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イタリアへの留学、そして就職 ― 私の場合
 

15 febbraio 2006

最終回:イタリアで働くということ

くす ゆみこ







前回は、私が実際にイタリア企業で働く中でのちょっと楽しいエピソードを紹介した。
でも海外で働くということは、勿論、楽しいことだけではない。今回は海外で働くことのちょっとした苦労話やそのエピソードと、この『イタリアへの留学、そして就職〜私の場合〜』の最終回として、私の近況などをお話したいと思う。

日本人である私と、イタリア人である同僚たちの仕事感というのは根本的に違う。多くのイタリア人にとって仕事はあくまで仕事、ただそれまで。だから、お給料分しか働かないというのが、彼らの言い分だ。いや、私からすると、お給料分も働いていない同僚だって居るように思われるけれども。そういう彼らからすると、たとえ納期のある仕事であっても、勤務時間が終わればそれまで。期限内に仕上げなければ取り引き先に迷惑の掛かる仕事であってもお構いなし、就業時間が終われば帰宅してしまう同僚たちに最初はかなり困惑した。これは育った環境がそうさせるのか、日本でも社会人経験のある私にはとても考えられないことだった。

そういった細々した文化・感覚の違いを感じつつも、気付けば私のイタリアでの社会人歴ももう4年目。その中でも、イタリアで仕事をするにあたり、やはりいまだに一番苦労しているのがずばり給料面の問題だ。

イタリアの平均賃金は想像を絶するほど低い。イタリア人、外国人に関わらず、イタリアで勤続10年以下の会社員の場合で、一ヶ月の給与が手取り1000ユーロ(約14万円)以上ある人というのは、かなりラッキーな場合だ。中には週40時間勤務で600ユーロ〜800ユーロほどで仕事をしている人も相当数居るという。というのもイタリアと言う国は非常に税金が高い国で、実際の給与から、所謂、イタリアの厚生年金や国民健康保険、その他諸々の税金を納めるうちに、実際の手取りから約40パーセントが天引きで差し引かれていく。

そのくせ、ここ数年のイタリアのインフレ率は醜く、スーパー、鉄道など一部日本より物価が安いと思われるものを除けば、物価は日本とほぼ同じ、もしくは外食費、家賃、ガソリン代などは日本よりも物価が高いというのが最近のイタリアの現状だ。

そういうわけで、現在、イタリアで働きながら暮らす外国人というのは、正直かなり生活が厳しいというのは避けられようも無い。それはイタリアで働く日本人にしても同じであって、日本での生活レベルを、こちらで働きながら続けるというのはほぼ無理だと言っても良い。勿論、給与だけが全ての問題では無いけれども、これからイタリアでの就職を考えている人には、この点はよく理解していて欲しいと思う。

さて、最後に私の近況を少し。現在の私は、イタリアで最初に就職したフィレンツェの会社を退職し、その後、現在住むトスカーナ州はアレッツオ市の小さな企業で観光産業に関わる仕事に赴いている。気付けば私のイタリア暮らしも6年目、そしてこちらで仕事をはじめてもう4年目。外国暮らしが長くなればなるほど、イタリアで暮らすこと、そしてこちらで仕事をする事を夢に描いていた数年前とはまた違ったイタリアやイタリア人が見えてくる。全てが思い描いていた通りとはいかないけれど、それでもやはり私にとっては居心地の良い国イタリア。これからも日々葛藤を繰り返しながらも、少しずつ前に進んでいきたいと思う。


プロフィール

くす ゆみこ
2000年より、トスカーナ州アレッツオに在住。語学留学を経て、2002年、現地イタリア企業に就職。現在は、会社員として働くかたわら、イタリア留学、就職希望者向けに自身の体験談他を語る、「イタリア留学・就職・生活応援サイト Abbicci」を運営している。 

 



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