指し、G.マッテオッティ通り(ローマ通り→コルソ・カヴールと名が変更)を上へ向かいます。街の目抜き通りは、商店や噴水のあるカフェテラスなど、目を楽しませてくれます。大通りを脇にそれると、ローマ時代の巨大な壁「ニッチオーニ・ロマーニ」があり、トーディの長い歴史を物語ります。
頂上にあるポポロ広場は、街の機能が集中した、心臓部です。ここには14世紀建造のプリオーリ宮(現市庁舎)や13世紀のポポロ宮(現観光案内所)、ドゥオーモが一堂に集まります。ポポロ宮の上階部分は、市立絵画になっています。

ドゥオーモ(12世紀)で圧巻なのが、教会内部の正面入り口上の壁面に描かれたF.ダ・ファエンツァの『最後の審判』の巨大フレスコ画です。全能の神、悪魔に逃げ惑う人間たち…その躍動感は、今にも壁から飛び出さんばかり。左右対称の構図のためか、群像を描いているのに、すっきりとした佇まいです。また13世紀に増築した右側廊の柱やアーチが美しく、まるでレース編みのドレープ(ひだ)のようです。

写真左C: サン・フォルトゥナート教会の門、中D: ドウオーモ、右E: サラミ盛り合わせ

ドゥオーモから徒歩5分のサン・フォルトゥナート教会(13〜15後半)は、ちょっとユニークです。まずゴシック様式の外観は、未完の上部と、華美な彫刻で装飾された下部とが、不思議なコントラストをかもします。内部は、身廊と側廊の高さが同じで、窓が大きく開放的なイタリアンゴシックの典型例です。側廊にある各カッペラ(小礼拝堂)ごとに、13〜17世紀の趣の異なる絵や彫刻があり、ここまで雰囲気が違うなんて、他にはない感じ。まるで共同展示会のような趣向です。第4番目のマゾリーノによるフレスコ『玉座の聖母子』は、必見。

教会の先を行くと、カーブ沿いの歩道部分が見晴台になっています。ここからの景色は素晴らしく、ウンブリアの大地や丘を見下ろすことができます。坂を下れば、ルネッサンス建築の傑作、サンタ・マリア・デッラ・コンソラツィオーネ教会が。巨匠ブラマンテの設計に基づいた1617年完成の教会は、城壁の外に唯一建っており、これがトーディの繁栄を象徴した最後の大事業だったそう。それ以降、街はペストや飢餓で、活力を失ってしまいます。

教会や遺跡は、有名な作家のものではありませんが、しみじみと楽しめる秀作ばかりです。そして、トーディの中世の街並みが何よりの遺産。一日中歩き回っても、飽きることはありません。街は海抜410bにあるので「陸に浮かぶ島」と言えますね。また、ウンブリアの滋味深い山の幸とおいしいワインなどのご当地グルメが、旅人を温かくもてなしてくれます。

ウンブリアの風 〜12ヶ月の歳時記〜  著者プロフィール
粉川 妙 (Kokawa Tae)

中部イタリア、ウンブリア州スポレート市在住。ライター。
2005年スローフード協会の料理学校italcookのマスターコースを修了し、その後一年間のステージ(実地研修)を終え、イタリア地方料理を学んだ。地産地消、伝統料理の継承と革新、自給率など、関心テーマ。『ブタについての文化人類学的考察』を学士論文で書いて以来、ブタに関する食や文化をライフワークとする。最近はもっぱらAISのソムリエ資格を取るために奮闘中。
「スローフード」と「ウンブリア 美食の旅」情報満載のサイト 『ウンブリアの食卓から』 http://slowfood1.web.fc2.com/ 主宰。 日々の生活は『butakoの2年間の休暇』http://butako170.exblog.jp をどうぞ。
2008年8月に発売したフォトエッセイ『スロー風土の食卓から』(扶桑社)も、好評発売中。

* 著者からのメッセージ
ウンブリア地方の自由な旅の提案をはじめました。ウンブリアの田舎街の紹介や知られざるご当地グルメ情報、マンマから学ぶ伝統料理教室など掲載しています。詳しくは『ウンブリアの食卓から』http://slowfood1.web.fc2.com/をご覧下さい。


データ
Dati
Todi トーディ Todi

■トーディへのアクセス:電車の場合
<ローマから>
鉄道fs  ローマ→テルニ(Terni)約1時間
FCU    テルニ→トーディ・ポンテ・リオ(Todi Ponte Rio) 40分
             *FCUはfcテルニ駅5番線から発
APMバス トーディ・ポンテ・リオからLineCのバスで15分
             *LineCのバス停は駅から15分
ポンテ・リオ駅では、切符は駅の売店で購入。刻印機は、車内にある。

■観光案内所
Ufficio Informazioni Turistice IAT
住所: Piazza del Popolo 38/39
Tel: 075-8942526
4〜10月 9:30-13:00/15:30-18:30  日祝   10:00-13:30
11〜3月 9:30-13:00/15:00-18:00  日祝   10:00-13:00
1/1,12/25は休
トーディ市サイト http://www.comune.todi.pg.it/fap/
ウンブリア州サイト http://www.regioneumbria.eu/

■市立絵画館Pinacoteca Civica
住所: Piazza del Popolo ポポロ宮内  Tel: 075-8944148 月曜休館
開館時間:4/1〜10/31 10:00-13:30/15:00-18:00
             :11/1〜3/31 10:00-13:00/14:30-17:00   入館料:5€

■トーディの食事処
○雄大なパノラマを見ながら地元料理を味わう
リストランテ・ウンブリア Ristorante Umbria
住所:Via San Bonaventura 13, Todi (PG)
Tel: 075 8942737
定休日 火曜
営業時間:12:30-15:00、19:30-23:00
予算:1人30〜35〜(飲み物別)
http://www.todi.net/umbria/
店へは観光案内所の左手脇の小道を入っていく。伝統的なウンブリア料理、それをベースにした再解釈料理など。特にパロンバ・アッラ・ギョッタ(野鳩のギョッタソース)は、香り高くぜひ試したい。秋はポルチーニなどのキノコも満載。

○豊富なワイン、イタリア中の逸品が集まるレストラン&エノテカ
パーネ エ ヴィーノ Pane&Vino
住所:Via Augusto Ciuffelli 33, Todi (PG)
Tel: 0758945448
定休日:水曜日
営業時間:11:00-16:30、18:30-24:00
予算:1人20€〜(飲み物別)
質量ともに納得のアンティパストミストは15€(飲み物別)。友人とシェアすると良い。手作りのドルチェはどれも美味。雰囲気の良い地元の人おすすめの一軒。

写真:すべて筆者(粉川妙)撮影

ウンブリアの風 〜12ヶ月の歳時記〜
小都市を訪ねる旅 アルキーヴィオへ このページのTOPへ HOME PAGEへ

http://www.japanitalytravel.com
©  JAPANITALY.COM srl - MILANO 2000 All rights reserved.